童話 猫になった少年

童話 猫になった少年

第1章ひろぼう誕生
横浜の長屋、母初、父繁、父は郵便配達、そこに
昭和34年8月26日ひろ誕生、たいじゅう3800kgの
男の子誕生、名を広とつけた。皆からはひろぼうと呼ばれる。
長屋のため風呂がないので実家の従弟かずの家で入っていた。
祖母がひろちゃんは大きくなったら何になりたいと聞かれた。
「何にもなりたくないや」
「でも長嶋か王になれるかな」
「さあね」
おばのきくと母と歩いていた時である。
急に黒い車が来た。
「ぼく、乗っていく」
「うん」
乗ってしまった。
「おじさんはだあれ」
と思った瞬間意識がなくなった。

第2章猫になる
「あれここはどこ」
なぜか草むらを歩いている。
子供がこちらへきた。
でかい。
自分を持ち上げる。
「いいこだ」
という。どうしたのか。
「おまえうちでは飼えないからここで
まってて」
「どうなっているのか」
おにいちゃんは15歳ぐらいだろうか。
ここはどこという。
「にゃー」
あれ、やばい、猫になったみたいだ、しゃべってもにゃーとしか
声が出ない。
「にゃー、にゃー、ニャー」
戻ってきた。
「いいこだね、ほらミルク」
コップにミルが入っている。
ぺろぺろぺろ。
「にゃー」
「またね、おとなしくここにいな、またあしたくるから」
あ、行っちゃった、僕どうしよう。康太は途方に暮れた。
おかあさんと呼んだ。
「にゃー」

ただニャーというだけである。

第3章友達出来る
しばらくして、つぃい居眠りをしてしまった。
どれくらい経ったろうか。
気が付くと
「君だいじょうぶ」
目の前に子猫がいた。
「どこからきたの」
「僕人間なんだよ」
「そう言えば前にそういう話聞いたことあるよ」
「いちくる」
「ちょっといこうかな」
子猫につぃていく。
そこはダンボールだらけのごみやだった。
「僕の弟を紹介するよ」
「ころだよ」
「こんにちは」
「まだ生まれ3か月なんだ」
「飯でも食うか」
「え」
バッタをつかまえてきてくれた。
「おれ無理だよ」
「にんげんだったから」
「これからこういうもの食っていかないと生きていけないぞ」
「あー」
広は思い切ってバッタを食ってみた。
「もぐもぐ」
「けっこういけるな」
猫になり切ってしまったようだ。
「君の名は」
「広だよ」
「君は」
「しろだよ」
「同じような名前だね」
「気が合いそうだね」
「僕のおかあさんに会う」
「いいよ」
「弟たちとまだ寝てるは」
「よお、君か、人間だったというのは」
「おじさんはずっとここにいるんですか」
「そうだよ」
「でもテレパシーが使えるっていうのはすごいですね」
「テレパシーだけでないよ」
「過去の2000億年の歴史もわかるよ」
「2000億年ですか」
「今はこんな姿だけど人間や天使だったこともあるよ」
「宇宙飛行士の時もあるよ」
「数学、物理だってわかるよ」
「えー知らなかった」
「でも虫とか食べて馬鹿になっているんだ」
「人間は過去のこと忘れているけど」
「人間のほうが悪いんだよ」
「だから忘れさせられてんだよ」
「ふーん」
広は猫たちの尊さを初めて知った。
「君だーれ」
「広といいます」
「どこからきたの」
「人間だったんです」
「あらわたしもよ」
「おねさんもそうなんですか」
「もう5年もいるのよ」
「人間に戻れないんですか」
「無理みたいね」
「この世界も悪くないわよ」
「でも人間に捕まったら終わりよ」
「保健所で殺処分だから」
「ほんとですか」
「知らなかったの」
「うちの仲間もほとんど行っちゃたわよ」
「おねさんよくつかまらないですね」
「それはそうよ」
「あたし飼い猫だから」
「あご主人が来たわ。またね。誰かいい人に飼われるしかないわよ。
じゃね、ぼくちゃん」
おねさんはそそくさといってしまった。
「心配いらんよ」
今度は太った猫が話しかけてきた。
「わしらといればなんとかなるさ」
「わしなんかこうやって15年も生きてるよ」
「おじさんはここで生まれたの」
「そうじゃよ」
「ここにいる半分はわしの親戚じゃよ」
「ふーん」
広はお兄ちゃんのことをうっかり忘れていた。

第4章飼い猫になる
急いでお兄ちゃんのいるところへ戻った。
すると近くの豪邸から1匹の猫がでてきた。
「ぼくちゃんどこから来たの」
「僕人間だったんです」
「ほんと」
「いま、おにいちゃんを待っているんです」
「お兄ちゃんってうちのご主人様かしら」
「おんでこようか」
「はい、おねがいします」
というとシャムネコのおばさんは家に入っていく。
「おー」
すると中から大きい声がして、小学生くらいの子が出てきた。
「どうした」
「にゃー」
「捨て猫か」
「うちでもう1っ匹飼うか」
というとその子のおかあさんも出てきた。
「おかさん、此の子もかっていい」
「どうしようかね」
すると最初にあったおにいちゃんもでてきた。
「おまえ、」
「知ってんのか」
おかさんがきく。
「昨日からいたんだよ」
「そー」
「おいで、おとうさんにきかないとね」
そいうと広はごうていのいえにはいった。すると中から
シャムネコの子供らしいこがぞろぞろでてきた。
「君どこから来たの」
「にんげんだったんだよ」
「ほんと」
「でもよかったじゃん」
「そとにいたらいつ死ぬかわからないからな」
「おいで」
「おにいちゃんが手にのせると
ミルクをくれた」
1日何も口にしてなかったら一気に飲んだ。
「おなかすいてたんだな」
「おいしいかい」
シャムネコのおかあさんがそばによってきた。
「おいしいです」
「よかった」
「ここでかわいがわれるのがいいよ」
「はいそうします」

お父さんが帰ってきた。
「お、また子猫が増えたな」
「そうなのよ、拾ってきちゃったのよ」
「まあいいじゃないか」
広はここで飼われることになった。
「とにかくご主人様にあまえるのがコツだよ」
「君はでもラッキーだよ」
「普通ならもう保健所だよ」
「そうお」
そして数日たった。
シャムネコのお母さんが泣いている。

第5章新入り来る
「どうしたのおかあさん」
「うちの子たち、みんなよそに行っちゃっ
たよ」
そして、代わりに別の子が来た。何やら交換したようだ。
「よ。きみはだあれ」
「新入りだね」
「しまといいます」
「あそう」
「よろしく」
「にゃーにゃー」
「なにやってんの」
「是も生きるためよ」
「かわいがられないと捨てられるよ」
「きみなんか芸しないと」
「ふーん」
「おれ芸ないよ」
広はこの先のことを考えると何か
芸の一つはやらないとだめだと。
シャムネコのお母さんに聞いてみよう。
「おかあさん。僕何か僕芸がほしいんだけどある」
「おまえ、芸か、私もないよ」
「そうだね。人間の時は何が好きだったの」
「虫取り」
「そうだ。人間に近ずいてほおずりしたら」
「よろこぶよ」
「よしやってみよう」
「にゃー」
「こいつ、よってきたぞ」
「こすってきた」
「こいつもやるな」
「やればできるだろ」
「ほんとだ」
「そうだ、おとさん夏休みどうすんの」
「どこつれてってくれるの」
「ハワイでも行くか」
「おかあさんいい」
「いきましょうよ」
「きまった」
「猫たちどうする」
「つれていくか」
「いきたいだろ」
「ニャー」
そして、ハワイに行くことに決まる。
ねこたちはかごに入れられていく。

第6章羽田
羽田に到着、揺られ揺られて、気分が悪くなった。
「羽田は久しぶりだは」
「おかあさんは飛行機乗ったことあるの」
「あるわよ。昔は宇宙船で宇宙旅行してたわ」
「それっていつのこと」
「千年前、アンドロメダにいたときは船長だったのよ」
「船長ってufoの」
「そうよ」
「お母さんはいつから生きているの」
「3千億年よ」
「えー」
「それじゃ、何でも知っているの」
「そうよ」
「それじゃ1っこ聞いてもいい」
「いいわよ」
「宇宙の果てってどうなっているの」
「宇宙の果てはまた宇宙よ」
「でもこの宇宙と法則が違うからいけないわよ」
「その先は」
「もどるはよ」
「行ってみればわかるけど」
といっている中、ヘリコプターが飛んでいく。ドクターヘリか。急いでいるようである。
「オー、ジェット機も飛んでいる。航空ショーだね」
「さて行くよ」
飛行機に乗り込む。
「すごい加速だね」
窓を覗くと自衛隊のジェット機が接近してきた。
大分時間がった。
「みんな寝ているね」
「ハワイは遠いいよ」
「ハワイって面白い」
「暖かいだけよ」
「ハワイについた」
「さあ降りるぞ」
さわやかな風がが流れてくる。
南国の海が見えてきた。

第7章ハワイにつく
子供たちはもう水着になってワイキキへ。
青い海、サンゴ礁、ハワイは楽園である。
シャムネコのミーヤはひと眠り。広もしろも
眠りにつく。
やがて子供たちは海から上がりみーやを抱っこ。
「ニャー」
こどものやすも猫を抱っこしたまま寝てしまった。
「ニャー」
「なんだちび」
「泳ぎたいのか」
「にゃー」
「そんなこと言っていないよ」
「それいくぞ」
やすは子猫を連れて海へ行く
「ほら」
「じゃぶん」
「きもちいいだろ」
「おれカナズチなんだよ」
しかし猫語は伝わらない。
「あれ、およげるぞ、
ねこっかきだ」
どんどん沖へ向かう。
「おい、ちび、だいじょうぶか」
今度はやすが心配する。
やすは心配になってちびを連れ戻した。
猫も泳ぐんだな。やすは子の猫に不思議さを感じた。
やすは父親から明日からやることを聞かれた。
「シーウオーカーやってみるか」
「なにそれ」
「海の中を歩くんだって」
「やるやる」
次の日、みんなで海に潜ることになった。
「これはすごい」
「海底を歩けるぞ」
熱帯魚たちが寄ってきた。
えさのエビを手に添えると食べに来た。
しばらくして猫たちのこと
思い出した。すっかり忘れていたのだ。
急いでホテルに帰る。
「にゃー」
「僕たちのこと忘れてひどいよ」
「腹ペコだよ」
「ごめんね」
「ホラ買ってきたよ」
「キャットフード」
「ここまできて、これかよ」
「にゃー」
「しょうがない我慢するか」
「だっこ」
「ニャー」
しろが抱っこされた。

「いいなー」
「ぼくも」
そして次の日はみんなでサーフィンを
することになった。
「ちび、おまえもするか」
「ニャー」
「やった、サーフィンできるぞ」
「いいな広は」
「おまえだけかよ」
「あー、朝だ、みんな行くぞ」
「みんなサーフィンは初めてだよな」
「おれもなんだよ」
天気は良好。ハワイはほとんど晴の様だ。
「ハワイで雨ふったら意味ないよ」
レンタルでサーファーセットをかりた。
「コーチもお願いする」
「それじゃ皆さん、沖までボードに乗って、手でこいでください」
「おー、結構難しいな」
「広のほうがうまいぞ」
「猫に負けた」
「猫ちゃん、うまいねー」
「ニャー」
まるでやったことがあるように
すいすい進んだ。
広は人間の時、水泳が結構得意だったのだ。そなことも知らず、やすたちは
猫のサーフィンに関心した。
ハワイのハイビスカスは1年重中咲いている、
楽園である。
「さて、ハワイも最後だ。上から見て
みよう」
「上からって」
「ヘリコプターだよ」
「えー、いくいく」
「どこ見にいくの」
「火山」
そういうとホテルからお父さん
はヘリをチャーターした」
「ねこたちもいくか」
「にゃー」
「よーし、みんなでいくぞ」
全く冒険好きの一家である。
海すれすれにへりがいく。
ヤシの実がいっぱいである。
ハワイは天国といっていいでしょう。
猫たちも大はしゃぎである。
「にゃー」
「あぶないぞ、しろ」
しろが飛び降りようとした。
いくら猫でも即死でしょう。
「パタパタパ」
さらにヘリはスピードをはやめる。
そして帰路に帰っていった。
ああ面白かった。
やすたちもすっかりハワイを満喫した。
「そろそろかえるか」
いつしかヤシの実もさみしっそうであった。しばらくして、ウミガメを見に行くことになった。
次の朝からみんなでレンタカーをかりて
島のはずれまで海辺を走っていた。
皆この1週間で日焼けして真っ黒だ。
健康に良い。海と空のパノラマのような
永遠とつずく景色は、いつまでも飽きることがない。美の極致である。
なんと自然は美しいのだろうか。
自然も作られたものなのだろうか、
いや違うでしょう。
人知を超えた永遠の摂理を人はいまだ、

いな、これからも永遠に追い求めるので
しょう。そうこうしているうちにウミガメを
見つけた。なんと、偶然か自分の子供を見に
来たらしい、子亀を見つめ涙を流している。
シャムネコのみーやがカメに話しかける。
「あなたのお子さんですか」
「はい。うちの子が心配で見に来たのよ」
「そうですか」
「みんな無事に育つといいわね」
「まあ。自然に任せるしかないわ」
こうして元きた道を帰ることにした。
すると、大きな水しぶきがあがった。
「なんだ」
「にゃー」
「くじらだ、でかいぞ」
みな、車から降りる。見事なザトウクジラの夫婦である。
猫たちにきずいて、よってきたみたいだ。
「やあ、どこからきたの」
「日本です」
「すごいところから来たんですね」
「10万年前は日本が中心だったからね」
「そうだね」
猫とクジラの話は昔話となった。
「オー、イルカも来たぞ」
「ほんとうだ」
「クジラとイルカ話仲良しだね」
「まあね」
「昔、ムーにいたときは同じ種族で、よく遊んだよ」
「ほんと」
「なあ。イルカくん」
「そうだね」
「でも、クジラさんは王族で、ぼくらは下級貴族だったよね」
「くじらさんはどこに行っても王様だよね」
「でも、この地球ももう危ないよ」
「人間どもはいいように宇宙人に使われて、とはいっても
人間も過去ろくなことしてないからしょうがないか」
「でもわれわれもその影響うけるぞ」
「それはまずい」
「我々は何も悪いことしてないのにな」
「宇宙人に言っておこうよ」
「わかっていると思う」
「犠牲はいるよ」
「お、ヤドカリさんだ」
「やあ」
「何しているの」
「イルカさんと話してたんだ」
「やどかりさんは今の話聞いてた」
「ぼくらは見ての通り過去悪いことして
 たから、人間よりひどいよ」
「魚やあなたたちにも食べられるぐらいだからね」
「そうか」
「カニさんなんかもっとひどいよ」
カニがどこからともなく出てきた。
ぼくたちなんか、いいとこ1か月で皆、魚の餌だよ。
まあ、最もセミよりましだけど。
「さてそろそろ帰ろうか」
車はホテルへと向かう。ふと横眼で
ワイキキを見ると防波堤、
「最後の海でも見るか」
皆で海を見る。サンゴとイソギンチャク。
「オー、クマノミがいるぞ」
こちらを見ている。
「もう帰るの」
「そうだね」
「またきてね」
港では釣り人たちがマグロなどをつっていた。
海を見ていると落ち着く。
猫ちゃん達も最後だから、
すきに遊んでいいよ。
海辺にはバナナが成っていた。
赤い花が不思議な感じがする。
ハワイは赤が多いい。
ハワイは少しづつ詳しくなってきたホノルルの街。
清々しく広がるエメラルドグリーンの海で
泳いだり、スノーケリングやジェットスキー
などのアクティビティは体験済みでしたが、
ハイテク潜水艦で水深30メートルの深海体験
ハワイの海は皆さんご存知の美しさですから、
きっと深海にも驚くべき世界が広がっていることで
しょう。期待に胸を膨らませ、早速行っ
てきます
ハワイアン・ビレッジの桟橋から出港します。
この日は突き抜ける青空、海の中の透明度も期待で
きそう。「おおイルカの見送りか♪」
猫たちは海辺のカニと戯れる。
「きみ、どこからきたの」
「日本からだよ」
「あの日本から」
「僕も一度行ってみたいな」
「カニ君は過去なんだったの」
「ムーにいたときは兵隊さ」
「核戦争で全滅して、その後極移動で海の底だよ、そのあとはイルカとかだったよ」
「かにはいい」
「よくないよ」
「すぐ魚に食べられて、またすぐかにになって」
「何度も何度も食べらられて」
「それは気の毒だ」
「しょうがないよ、ムーの時いっぱい人を殺めたから」
「フーン」
「じゃあね、かにさん」
話している間に猫のお母さんが
犬のほうに向かう。
「だいじょうぶ、おかあさん」

「だいじょうぶよ」
「にゃー」
「わん、わん」
「おねえさんはどこからきたの」
「日本よ」
「あなたはずっとここに」
「そうだよ」
「昔はムーにいたよ」
「ほんと」
「あたしもよ」
「あの時はよかったよね」
「そうね」
「こんなに地球は汚くなかったよね」
「今はゴミだらけ」
「でももう地球も終わりみたいよ」

「なんかそうみたいね」
「次生まれたらもっときれいな星に生まれたいよ」
「宇宙人に頼もうか」
「近くにいるんだよ」
「ほんと」
「頼んどいてあげるよ」
「ありがとう」
「にゃー」
「どうしたおかさん」
「久しぶりに野生の本能が」
「ねずみ」
「すごい運動神経」
「おい、しろ、猫パンチか」

「やるじゃない」
「ニャー、ゴー」
突然、変な怒鳴り声が聞こえた。
「ギャー」
「お母さんどうしたの」
「変な猫が来た」
「ハワイのならネコか」
「おまえら、楽しそうだな」
「ハワイじゃ、テロが起きてんだぞ」
「いい迷惑だ」
「そんなこと知るかい」
「そっちのレプテリアンが
好き勝手に人間食べてんだろ」
「さあそこまで知らないけど」
「裏社会と表社会は全く違うから何を
信じてよいかわからないよ」
「そしたら裏信じたほうがあっているんじゃない」
「なんで」
「だってネット情報は皆裏情報だよ、なぜ」
「もう私、テレビ見るのやめよう、洗脳されるから」
「ネットだけ見よう」
「それが正解だな」
そうこうしているうちに突然
近くの犬までやってきた。
「わうー」
「お前ら何やってんだ」
「縄張り争いだ」
「今日は猫でも食うか」
「助けて」
「ニャー、ニャー」
「どうした、し、し」
やすが犬を追っ払ってくれた。
「よかったね、おかあさん」
「犬は嫌だ」
「すぐかみつから」
「おー、ベンガル猫だ」
「こんにちは」
「ハロー」
「ハワイユー」
「どこから来たの」
「ニューヨーク」
「観光」
「イエース」
「ちがいますね」
「ュア ウエルカム」
ベンガル猫はどこともなく去っていた。
そこに1っ匹のウサギがやってきた。
「きみはだあれ」
「しろだよ」
「どこからきたの」
「日本」
「良いところにすんでいるね」
「いずれ日本が中心に世界はなるみたいだよ」
「なんで」
「日本人はyap遺伝子を持っていて、
この宇宙の最初に誕生した人間なんだよ」
「ほんと」
「知らなかった」
「うさちゃんはよく知っているよね」
「みんな言っているよ」
「あご主人さまが呼んでいる」
「車に乗るぞ」
「ニャー」
「ぎゃー」
「しろ、びっくりするじゃないか」
「とびかかってきて」
やすはびっくりして、大声を上げた。
「おい、おかあさんが犬とけんかしている」
「みんなどうしたんだ」
母「猫たちは暴れだした」
「帰りたくないからだよ」
やすが言った。
「それじゃ、もう少しここにいるか」
「わーい」
「当分ハワイ暮らしか」
いい身分である。
なんといってもおとうさんは、
研究所の所長なんだ。
此の裕福な家庭に一見見えるが、
苦労は絶えない家族なのである。
実はやす兄の昇は母を亡くしている。
異母兄弟なのである。
この兄弟は月曜はピアノ、火曜は英会話
水曜は家庭教師の完全おぼちゃまである。
父はいつも官邸におつきの運転手がやってきて出勤である。
「おーしろがどこかいっちゃたぞ」
「しろ」
「どこいった」
「海のほうへ行ったんじゃないか」
しろは別な人の後をやすの家族と思って
ついていっちゃったみたいである。
しろはボーとしている子である。
するとおかあさんは匂いを頼りに探しに行く。
「いた」
近くの海でぼーとしていた。
「ばか、ぼーとしちゃだめ」
お母さんに叱られた。首根っこをかまれて皆のもとへ帰る。
「しろ、どこいってた」
「にゃー」
「しょうがないやつだな」
「かごに入れておこう」
「当分かごから出しちゃだめだ」

しろは本当に馬鹿猫だった。
「おかあさん、ありがとう」
実の母ではないのにしろを子供のようにかわいがって
くれている。家族ほど暖かいものはない。
ふとしろは人間だったころの家族を思い出した。
もう戻れそうにない。
ほんとうに自分はこのまま猫で終わるのか。
なんで猫になったんだろう。
「おかあさん、僕なんで猫になったんだろう」
「あんた、知らないのか、普通の猫はみな過去の事、
何万年と知っているんだけど。」
「あんた、色々な生命になれる能力がある宇宙人なのさ」
「えー、ということは人間に戻れる」
「ただもどりかた、忘れたんだよ」
「それじゃ、それしっている人を見つけて聞けば元に戻れるということ」
「そうだね。」
「宇宙人コンタクターにきいたら」
「いっぱいいるよ」
「世界中の猫とまずは仲良くなることだね」
「ニャー」
「どうしたの」
「本能がでた」
ねずみだ。
「チュー」
「はなしてやりなよ、おかあさん」
「かわいそうだよ」
「きみ、そんなとこでうろうろしてないで、
あなにはいってな」
「ありがとう、チュー」
ネズミさんは難を逃れ、にげていった。
しろはこの先どうするか迷っていた。
ここで分かれて自分を人に戻す方法を探すか。
このまま此の家族とともにいるか。
「おかあさん、ぼく、ここでひとりで生きたほうがいいと思う」
「いや、やめたほうがいい」
「つかまって死ぬよ」
「ほんと」

「この国は日本より動物に対して脅威かな」
「皆といることにする」
「そのほうがいいよ」
「そのうちいいことあるよ」
「わーん、わーん」
「犬どもめ、けちらしてやる」
「にゃおー」
おかあさんは犬たちに飛び込む。
「すごい」
犬たちはびっくりして逃げて行った。
必ずしもねこは犬より弱くなかった。
リスも寄ってきた。
「きみはここに何年いるの」
「もう何世代も前からいるよ、
一度いたらここ以外じゃすめないよ。」
「だよね」
するとどこからかカマキリが飛んできた。
「おいしそだわね」
「おかあさん、やめて」
「おいで、ぼうや」
「こい、猫なんかに負けないよ」
かまきりのくせに、強気だ。
「おかあさん、やめなよ」
「えい」
カマキリは猫パンチをなんどもくらい
ダウン寸前だ。かまきりは羽を広げ
威嚇しているがねこのおかあさんも本気だ。
「やめなよ」
やすが猫のお母さんをおさえる。
かまきりは命からがら逃げていいた。
そこにかめがでてきた。
「よそもんはここをあらすなよ」
かめは、猫のお母さんに抗議する。
やすたちは車に乗る前に防波堤へ行く
防波堤にはイルカたちが何やらはしゃいでいた。
「どうかした」
お母さんがイルカたちに聞いた。
イルカたちは日本人に帰る前に伝えてほしいことがある様だ。
「君たち、日本に帰ったらぜひとも
伝えてください。この地球を汚すのは
やめてください、日本人が先頭に立って行ってもらえれば、世界中の人は
聞いてくれるはず、なんてったって
日本人から地球人は始まったから
それに日本人が1番賢いから、なんでも日本人が発明している、これからもそうでしょう
yap遺伝子持っているのは日本人だけだから」
イルカさんたちは猫たちにいった。
「でも猫だから何もできないよ」
「あなた人に戻ればいいのよ」
「あ、そうか」
「しろに教えておこう」
「しろ、おまえ人に戻るしかないよ」
「だよね」
「イルカさん、人に戻れる方法知っている」
「一番確実なのは、人に近ずいて生きることだね」
「そうすると、死んだとき、人に縁しているから
人に生まれやすくなるよ」
「いや、生きているうちに人に戻りたいのよ」
「それはわからない」
「不思議研究所っていうところでそういう研究しているけど」
「ぶーん」
「なんだ。カブトムシくんだ」
「ハワイにもいるんだ」
「日本人が売っているのから逃げてきたん
だ」

「食べるものない」
「にゃー」
「お、かぶとむし、つかまえた」
「すいかあげよう」
「いいよ」
「じゃあね」
「ひゅーん」
「シカさんだ」
「こんにちは」
「ここには一杯草が生えてて
いいね」
「どこから来たの」
「日本」
「すごいとこからきたね」
「そういえば、日本じゃ、シカさんは嫌われているよ」
「そう」
「こっちはどうなの」
「こっちはあんまりいないから、観光客には喜ばれているよ」
そう、モルモットが横入りしてきた。
「モルモットさんは何故ここにいるの」
「迷子になっちゃったんだ」
「かわいそうに」
「いつから」
「昨日からなんだけど」
「そのままじゃ、犬に食べられちゃうぞ」
「かわいそうに」
「ニャー、ニャー」
「どうした」
やすがきた。「モルモットか、迷子か」
「このままじゃ殺処分か」
「ポリスに行くか」
「エクスキューズ三―」
「キャンゆーへるぷみー」
「ディス マウス わず、ふぉーがッと」
「オーマイガット」
「プリーズ ゲット ティス マウス」
「仕方ない、一緒に来るか」
「チュー」
「よかったな」
「お、ひよこだ」
「この辺に巣があるのかな」
「ピー、のっかてきた。巣に帰んな、食べられるよ」
「お、ひよこのおかあさん」
「うちの子いじめないで」
「いじめてないよ」
「えい」
「インコが攻撃してきた」
「勘弁して、にゃー」
「本気出すわよ」
「やめな」
やすがでてきた。
「わん、わん」
犬たちがやってきた。
「君らしあわせだね」
「おいら野良犬は食うものもろくに食えないで
ごみ食べてるぜ」
「ハワイはでもいいもの落ちてるけどね」
「それじゃいいじゃない」
「いや、飼い犬がいいよ」
「うまいドッグフード食ってみたいぜ」
「わん、わん」
「おー、チワワだ。」
「君何しに来た」
「ご主人様がバカンスできたよ」
「お金持ちのご主人様でいいね」
「まあね、君もいいご主人様そうじゃん」
「いい子にしてたほうがいいよ」
「うんそうするよ」
「かわいがられるこつってある」
「それはよくいうこときくことだよ」
「ばかになるんだよ」
「おー、ウサギも来たぞ、
なんかした、ウサギが飛び込んできた」
「ばーん」
「いたいわよ、なにすんの」
「よそものはでていけ」
「ここはあなたのなわばり」
「そうよ」
「どこもすみにくいわね」
「おー、ハムスターが来たぞ」
「きみはどうしてここにいるの」
「はぐれっちゃったの」
「それはたいへんだ」
「たべられちゃうぞ」
「いっしょにくる」
「にゃー」
「どうした」
「このハムスターもうちで飼うのか」
「仕方ない」
「うちも動物園になっちまうよ」
「とりあえずうちにおいで」
「ちゅー」
「よかったね」











「おー、ワニがいるぞ、飼いわにか」
「おー、しろ、なにする」

しろ、ワニ殴る。












第8章帰国
ハワイの夢のような旅は終わり、また、平凡な毎日が始まる。
父良作は東大を出て機械の研究一筋、45歳で研究所所長、
息子は2人兄は東大に法学部合格している。弟は異母兄弟である。
全く顔が違う。猫になった広は何かこの家と此の家族に見覚えがあるような気がした。そして、カレンダーを見て愕然とした。1970年であった。
自分が猫になったのが4歳1973年であった。7年未来に来てしまったのだ。
それにこの人たちは未来に縁がある人であることを知る。
ということは、未来の自分と会うかもしれない。
期待と不安でうちひしがれそうになっていた。
「どうした」
「あんまり考えるな。のんきにしな」
夏休みも最後になる。
「おかあさん、どこかつれてって」
やすがだだこねる。
「おかあさん、動物園行こうよ」
「しょうがない。いくか」
「海の見える動物園がいいな」

第9章海の見える動物園に行く

「ヤギがいるぞ。おい、しろいくなよ」
「メ―、ガブ」
しろの耳にかみつく
「いたいよ」
「おい、たべるなよ」
「メ―」
此処ははなし飼いか、動物がうじゃうじゃいる。
「あれ、ラブラドール犬だ。」
「わん、ぺろぺろ」





「なんだおまえ、なめるなよ」
つぎからつぎへと動物たちが
現れてはしろをおちょくりにくる。
「しろは人気者だね」



「おー、カンガルー。こらやめろ」
「いたい、いたい」
やすも喜んでいる。
しろはたまったもんでない。
ぼこぼこだ。






「にゃー、やめてくれ」
鶉のヒヨコがなぐさめにきた。
「ぴー、ぴー」
「おにいちゃん、どこからきたの」
「東京だよ」
「僕のおとうさんも東京だよ。」
「ほんと」





「ぼく、人間だったんだよ」
「あれ、ぼくのおとうさんもそうだよ」
「それで、人間にもどろうとしているの」
「もうぼくがいるから、うずらのままだよ」
「おおーい、みんな来たぞ」
「ぴー、ぴー、ぴー」
「やめて、つつくのわ」
ひよこたちは、ひろをとろかまわずつついてくる。
やっと逃げ出してきた。と思ったら
葉っぱの上から今度は
カメレオンが鼻をつまんできた。
「なにすんだよ」
「あんたおもしろくないんだよ」
「なに」
「かっこつけるなよ」
「えー、なんにもしてないよ」
広は自分自身の何が悪いんだろうか、ばかになれっていうことか。
これ以上馬鹿になれないし。
世の中生きにくい。
「そんなことないよ」
「あんた、一生懸命生きてるよ」
横から野良犬が出てきた。
「おじさんよくわかっているじゃないですか」
「すべてわかるよ、あんたのことは。」
「すごいね、なんでわかるの」
「むかしから、心が読めるんだよ」
「ほう、とすると僕が人間だったことも知っているの」
「もちろんじゃ」
「どうしたらいいと思いますかぼく」
「長老に聞いてみるか」
「だれそれ」
「猫仙人だよ」
「行ってみるか」
「いくいく」
犬は長老がいる猫のところへ連れってくれた。
「長老、いるか、わん、わん」
「なんじゃ、ワシを呼んだか」
「おーしばらくどうした」
「此の子が人間だったらしいんだけど。
もどりたいんだとよ、
長老何とかなる。」
「おー、そういえば昔君と同じような猫がいたな。
でも猫も悪くないだろ。ふつうは猫から人間になる
もんだが、なんか意味があるんじゃな」
「その意味が分かるまでは猫にいたほうがいいだろうよ」
「そうですか」
「ところでさっき言ってた、人間からネコになった人は
その後どうなったのですか」
「そう、そのねこは、タイムトラベラーだったみたいで。元に戻ったよ」
「未来ではタイムトラベルはあたりまえだから」
「そうなの」
「今度聞いといてあげるよ、
その筋の人に」
「ありがとうございます」
「じゃあね」
「ぼすねこか」
「おいで、コちょこちょこちょ」
「やめてくれ」

なさけなくも単なる猫だった。
「やす、やめなさい」
ボスねこが子供たちをだっこする。










「あれ、あひるのこまできた」
「ぴー、ぴー」
「きみはどこからきたの」
どうやら親とはぐれたらしい。
「たのんだよ、ボス猫さん、あひるさんも
まもってくれる」
「しょうがないな」
「ぴー、ぴー」
やすはアヒルの子も飼うことにした。
ほんとうに此の家族はいい人たちである。
この動物園ではウリ坊という猪がいる。
サルを乗せて走ることで有名である。
目の前にウリ坊がいるではないか。
「のっていい」
ウリ坊の背中に広は乗る。
「これは気持ちいいぞ」
「おい、はしれよ」
うりぼうはやまではぐれたらしい。
「きみ、山に帰りたくはないの」
「もうこっちくらしになれたよ」
「それに動物園は楽園だよ、御飯もおいしいし」
「そう」




「あ、おかさんがきた」
「ぼく、だめでしょ」
「にゃー」
ひろ、おかさんにつれていかれる。
「ちょっと目を離すと、どっかいちゃうんだから」




「また、すてられちゃうよ」
「いやだ」
広はおかあさんにくわえられてやすのもとへいく。車に乗り家へかえる、
家に帰るとオウムの太郎がおかあさんに
かまってもらおうと足でつかもうとする。
「やめておくれ、いたいから」

オウムのつめは刺さると血が出る
ほど鋭い。
オウムはサルを呼ぶ。
「さるいち、おいで」
「きゃ、きゃ」
さるいちが、廣を子供のように抱っこしてきた。
「にゃー、なにするの」
「ぼくのこどもになる」
「いいの」
さるがひろをつれていこうとする。
「やばい、さるがひろもっていくぞ」
いそいでやすは猫を猿から話す。
































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