第一章おギャー
どこかで赤ちゃん鳴き声がする。
しかしどこにもその姿はない。
「うちの子は知らんかね」
美し美女が子供がいなくなったとあせっている。
この美女の名は鬼子母神、10人の子がいるが皆妖怪である。
- 藍婆(らんば)/有結縛(うけちばく)、梵ラムバー
- 衆生を束縛し殺害するので名づく。本地は上行菩薩。
- 毘藍婆(びらんば)/離結(りけち)、梵ヴィランバー
- 衆生の和合を離脱せしめんとするので名づく。龍王の如く円満月なり、大海に向かうが如し。右手に風雲、左手に念珠を持つ。衣食は碧録。面色は白く、前に鏡台を立てている。本地は無辺行菩薩。
- 曲歯(こくし)/施積(せしゃく)、梵クータ・ダンティー
- 歯牙が上下に曲がり甚だ畏怖すべきゆえに名づく。本地は浄行菩薩。
- 華歯(けし)/施華(せけ)、梵プシュパ・ダンティー
- 歯牙が上下に鮮明に並んでいるため名づく。本地は安立行菩薩。
- 黒歯(こくし)/施黒(せこく)、梵マクタ・ダンティー
- 歯牙が黒く畏怖すべきゆえに名づく。本地は釈迦如来。
- 多髪(たはつ)/被髪(ひほつ)、梵ケーシニー
- 髪の毛が多いので名づく。本地は普賢菩薩。
- 無厭足(むえんぞく)/無著(むぢゃく)、梵ラークシャシャ・チャラー
- 衆生を殺害しても厭わない、飽き足らないことから名づく。本地は文殊師利菩薩。
- 持瓔珞(じようらく)/持華(じけ)、梵マーラー・ダーリー
- 手に瓔珞を持つため名づく。本地は観世音菩薩。
- 皇諦(こうだい)/何所(かしょ)、梵クンティー
- 天上と人間の世界を自在に往来するゆえに名づく。法華十羅刹女法には、膝を立てて座り、右手に裳(も)、左手に独鈷を持つ。本地は弥勒菩薩。
- 奪一切衆生精気(だついっさいしゅじょうしょうげ)/取一切精(しゅいっさいしょう)、梵サルヴァ・サットヴァ・オージョーハーリー
- 一切の衆生の精気を奪うため名づく。本地は多宝如来。
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