健康維持 NO5

がんと森下学説 NO1


森下自然医学とは

35年前に開業

1970(昭和45)年、お茶の水クリニックは「ガン・慢性病の食事療法」を旗じるしに開業しました。開業以前の20年間は、大学の研究室で「食物と血液」を課題に実験研究を積み重ねたこともあり、病氣はライフスタイル(食生活・環境・心)の乱れによって発症します(食因説)。
 病氣はライフスタイル(食生活・環境・心)を改善することによって治癒する(食治法)ということを確証しました。

自然と共に生きるということ

先人達は、自然と共存することを日常に取り入れていました。四季を感じ、自然の恵みをいただき、“人間は自然の中に生かされている”ということに感謝し生活していました。
 しかし、現代人は人間のエゴや私利私欲・便利さを追い求める為に、自然を破壊し、傲慢な行動を取り、生かされている事を忘れてしまっています。
 こんな状態をいつまで続けるつもりでしょう…。
 最近頻繁に起こる自然災害もそしてガン・慢性病をはじめとした数々の病氣も、現代人の反自然的生き方が大きな原因といえるでしょう。

問われるべき現代医療

またそれに対処すべき方法として、西洋医学を取り入れていますが、それらは悪い所を切り取り、見える・感じる痛みだけを化学薬剤で取り除こうとしているだけです。これは、完全に間違いです。
 ガンはなぜ発症するのか…?慢性病はなぜ完治しないのか…?
 これらの原因を追求し根本的な治療をしない限り、決して治癒には結びつきません。
 また、常識とされる西洋医学の生理学も間違っています。例えば、血液は骨髄ではなく、腸で作られるということ…。

「浄血」こそが治癒の鍵

40余年前の血液研究時代に、腸管造血※(1960年、腸の絨毛組織から赤血球が生まれる所を顕微鏡にて発見・撮影)、経絡造血※(2004年、植物官能性≪氣および生命エネルギーによる≫造血=経絡造血を、氣能≪波動≫医学的検索によって精査し発表)を発表しました。
口から入った食物は腸に行き、血液に変わる、そして血液は体細胞を作る(食物→血液→体細胞)この一連の流れがわかれば、病氣発生のメカニズムもおのずとわかるはず=病氣治しの方法も見出すことが出来ます。
 人口一億人が総半病人状態の昨今、この危機にブレーキをかけるのは、ライフスタイル(食生活・環境・心)の改善しかありません。
 さあ、あなたは動物性蛋白質・精白食品・薬漬け食品を食べて病氣になる派?
 それとも玄米(雑穀)・菜食をして健康長寿派?

がんと森下学説 NO2
  • 腸管造血・経絡造血について
    • 生体の造血機能は二種類あって、①腸管(絨毛)造血と、②経絡造血とが同時進行で機能している。
      ① は、赤血球造血作用が主体の「三次元的腸管造血現象」である。消化された食物が小腸絨毛細胞に分化する事によって、絨毛内腔に「赤血球母細胞」を送り込む―という劇的な赤血球誕生現象は、イ食物→ロ絨毛上皮細胞→ハ赤血球母細胞の三者が揃わなければ成立しない。骨髄、肝及脾等々では役者不足なので演劇は開幕も不可能だ。
       赤血球母細胞は、数十箇の赤血球を内胞すると共に、絨毛内血管壁に穴を開けてこの赤血球群を人体血流中に送り込む。この際、母細胞の核は巨大過ぎて残存。母細胞・核群は絨毛谷間のパイエル板に集まり、淋巴球化して「腸管免疫」の第一線に立つ事となる。
      ② は、淋巴球造血主体の「四次元的経絡造血」である。当初、私達は耳朶穿刺血液中に頻繁に出現する経絡管様チューブを「ボンパ血管」と名付けた。それは金鳳漢管(北朝鮮)の「鳳」、淋巴管の「巴」に血管を追加した新造語だが、是が人体内では極めて重要な役割を果たしている事が漸次判明。
       「ボンパ血管」や経絡管は、体内の血管・淋巴管の走行・分布と略同様で、全身の臓器組織の細部に至る迄、血管・淋巴管と同行している。
      全身到る所に「赤血球幹細胞」有り―と言うのは、ボンパ血管内のソマチッド(生命最小単位)が吸氣成長→淋巴球化→Hb吸収赤血球化…の一部を見ているのだ。
      この「赤血球幹細胞がアチコチに有る」との局所的観察も、「生体造血現象の二重構造理論」の極一部に過ぎぬ事を見落してはならない。
      尚、①腸管造血による赤血球は勿論、②経絡造血による「淋巴球→赤血球化」の赤血球も亦、「赤血球の全身組織細胞への分化現象」を有する―との見解に就いては、既に半世紀に亘って強調してきた処である。
 口から入った食物は腸に行き、血液に変わる、そして血液は体細胞を作る(食物→血液→体細胞)この一連の流れがわかれば、病氣発生のメカニズムもおのずとわかるはず=病氣治しの方法も見出すことが出来ます。
 人口一億人が総半病人状態の昨今、この危機にブレーキをかけるのは、ライフスタイル(食生活・環境・心)の改善しかありません。
 さあ、あなたは動物性蛋白質・精白食品・薬漬け食品を食べて病氣になる派?
 それとも玄米(雑穀)・菜食をして健康長寿派?


がんと森下学説 NO3
━■ 森下敬一先生 直近イベント ■━

●第一回 世界的長寿郷 探訪セミナー 発会式

★初の長寿セミナーを記念して、
長寿郷カラー写真集(10,000円)をご用意しました。
来場者の中の希望者50名様に、3,000円でお分けします。

2016年5月19日(木)
13:20開場
13:45開演
16:45閉会

会 場/
全水道会館4F 大会議室
〒113-0033 東京都文京区本郷1-4-1

参加費/
(完全予約制)
前振込4,000円

申込み/
https://ws.formzu.net/fgen/S14015339/
定員120人、残席僅かです。お急ぎください。

登壇者/
森下敬一、MICHIKO(山本美智子)

<MICHIKO先生プロフィール>
料理好きが高じて大手企業の秘書から料理業界に転身する。
活動のテーマは「食」と「健康」と「美」
日々の生活を楽しむ快適な食生活を実現していただくため、幅広い分野で活動中。
レシピや調味料の開発、ホテルや一流レストランにおけるイベントの企画開催、
企業セミナー、講演などを手掛ける。テレビ・ラジオ・雑誌の出演も多い。

・食あとりえ「ひめ亭」in 代官山
-日本野菜ソムリエ協会 認定料理教室-
http://www.cookmiracle.com/

著書に、主婦の友社『いちばんわかりやすい 塩麹 しょうゆ麹 甘麹』。
共著に、エイ出版『和食の基本』、中経出版『調味料ノート』等がある。

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━■ 健康談義 ■━

食事療法と健康食品の重要性

――血液の質が体質を決定

食物が血液をつくり、血液が体細胞を支配する、という厳然とした流れの中で、
血液の質が体質を決定することとなります
。したがって、病氣の防止、健康の
増進、そして長寿の実現には「正しい食物を選択する」ことが大切であり、
その正しい食物とは人間本来の食性である穀菜食の原則にかなったものを食べ
ることです。 しかし、環境全般が公害化して、食物の質がおちている昨今、
玄米・菜食だけでは以前のような効果がなかなか得られないため、それを補う
ために各種健康食品を合せて活用し、効率よく体質改善をすることが大切です。

◆血液の質が体質を決定

病氣とは体細胞が生理的範囲を越えて、異常を示す状態である。では、なぜそ
んな病氣と呼ばれる異常状態が引きおこされるのかというと、血液の性状が混
乱するからである。
われわれの体を巨視的にながめると、食物が血液をつくり、血液が体細胞を支
配する、という大きな厳然とした流れが存在する。
血液が体細胞を支配しているということは、具体的にいうと血液の細胞(血球)
が直接、体細胞に変化発展していっており、同時に、その体細胞の機能状態は
それを浸している血液の性状に左右されている、ということである。

けっきょく、血液の質が体細胞の質(すなわち体質)を決定するのである。

というわけで、病氣とくに慢性病は、体質が悪化することによって引きおこさ
れる。その体質の悪化を招くのは、血液性状が不健康な状態になることが原因
なのである。

だから、慢性病を治療したり、予防したりするためには、血液性状を健全な姿
に立ちかえらせなければならない。すなわち
浄血をおこなわなければならない。


そうなると、食生活の大転換が不可欠。なぜなら、血液をこしらえる素材は食
物であるし、慢性病を生み出している元凶こそ、現代日本人がよしと信じてお
こなっている
食生活(白米・肉食)にあるからだ。

ところで、いま述べた食物が血液と体細胞に密接不離なかかわりあいをもって
いるということは、健康を保つためには蛋白質やビタミンがどれくらい必要、
といったような現代栄養学式の考え方とは、根本的に異なるものである。
その根本的な違いがあるからこそ結果にも決定的な差が生まれてくる。


すなわち、私どもが提唱する自然食療法を実践すれば、誤りなく慢性病は治る。
胃弱、肥満、カゼなどの半健康はもとより、大変に治りにくいとされている糖
尿病や肝臓病、心臓病なども確実に治癒させられる。

さらにガンなども、不治の病と恐れられている常識的な見方からすると、奇跡
に近いほどのあっけなさで確実に快方に向うものだ。 一方、現代栄養学式の
食事制限では、どんな病氣も根治に導くことなどはついになく、むしろ体質を
いっそう悪化させて、いよいよ治りにくい病状に追い込んでしまうことが多い。

では、その根本的な違いとは何か。それは、生命というもののダイナミズムを
正しくとらえているか否かの違いである。

そもそも食事療法という考え方が成り立つためには「食物が血液になり、その
血液が体細胞に変っていっている。だから食事を改めれば血液性状もよくなり、
次いで体細胞の機能状態も改善される」という、生命活動全体を生きた姿でと
らえる目をもたなければならない。

つまり、食、血、細胞の間に仕切りをつけないで、いずれをも同格に扱い条件
の違いがそれぞれの存在の違いを生み出しているだけだ、という本質のとらえ
方があって、はじめて「食物で病氣は治せる」という結論が引きだされるはず
なのである。

したがって、食、血、細胞の間に仕切りをつける考え方をするところには食事
療法という概念は、本来生まれるはずのないものである。現代栄養学はまさに
それで、食事療法という言葉はあっても実体はない。

第一に、食物や栄養は、体を車と見立てた場合のガソリンに相当するもの、
としか考えていない。そこから、体は蛋白質でできているから蛋白質を十分に
摂らなければいけないとか、ビタミン、ミネラルは一日にどれだけ必要だとか
いうようなピントはずれの結論が生み出される。

また、食物は、簡単な栄養素に分解されて吸収されるとみなしているのも問題。
すなわち、食物体の炭水化物はブドウ糖に、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は脂肪
酸とグリセリンに分解されて吸収される、というのだが、それは試験管の中で
みられる変化にすぎない。
 実際のわれわれの消化管のなかでは、食物はかな
り大きな塊のまま腸壁にとりこまれ、腸壁細胞に同化されるという姿で消化が
おこなわれるものなのだ。

そして、体細胞ははじめから細胞でどこまでいっても細胞だという現代の生命
科学を根本から誤らせている基本概念を、何の疑いもなく引っぱりこんでいる。
親の細胞が子の細胞を生み出す、ということをどこまでも続けていく、とみな
している。だから、血液は、その細胞分裂のために必要な酸素や栄養分を供給
するだけの「運び屋稼業」をしているだけの存在と割り切られているのである。

このような食、血、細胞の間に仕切りをつける考え方は誤りであって、これこ
そが慢性病を生み、慢性病の根治を妨げている元凶である。

われわれの体では、そんな仕切りは設けられてはいない。では実際にはどうな
っているのかということについて、私は新しい血液生理学の立場から『血球の
起原』の中で述べている。


◆正しい食物の選択が重要

間違いなく、食が血となり、血が細胞に変っていっている。
だから、病氣の防止にも、健康の増進にも、長寿の実現にも一番重要なことは、
「正しく食物を選択する」ことである。
その正しい食物とは何か。それは、人間本来の食性である穀菜食の原則にかな
った食物のことだ。この絶対性から足を踏みはずさないことが大切で、さらに
原則に沿ってより効果的な食物の摂り方ができれば、さらに望ましい。
前者は食事パターンを正すということであり、後者は薬効食品を活用すること
である。
日本人にとって最も理想的な食事パターンは、玄米・菜食である玄米を主食
とし、野菜、海藻、小魚貝を副食とするのである。
 白米は、代謝に不可欠な
有効成分のほとんどを失ってしまっている欠陥食品だから、こんなものを常食
していると遅かれ早かれ障害がおこる。また、
穀菜食の範囲からはずれる動蛋
食品は、腸内で腐敗発酵をおこす。その結果、大量の毒素を発生させて血液を
酸毒化させ、いろいろな病氣を引きおこす。


そして、穀菜食の範囲内の食品には、それぞれの薬効がある。だから、体質や
病状に合わせて利用すれば、病氣の予防や治療がより効果的にできる。
食物を正しく選んで利用することが何よりも重要なのである。
だが現代人としてのわれわれに負わされた一つの不幸がある。環境全般が公害
化して、食物の質が全体的におちてきているのである。そのため玄米・菜食だ
けでは、昔ほどの効果が得られないことだ。その弱点を補ってくれるのが健康
食品なのである。

健康食品は、急速に整腸・浄血ができるので、体質改善は著しく促進される。
ただしその際、氣をつけるべきことがある。一つは食事パターンを正し、薬効
食品をフルに活用することと合せて、健康食品を用いること。もう一つは質の
よい健康食品を、体質に合わせて活用することである。
この点を守ってこそ、最も効率よく、経済的に、真の健康体を得ることができ
るのである。
そこで、慢性病の早期治療をはかる上で特に次にあげる健康食品は、その薬効
を再認識して、上手に活用してもらいたいものである。


◆特に活用したい健康食品

【胚芽】

胚芽は米および麦の発芽部位で、多彩な有効成分が集約的に含まれている。
その主な有効成分は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、ニコチン酸、
パントテン酸などのビタミンB群、プロビタミンC、ビタミンEなどがあり、
ことにビタミンEは疲労回復、性機能増進に役立つ。

その他、不飽和脂肪酸であるリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸が含
まれる。これらは別名ビタミンF(現在は必須脂肪酸)とも呼ばれ、細胞膜の
構成成分として不可欠である。

胚芽の薬効としては、主に次のような事柄が期待される。

?肉食過剰などによる血漿蛋白過多や高血糖、高血圧を減少させ、正常値
 に回復させる。

?胃腸機能の低下による便秘や腸内腐敗を防ぐ。

?血管・心臓病そして脚氣、自律神経失調症、ノイローゼの快癒にめざま
 しい効果をあらわす。

?強肝、解毒作用で基礎体力強化、美肌づくりに有効。

?思考力や記憶力の低下を防止。

?貧血、痔、不妊症の解消。

?肥満防止。

?公害物質の排泄を促進する。

?発ガンを防止し、ガンの治癒を促す。

?骨の異常防止。



葉緑素】

葉緑素は肉食過多などによる血液の酸毒化を解消して、各臓器に好影響を
もたらす。それというのも、自然態の葉緑素には、緑の色素(クロロフィル)
だけでなく、各種のビタミン、ミネラルを含んでいるからだ。


葉緑素のフィトールとビタミンAおよびビタミンK(抗出血性ビタミン)はかな
り類似しており、ビタミンCであるアスコルビン酸(抗壊血病性ビタミン)は
葉緑素の光合成によって生成される6炭糖から作られる。葉緑素の中心金属
であるマグネシウムがコバルトに変換されるとビタミンB12(増血ビタミン)
になる。
またマグネシウムが鉄になるとヘムとなり、ヘモグロビン(ヒトの赤血球中
の血色素)はこれとタンパクが結合したものである。したがって葉緑素は
腸造血の素材としてとくに意義の大きいものだ。その他、葉緑素には次の
ような生理作用がある。

?糖質や蛋白、水分代謝を高める。

?すべての体細胞に活力を与え、また腸、肝臓、腎臓、心臓の働きを正常化
 させ、疲労を回復する。

?抗アレルギー作用や創傷の肉芽形成を促進し、創傷面を乾燥させて治りを
 早くする。

?タバコのニコチン、酒による二日酔いの起因物質などを無毒化する。


【酵素】

健康状態は腸内細菌の性状に左右される。その腸内細菌の性状を健全にする
上で、酵素ほどめざましい効果をあらわすものはない。白米、白砂糖、肉な
どの不自然食品を常食している現代人の腸内では有用細菌が影をひそめ、雑
菌、腐敗菌がふえてきている。

これが健康失墜の元凶だ。直ちに酵素を活用して、整腸をはかり腸内の健全
な常在細菌を繁殖させることが必要である。とくに腸内の腐敗をおこす肉食
にとって、酵素は不可欠である。

酵素の薬効を要約すると次のとおりである。

?腸機能を健全にし血液を浄血するので、すべての臓器の機能を正常化する。

?特に肉食性ガン、糖尿病、高血圧、脳溢血、心筋梗塞などに有効。これら
 は肝臓、腎臓、血液などの酵素不足が主要因になっているからだ。活性の
 高い酵素は、酵素成分がストレートに吸収されて、臓器組織の酵素活性を
 高める効果も大いに期待できる。



【ミネラル】

ミネラルとは生体内無機塩類の栄養学上の呼び名である。ミネラルは生体の
構成成分であり、体液の緩衝作用(血液?の恒常性を保つ)、浸透度の維持な
どの重要な生理作用や、筋肉の強さや神経の刺激反応の賦活作用がある。

このように多様な生理作用をもつミネラルが、日本人には著しく不足してい
るため、スタミナ不足や無氣力、慢性病になりやすい。特に、肝臓病、腎臓
病、糖尿病およびガンと、ミネラル不足は密接な関係がある。

ミネラル欠乏食品の代表は、精白食品および食品添加物入りの加工食品(イン
スタント食品など)。したがってこれらの食品は極力避けるとともに、各種ミ
ネラルが効率よく補給できる総合ミネラル食品を活用することが大事だ。

総合ミネラル食品では、特に次のような生理作用が期待できる。

?腸内異常発酵を防止する。そのため便秘、皮膚病、肥満、動脈硬化、高血
 圧症、自律神経失調症、ノイローゼの解消に卓効をあらわす。

?思考力、判断力の低下を防ぐ。

その他の健康食品としては、

●高麗人参
代謝全般を正常化する作用があるので、きわめて広範な薬効をあらわすが、
特にめざましいのは、強肝作用、抗ストレス作用、そして強壮・強精作用で
ある。

●ローヤルゼリー
内分泌機能を正常化する効果が特に著しく、そのため女性には特効的な作用
を及ぼし、子宮ガン、乳ガンの治療に卓効をあらわす。 花粉 含有される
有効成分は多彩で、体内ではそれらが総合的に働いて、花粉特有の薬効をあ
らわす。

   森下敬一 拝



がんと森下学説 NO.4

“食”の大切さを痛感 ―月刊誌に導かれて― 〈大腸癌〉


今回お伺いしたAさん(73歳・茨城県在住)は、43歳に子宮筋腫の手術を受けられたのちに、知人の薦めで当自然医学会員になられました。人間はだれしも大病にならないとなかなか本氣にはなれないもの。しかし、対応の仕方の方向性を間違えれば命とりになります。
Aさんは、当初、看護師だったということもあり現代栄養学を盲信し、動物性食品を毎日召し上がっていました。しかし、毎月送られてくる当月刊誌を読まれていくうちに玄米菜食が身体に良いということを理解され、ご本人なりに食事療法を実践。月刊誌が指南役になって食生活の軌道修正を図ったおかげで、すこぶる身体の状態が良くなられたのですが、それが却って油断の種になってしまいました。
玄米菜食から遠ざかられて、平成18年4月に大腸癌を発病。改めて食の大切さを身をもって痛感され、今度こそという氣持ちで当クリニックにいらっしゃいました。
1年以上経過した現在では、体調も良くなられ、生かさせていただいている大自然に対して感謝の氣持ちを忘れずに日々過ごされているそうです。

院長の所見

診療(2007年10月24日)
■内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きが変化しやすい。消化管として胃から十二指腸の働きが落ちている。大腸の一部に少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きが鈍い。腹部臓器、肝臓、腎臓、婦人科系統の働きが少し落ちている。
■血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値が少し高い。中性脂肪も僅かに多い。GOT、GPTなどの肝臓の数値は、まあまあという状態です。
院長 血液生態ですが、ボンパ血管として細いものとかなり大きいものとが出てきています。他に、円盤状毒素、肺から出てきた公害毒素があります。肺から出てくる毒素とは、車の排氣ガスがほとんどです。Aさんの場合、去年は、肺から毒素がたくさん出ていました。
 毛髪氣能検査では、自律神経系、交感神経、副交感神経の数値がマイナスなので、消化管全体もマイナスになります。消化管以外では腎臓、肺、心臓の働きがマイナスの数値です。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に鳩麦、稗が、特にご本人の体質好みの穀物です。
Aさん 背中がすごく痛かったので、何かの病氣になってしまったのかと思ったのですが。
 この前、海のほうに行ってきて刺身や貝を食べたりしてしまったので、その結果、悪くなったのではないかと少し心配していました。
院長 肺から毒素がどんどん出てくるときには、肺のあたりに自覚症状が起きることもありますよ。
Aさん 1ヶ月くらい痛かったので、ひょっとしたら好転反応かとも思いました。結局、しばらくして痛みもおさまってしまいました。
 あと、大腿骨がしびれたりするんですけど、これも好転反応の一種なのですか。
院長 血液の循環や氣の流れの状態に関係しています。身体には血液と同時に氣が流れています。宇宙のかなたからやってくる氣は、人体にもどんどん入ってきています。健康体の場合、十分にその氣を取り入れることができるのですが、不健康状態あるいは病氣の場合は氣がどうしても渋滞や停滞を起こしてしまいます。
 病氣とは、氣が病むと書きます。ですから病氣は、氣が関係しているのです。健康体の人でも氣の流れが局所的に悪くなれば、しびれの症状がでたりすることはよくあることですね。
Aさん  だから、良くなったり悪くなったりするんですね。
 あと話は変わるのですが、貴石は身体に良い影響を及ぼすということなので、やはり石を身につけておいたほうがよろしいのでしょうか。
院長 そうですね。でもAさんの場合、現在、身体の状態が激しく変調してきていますから、特に氣にしなくてもよろしいですよ。
 ちなみに、以前は琥珀との相性がよかったですね。たぶん、この石は今でも使ってもよろしいんじゃないですか。
Aさん  家にある指輪などをなるべくつけるようにしていますけど、こういうことでも効果がありますか。
院長 指輪の場合、身体の中の氣を左右する力がちょっと弱いです。
 ブレスレットやネックレスのように皮膚としっかり接触する面積が多いもののほうがいいですね。
Aさん  そうなんですか。それでは、できるだけネックレスをつけるようにします。
院長 そういうことです。
 ひとつ続けてお試しになってください。
Aさん  ありがとうございます。

インタビュー

森下自然医学は本物
――かなり前から、自然医学の会員でいらしたということですが。
Aさん  実は、43歳の頃に子宮筋腫の手術をしたのですが、そのときに知り合いのかたから森下先生のことを教えていただいて会員になりました。
 そして、毎月送られてくる月刊誌を読んだら玄米菜食は身体にいいということがわかり、玄米を食べるようになりました。はじめは半信半疑でしたが、この雑誌に書いてある記事をいろいろ読んでいるうちに、この自然医学は本物だなぁと思うようになりました。そして自分なりですが、玄米菜食をすることにしたのです。
――はじめは子宮筋腫になられたそうですが。
Aさん 子宮筋腫になる前は、肉、卵などが大好きで毎日のように摂っていました。
 私は過去に看護師の仕事をしていたということもあって、現代栄養学を信じきっていましたね。肉はたんぱく質、卵は完全食品、砂糖はエネルギーになるということで、しかもすごく安かったのでかなり摂りましたね。あと、ケーキなどもたくさん食べました。友人と一緒に中華料理などいろんなところで外食をしました。
 そして子宮筋腫になって玄米菜食を始めると、そこまで食べたいという氣持ちはなくなりました。そして、今はまったくないですね。食べたいという欲がなくなったので、ストレスにはならないです。食に対しては、今の状態で満足しています。
――去年、病院で大腸癌と診断されて、初めてお茶の水クリニックにいらっしゃったということについてですが。
Aさん 子宮筋腫の手術をしてから数年間くらいは、こちらの月刊誌で動物性食品は悪いとわかっていたのですが、肉や卵を子宮筋腫になる前ほど食べなくなったという程度で、玄米菜食を守れていなかったですね。玄米にも小豆をいれる程度でした。そして、パンは大丈夫だろうと思って、イーストのパンをしっかり食べていました。
 それで、月刊誌は十年間ぐらい読んでいたのですが、とくに病氣になったりはしなかったので月刊誌もとらなくなってしまいました。そうすると、だんだん普通食にもどってしまいましたね。
 そしてあるとき、調子が悪くなって検診を受けたら大腸癌と診断されました。それで、今度こそはきちんとやらないといけないと思い、こちらに伺いました。やっぱり肉や卵などの普通食をすると癌になるんですね。
――そうでしたか。でも、月刊誌で本物の治療を理解されていたからこそ、こちらにいらっしゃることができたわけなので、そういう意味では良かったですね。
Aさん そうですね。月刊誌でいろいろ刺激を受けていましたので。
 とにかく薬は悪いということなので全然のんでいません。子宮筋腫のときも薬はのみませんでした。
 今回の大腸癌も病院で手術をしましたが、それだけではだめと思い、やはり食事療法で治そうと決めました。
――大病をしたからこそ食事療法の大切さに氣づかれたわけですね。
Aさん 森下先生の話で、食事のことに関してある程度はわかっていたのですが、自然医食のすすめという本を読んだら、やっぱりきちんとやらないとだめだなぁと思いました。
 玄米菜食をしていると大好きなパンも食べたい氣持ちがまったくなくなりました。でも、娘が塩だけで作ってくれるパンはおいしいですね(笑)。その代わり市販のパンはまずく感じるようになりました。
――本物の味覚になってきたのですね。身体が軌道修正できて良い方向に向かっているのでよろしいのではないでしょうか。
 さかのぼると、子宮筋腫になられたおかげで何かの縁で食事療法をお知りになられたわけですから、そのときの病氣も無駄ではなかったですよね。病院に行っていたら、薬をのまされてもっと悪くなるわけですから。
Aさん ええ、そうですね。本当におかげさまです。子宮筋腫になってからもずっと普通食でやっていたら、もっと速く確実に癌になっていましたね。あの頃は、私のまわりに癌のかたがたくさんいました。
 去年、森下先生に今までのことをお話したら、「人間は、病氣にならない限りなかなか本氣にならない」と言われました(笑)。
――人間は意志が弱いですからね。
Aさん そうなんですよね。自分もやはりだめでした。
――食事を長いあいだ脱線されたということですが、いずれにしろ化学薬剤を服用されなかったことは良かったことですよね。
Aさん 月刊誌を読んで、薬は毒であるという認識があったので、基本的にはのまないようにしていました。便秘で漢方薬をのんだくらいです。
 ただ、コレステロールが高いと病院で言われて化学薬剤をのんだことがあります。そのときはすでに肉、卵が悪いことは月刊誌で知っていたので、そのような食べものは摂っていなかったんですけどね。
――それは、子宮筋腫になる前の食事のなかに含まれていた毒素が、身体に蓄積されていて、玄米菜食をすることで血液中に溶毒されて、その脂肪代謝が改善しようとしている過程のなかで、たまたま病院の検査でひっかかったというふうにも解釈できますよね。
 でも、そのままずるずると、ふつうの病院に通い続けるということをしなかったことは正しい選択でしたね。通常、患者さんは病院側の言うことを信じて病院に通い続けるわけですから。
Aさん むかし月刊誌を読んでいたおかげで、森下先生がおっしゃることは正しいことであるとわかっていましたから。
 食事の内容は大事なことなんですけど、この前、大洗に行っていろいろ食べてしまいました(笑)。
――大洗といえばアンコウですか。
Aさん アンコウのあらやハマグリ、ウニを食べました。
――結構じゃないですか。それはたまにだったらよろしいのではないでしょうか。
Aさん あと、ふだん海藻類は摂るようにしています。ワカメ、フノリ、ヒジキなど。
――いいですね。Aさんが召し上がられようとしているものは、大腸にもいいですよね。
Aさん そうですか。確かに食事を正したことで、いろいろな症状(好転反応)がでましたね。
 例えば、2~3ヶ月のあいだ関節が痛くなりましたね。あとは、胃腸が痛くなったり、最近では背中が痛いんですよ。しびれがあったりもします。ほかに、歯ぐきが腫れたりもしました。
 やはり、こちらの食事療法は本物で絶対に大切なことであると思いました。
 それに、森下先生とお話していると、すごく安心していろいろと質問もできます。
何ごとにも感謝できる
――食事療法は大事ですが、運動もされていますか。
Aさん 運動は苦手なのであまりしていませんね(笑)。孫とボール遊びをするぐらいですかね。ただ、歩くことは心がけています。たまには友人と山歩きもします。
――屋内にいる時間を少なくして、正しい食事をすれば病氣なんて縁がなくなりますよね。
Aさん そうですね。これからもこちらの療法でやっていくつもりです。
 いろんな症状がでても好転反応だと思うようにします。結局、痛みなども自然と落ち着いたわけですから。
――放っておくのが一番です。でも、お手当てはおやりになったほうがいいですよ。排毒を促しますから。
Aさん ビワ葉温灸は定期的にやっています。コンニャク湿布をしたり。
 ビワ葉療法は、こちらの月刊誌で知ってからまわりの人に薦めていました。当時、私はまだ看護師だったので、「なんで看護師がこんなことを薦めるんだ」ってよく言われていましたけどね(笑)。
――今日の血液生態検査でもいろいろ毒素が出ていましたよね。むかしの毒素も出ていますね。お手当ての効果かもしれませんよ。
Aさん はい。あと、手にタコができたんですけど、ビワ葉温灸をやったら消えてしまってきれいになったんですよ。本当にびっくりしました。それで、ビワ葉はすごいんだなぁと思って時々やっているんです。
――市販の化学薬剤の軟膏に頼らないで、自然な療法で治すという心がけは大変素晴らしいですね。
Aさん そうですね、大事なことですよ。何かあっても、なるべく自然なかたちで治そうと思っています。自然療法のお手当ての本も買って、それにそってやっていこうと思います。
――このようなお手当ても含めた食事療法などの自然な療法をしていく過程で、考え方なども変わってきたのではないでしょうか。
Aさん 感謝の氣持ちを強くもつようになりました。先祖に対しても、供養することは感謝をすることであると思うようになりました。
 人間の身体は空氣や水などで生かされているので、大自然に対しても感謝の氣持ちをもつようになりました。
 孫たちにもそういう話をしたりしています。玄米ごはんの話もしますけど(笑)。
――そのような感謝の氣持ちをもつことはものすごく大切なことですよね。身体にも必ず良い影響をもたらしますよ。 本日はありがとうございました。

がんと森下学説 NO.5

体質を変えない限り何も解決しない
―玄米菜食・強化食品・薬草茶で十分―

患者さんの体験談
 玄米菜食―玄米を主食に、副食は無農薬野菜を中心にしたもので、血液を浄化して自然健能を高める食事。しかし、いくら玄米を食していても、肉類などの余計な動物性食品を過剰に摂り過ぎると、体内に食毒が蓄積されて発病し、玄米の排毒効果を凌駕する結果になることは必至。
 今回お伺いしたAさん(男性・46歳・愛知県在住)は、幼少の頃から普通食を召し上がられており、大学受験の時期にストレスで体調を崩され、ちょうどその頃、森下先生の本にめぐりあえて、自炊で玄米を主食にされました。
 しかし、玄米菜食のほかに肉、ヨーグルトを頻繁に摂られ、おまけにジャンクフードは週3回ぐらいのペース。
 このような食生活が20年以上も続いて、平成17年12月に進行性悪性腫瘍を発病。申し上げるまでもなく、病院側は抗癌剤を薦めてきましたが、体質を変えない限り何も解決しないということを承知されていらっしゃったAさんは、抗癌剤を拒否して、食事療法を実践された結果、順調な回復ぶりをみせており、今では玄米菜食・強化食品・薬草茶があれば体は満たされた感じになるとおっしゃられています。

院長の所見

診療(2007年12月15日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。血液の循環の状態、肺の働きが鈍い。神経的に胃腸の働きが変化しやすい。消化管として胃の働きが落ちている。大腸の一部に少し負担がかかっており、炎症の可能性がある。腹部臓器、肝臓、腎臓の働きが低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値が少し高くなっている。寒さの影響が出ている。中性脂肪は以前と較べてかなり下がっている。GOT、GPTの肝臓の数値は、あまり寒さの影響をうけていません。
 血液生態ですが、かなり大きなボンパ血管が出ています。肺から公害毒素も出ています。それと、食品添加物らしきものも出ていますが、一週間前あたりに外食をされませんでしたか。
Aさん 昨日、蕎麦を食べました。他に外食はしていません。
院長 蕎麦によるものではないですね。何か加工食品に入っている添加物のような氣がします。
 いずれにしても、このように血液中にきちっと出てきたことは大変いいことです。もしこのような異常な元素を体内に残していたら、非常に危険で問題があります。危険を察知して、体の細胞が判断をして体外に出したわけですから心配いりません。
 毛髪氣能検査では、自律神経が不安定です。したがって、消化管がすべてマイナスになっており、特に大腸がマイナスになっています。消化管以外はすべてプラスになっています。
 癌が発症した2年前では、癌の数値がマイナス7であれば、リンパはマイナス8ぐらいの状態でないと癌は発症しません。そのマイナス7がマイナス3になり、リンパのマイナス8がマイナス1に変わってきており、癌はほとんど枯れかかっています。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に粟、黒豆が特にご本人の体質好みの穀物です。貴石に関して、現段階では琥珀が合っています。
Aさん 体の状態が変わっていくと石の相性も変わっていきますか。去年はルチル(針入水晶)が合っていたんですよ。
院長 ええ、どんどん変わりますよ。ルチルも悪くないです。200点満点中190点になっていますから。
 水晶もいろいろあって、偽物がほとんどです。しかし、水晶の中に夾雑物が入っているものは本物である証拠です。綺麗なものは怪しいです。加工品から出た破片を集めて、いっぺんそれを溶かしてから丸く型をとったりするのです。針入水晶の場合、偽ものはできないのです。水晶の中に針が入っているので、いったん溶かしたら針がうまくつながらなくなるわけですから。
Aさん 今、フローライト、マラカイトをしています。いろいろしてみて氣分の状態を試しているんです。石によっては、氣分が良くなったりします。
院長 その通り微妙に氣分が変わったりします。よくご存知ですね。
Aさん 先生の本を読ませていただきました。
院長 Aさんの場合、季節によって針入水晶との相性がぴったりになってくると思います。
Aさん 病氣が治ってくると、去年と同じ時期でも、石を身につけているときの氣分は変わっていますね。
院長 体の状態が変わってくると、いろいろなことが起きます。
 私が身につけているものは、天下の景観を売りものにした桂林の美術館で手に入れたものです。ここでは本物が日本の1/10くらいの値段で買えるのです。それで、綺麗なフローライトがあったので購入しました。体にとって良い面もあるわけですから。
Aさん たぶん行ったらいろいろあって目移りするでしょうね(笑)。
 話は変わるのですが、内視鏡の検査で下剤を飲んだりして腸内細菌のバランスを崩したりするなどマイナス面があると思いますが、いかかでしょうか。
院長 やはり体にとってはマイナスです。いま、癌も小さくなってきていますから心配する必要はありません。ひとつ続けてお試しになってください。
Aさん どうもありがとうございました。

インタビュー

過剰な食毒が蓄積して
――進行性大腸癌という病名を診断されてから、どのようにして治療を進めていこうと思われましたか。
Aさん 大きい癌だったのでとりあえず手術をして、それからこちらに伺いました。
 癌のクラスではリンパ節に転移したクラスⅢではなかったんですけど、Ⅱbという大きな癌だったので、病院側は術後も念のため抗癌剤を薦めてきました。
 ただ癌をとっても体質を変えない時は、このようにまた生えてくるということを、昔から森下先生の本を読んでわかっていましたので、体質改善を図ろうと思いました。
――そうですね。結局、すべての細胞は血液からできているわけですから、その血液をきれいに入れ替えない限り問題は解決しないということですよね。
Aさん 26年前頃から先生の本を読んで玄米菜食をしようと決めて実践していたんですが、当時は同時に肉やヨーグルトもかなり摂っていました。外食もかなりしていましたし、ファーストフードも週3回くらいは行っていました。家での食事も主食は玄米でずっとやってきましたが、おかずは肉などを普通に食べていましたね。塩、味噌、醤油などの調味料は自然食店のものを使っていたのですが、動物性の余計なものが入り過ぎたのでこういう病氣になったと思ってはいます。
――ファーストフードの肉は、肉ではないですよ。肉は薬漬けになっていて、それを焼く油にも薬が入っているわけですから、結局、薬を摂っていることと同じになるわけですよ。
 しかし26年前だと、ちょうど20代くらいの時期になりますが、そういう若い時期によく玄米菜食を意識されましたね。
Aさん 出身は愛知なのですが、大学が東京だったため自炊を機に玄米にしようと思いました。やはり、受験勉強で体調を崩していたということもありましたから。
 幼少の頃からそれまでは、普通食で、パン、白米を食べていましたし、給食も摂っていました。そして、チョコレートなどの甘いものも大好きでした。
 学生の頃、自炊を始めたときには食事のことに氣をつけていたんですけど、社会人になったらだんだん食事のことで氣づかうことが薄れていきました。それに、職業上、デスクワークだったので運動もほとんどしませんでした。
――そうでしたか。社会人になった頃から乱れた20年以上の食生活によって食毒が蓄積してしまった結果であったということですね。
玄米菜食・強化食品・薬草茶で満たされる
――しかし現在、食事療法を始めて一年半、毛髪氣能検査の結果では、いらっしゃるたびにどんどん良くなられていますよね。
Aさん これは、強化食品と薬草茶は必ず毎回摂ったことや、食事も余計な動物性のものを入れなくしたからだと思うんですね。
 今では、不思議なことに肉とか食べたいと思わなくなりました。ですから今から考えると、逆にこういう病氣にかかって良かったですね(笑)。体質を変えないと病氣になるということを再認識する機会ができたので。
――ええ。ある意味、病氣になって良かったわけですよね。このまま病氣にならないで氣づきのチャンスがなかったら、もっと致命的な病氣にかかる可能性があったわけですから。
Aさん そうですね。確実に悪い方向にいっていましたね。
 あと、はっと思ったんですが、昔のパワーのある玄米菜食なら良かったと思うんですよ。今の玄米では公害で汚染されていますから、強化食品や薬草茶で補っていかないといけないと思いますね。やっぱりこういうものがないと不足感があります。こちらで指導していただいたとおり、薬草茶まで揃って満たされた氣持ちになります。
 体で感じていますので、こちらの療法に本当に納得しています。
――この一年半、徹底して頑張られたのですね。
Aさん はい。昔から先生の本を読んでいましたし、発病してからも読み直したりしていたので、こちらの食事療法や強化食品をまったくなんの抵抗もなくすぐ受け入れることができました。
 そして、お茶の水クリニックのことも25年前から知っていたんですが、まさかまだやっているとは思っていませんでした。
 こちらに連絡したら、まだ森下先生が診療をしているということを聞いて本当に良かったと思いました。
――でもいずれにしろ、西洋医学以外の療法で治そうと思われていたのですよね。
Aさん 普通の病院で治療をしようとはまったく思わなかったですね。ただ、やむを得ず手術だけはしたんですが、術後の余儀なくされた入院生活のなかで抗癌剤を薦めてくるんですよ。医者の脅しのような話で、こわいことにこっちもその氣になってきてしまうんですよね。
――病院側の話術に騙されなくてよかったですね。
 医者としては、大事をとって無駄に抗癌剤を薦めてきますからね。抗癌剤で良くなった例なんてひとつもありませんよ。良くなるどころか悪くなることは必至ですね。なぜなら、臨床データの採り方がいい加減なわけですから当然ですよね。
 おまけに病院も薬で儲かる話ですし。
Aさん ええ。臨床データだって5年延命効果ありとなっていても、5年で殺してくれるという感じですからね。ですから一週間後には、はっきり断りました。
 あと、放射線治療も受けたいと思わないですね。歯の治療でレントゲンをとったときでも、体が敏感に反応して調子が悪くなるくらいですから。こういう自覚症状があるから、体に悪いものかどうかという判断材料にはなりますね。
――体が本物であるからこそ、体にとって異常なことに対しては過敏に反応するわけですから、調子が悪くなって当然ですよ。
Aさん あと、手術のときの麻酔は避けられなかったですね。
 ですから、退院後は麻酔の薬毒を排毒しなければいけないと思っていました。
――毛髪氣能検査からもわかりますように、順調に改善されているということは、抗癌剤を一度もやらなかったことや、まがりなりにも20年以上のあいだ玄米を召し上がられていたことと少なからず関係はしていますよね。
Aさん 根治してからもずっと玄米菜食、強化食品、薬草茶でやっていこうと思っています。それだけで、十分に満たされた氣持ちになります。
目に見えない力を確信して
――あと、診療の際に先生と貴石の話をされていましたが、貴石にお詳しいですね。
Aさん 石は装飾ぐらいにしか思っていなくて一歩踏み出せなかったんですが、先生の本で石は癒すもので体に良い影響を与えるということが書かれていたことに新鮮さを覚え興味をもち始めました。
――身につけられている石は何でしょうか。
Aさん これは、ルチルです。日によって石を変えたりして、いろいろ試しているんです。やっぱり感じ方が全然違いますよ。例えば、カーネリアンをつけると体温があがるとかですね。
――目に見えないですけど、石から出る波動の力は体に良い影響をもたらしているということの証明ですね。
Aさん 目に見えない力はあると思います。例えば“氣”の力であるとか。病氣のことを“氣”が病むと書くとおり、やはり“氣”が体のなかでうまくまわっているときは調子がいいですよね。
 目に見えない力を信じて、生かされているということに感謝をすると、いろんなことに自然と感謝の氣持ちが生まれてきます。
――やはり、細かいことを氣にせず、感謝の氣持ちをもちながら確信してやることが大切だと思います。

がんと森下学説 no.6

手術は本当に必要だったのか―玄米菜食・断食で病氣は治る―


院長の所見
 現代医学による癌の三大療法―即ち、手術・抗癌剤・放射線―という不可逆的で直線的な治療法では、癌は治せない。
 今回お伺いしたAさん(82歳・男性・東京都在住)は幼少の頃、終戦後の衛生状態が悪化していた状況で、赤痢様症状・虫垂炎・大腸カタルなどの腸の病氣に悩まされましたが、断食を採り入れ薬に頼らずに克服されて、その後は大病もせずに長いあいだ健康を維持されてきました。
 またAさんの場合、現代の美食である副食中心の食事ではなく、主食中心の粗食で育ったことも体には良かったのでは―とおっしゃられています。
 しかし、時代が経つにつれて色々な食べものが出回るようになり、粗食からは遠ざかられ、腸がもともと弱かったうえに仕事のストレスなども加担して69歳で直腸癌を発病。
 人工肛門の手術を受けられましたが、今となると、玄米菜食を徹底すれば手術をしなくても治っていたのかもしれない―と振り返られ、長い人生体験を通じて、“断食か玄米菜食をすれば病氣は治る”と、身に染みて感じていらっしゃいました。

診療(2008年6月18日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きが変化しやすい。消化管としては、胃の働きが落ちていて、小腸と大腸の一部に少し負担がかかっている。血液循環の状態、肺の働きなどが少し鈍い。腹部臓器、肝臓、腎臓の働きも多少低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、即ち腎臓の数値が増えてきています。これは、色々な原因で増減します。中性脂肪は、良い数値で安定しそうですね。
 それからGOT、GPTなど肝臓の数値は、まあまあで前回と同様な状態です。
■ 毛髪氣能検査、血液生態
毛髪氣能検査でも、自律神経系が不安定です。従って、消化管もすべてマイナスになっています。消化管以外では心臓がマイナス1です。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に鳩麦、黒豆がとくにご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態写真には、肺と腸からの毒素が溶毒しています。食品添加物も出ています。1週間前に外食をされませんでしたか。
Aさん しましたね。バイキングの和食を食べました。どうしても付き合いとかありまして。
院長 でも、こうやって出ているということはいいことです。これが出てこないで、体に残っていることのほうが問題なのです。
 これは、体の判断で、体の中に残しておくと危険なので血液中にきちんと出してくれた―という結果ですからね。ですから、ご本人の体には解毒や自己防衛の生理機能の体勢が整備されている―という意味において、いい現象であると申し上げることができるわけです。
 それから、今年は風邪を引かれましたか。
Aさん 2月に引きました。熱は出なかったですけど、かなりひどかったですね。
院長 薬は飲まれましたか。
Aさん 全然飲みませんでした。大体、風邪を引いたときは2日間何も食べないんです。
院長 それが一番いいです。
Aさん 3日目は、ハチミツを溶いて飲むくらいです。一昨年のノロウイルスのときも同じように、ハチミツと葛湯ぐらいにしたら5日目で完全に治りました。
院長 なるほど、葛湯などはいいですね。本物の吉野葛を使って熱湯を注ぎ、透明になったら生姜を入れるのです。
Aさん あと、3日前に鼻と喉の風邪を引きました。喫茶店にいたので、冷房の影響かもしれません。
院長 冷房が体にいたずらをしますので、これからの季節は氣をつけなくてはいけません。
 冷房は非常に悪いです。例えば、新幹線なんかは本当に困りますよね。車内を冷やすことがサービスだ―というふうに彼らは錯覚しているのではないですかねぇ。
Aさん 那須のゴルフ場まで新幹線で1時間なので、たまに行ったりします。80歳でゴルフをやる人はあまりいないので、みんなの目標にされてしまって(笑)。ゴルフをやっても以前と違って体が疲れなくなりましたよ。
 あとこのまえ、テレビで松永修岳さんの放送がありましたよ。千日回峰の話をお聞きして、かなり立派なもんだなぁと思いましたよ。行者の話なんですけど、9日間は何も飲まず食わずですよ。そして寝ないんですよ。
院長 体をギリギリの状態にまでもっていく―ということですよね。不眠不休でやることがとても大事なことなのです。
Aさん 食べないと眠くならないみたいですね。
 あともうひとり、比叡山で二千日回峰をされた方がいらっしゃいましたね。お坊さんの話によると、食事は本当に粗食ですね。ただ、胡麻はよく食べるみたいですけど。
院長 回峰は本当に大変だと思いますよ。真夜中、一人で山を1000回も回るんですから。
Aさん 食事に関しては、普通の栄養学的な面からいったらあり得ないですよね。
 あれを見たら、私たちはもっと修行しなくちゃいけないなぁと思いますね。
院長 松永修岳さんは高尾の研究所のほうに何度か御光来下さいました。そのとき直かにお話を伺ったことがありました。修行し終えたときの意識がもうろうとしている状態の写真なども拝見したことがあります。
Aさん 他にも、そういう修行をされた方がいらっしゃって、以前にお会いしたことがあるんですけど意外に普通の人なんですよね。
院長 一見、普通に見えても、中身が全然違うということでしょうね。
Aさん そうなんですね。
 それと、自分の体のほうの状態は大丈夫ですか。
院長 今のところ順調に経過しております。
Aさん 本日はどうも有難うございました。また宜しくお願いします。

インタビュー

手術は本当に必要だったのか
――現代では高齢になると、寝たきりの人生という方がたくさんいらっしゃる傾向があるなか、Aさんの場合、82歳になられていますけどお元氣ですよね。
Aさん ええ、直腸癌で人工肛門をしていますけど、こちらのおかげで何とか元氣でやっています(笑)。 結局、直腸と肛門の間にポリープができて、それが悪化して癌になったみたいです。原因は、ひとつには仕事のストレスがいえると思うんですよ。ストレスがかかるとポリープがものすごく大きくなって、排便ができなくなってしまったんです。便に血も混じるようになって、これは大変ということで、病院でとりあえず手術をすることになりました。
――そうでしたか。適度なストレスは自律神経を安定化するなどの良い影響をもたらしますが、体質が悪化しているうえでの過度のストレスは病氣を誘発しますよね。
Aさん 今から考えると、人工肛門の手術をする前にこちらのクリニックで診てもらって食事療法を始めていたら、自然にポリープも消えて治ったんじゃないかなぁと思って。
――そうですね。おっしゃるとおりで、ポリープの段階で食事療法をしたら癌という結果にはならなかったと思います。
 ヘルニアもあったということなので、手術も大変だったのではないでしょうか。
Aさん そうですね、医者はすぐ手術をやりたがりますから。造影剤は本当に辛かったです。あと、術後は抗癌剤も出されましたよ。でも、別の診察日に他の医者に診てもらったら、抗癌剤は要らないっていうんですよ(笑)。
――いいかげんな診断ですね。結局、普通の病院の場合、主観がかなり入りますからね。
Aさん ええ、でもそのときは既に人工肛門になってしまっていましたよ。
――食事の内容に関して、どのようなものを召し上がられていたのですか。
Aさん 僕は、ここ2年は粟などの雑穀を玄米に入れた玄米菜食をしてきましたが、その前の約40年間はずうっと麦飯で、おかずは和風のものが多かったですね。でも、やっぱり普通に肉とかも食べていましたね。肉は嫌いではなかったので。
――和食といえども、肉も使った料理が結構ありますからね。
Aさん 20代の頃から、「肉は腐敗するから食べるな」と、ある老人からいわれていたので、頻繁には食べませんでしたね。
――それでしたら、なおさら手術をするまでもなかったですね。比較的、体質は汚れていなかったと思われるので、食事療法をすれば早めに根治という結果に繋がりましたよ。
Aさん 森下先生もいっていましたよ、手術をする必要はなかったってね。
 あと、もともと痔をもっておりまして、そういうものを玄米菜食できちんと治しておけば、こんなに大きな問題にはならなかったかもしれませんね。
――ちなみに痔のときはどういう対応をされていたのですか。
Aさん 薬は飲まなかったですけど、患部にはかなり薬を塗っていましたね。
――そういったものも化学薬剤で、しかも患部から吸収して血液に入っていきますから。
Aさん なるほど、そういったものが逆に悪くしていたのかもしれませんね。確かに、塗っても痔のほうはどんどん大きくなっていきましたからね。
 でも痔の場合、患部が乾燥するといけないので、つい塗り薬を塗ってしまっていました。すべて化学薬剤だったんですね。意外と知らないうちに薬が体内に入ってきているんですね。
――でもカルテを拝見しますと、もともと腸は弱かったんですね。
Aさん ええ、20代のときには虫垂炎、年とってからは脱腸もしました。
 若い頃は、疑似赤痢でした。終戦後、衛生状態がひどく悪かったんですよ。ましてや、私の町は空襲で焼けましたから。そのときに、母親も下痢がひどく赤痢のような症状で亡くなりましたね。私は、1週間の断食を2回やって、その後に腸洗浄を3回ほどやったら良くなりました。
――むかしは大変だったんですね。Aさんの場合、そのような時代の背景が絡んで、大腸カタルやヘルニアのような症状を引き起こしたことも、ひとつには十分に考えられますよね。
Aさん 今もヘルニアは出たり出なかったりで、動物性のものを食べると血液が汚れて腸に影響をすると思っているので、なるべく植物性のものを摂るようにしています。でもおかげで体の調子はいいし、おまけに髪の毛が黒くなってきました。
 付き合いで肉などの動物性の食べものを摂るときには、とにかくよくんで唾液を出すようにしています。
自分の力で治す
――大正から平成までの時代の変遷を体験されてきて、どのようなご感想をおもちでしょうか。
Aさん むかしの食事は粗食で、小学校4年生の頃から自分で弁当を作っていましたよ。おかずは本当に粗末なものでした。ただ米はよく食べていましね。
 昭和15年頃、日本の経済状態が悪くなって、「麦を食べろ」ということで、それからずうっと麦飯を食べてきました。今となると、それが体に良かったのではと思います。
 あと、埼玉県の熊谷で育ったんですけど、水は本当に良かったですよ。地下水がとても澄んでいて。
――本当にそうですね。幼少の頃、粗食だったからこそ今でも癌になったにもかかわらず、こんなにもお元氣でいられるわけですよね。現代人とは違って、基本的には体質という土台がしっかりとされているのでしょう。
 それに引き替え、現代人の使っている水も油もひどいものですから。
Aさん 戦後は、お腹がすくまでなるべく食べるなと教えられてきました。食べないと体の調子が良くなるということは、むかしから分かっていました。
――東洋の世界では、むかしから病氣治しに断食療法を用いられていたぐらいですから。
Aさん 病氣は何年もかかって蓄積してできたものだから、それだけの期間をかけてのんびりと自然に治るのを待つしかないんですよ。ですから、むかしから薬は飲まなかったです。そのため、体質改善反応はそんなに顕著には出なかったです。
――薬で対応しても根本的には何も解決できないし、あとでつけがまわってきますからね。
Aさん 僕は血圧が上で150あるんですけど、今では医者はすぐ薬を出したがりますよね。やっぱり、新薬を開発をするにはものすごく経費がかかるから、病院と製薬会社とのあいだに癒着みたいなものがあるんじゃないですかね。むかしはこのくらいの数値でも高血圧にはならなかったですよ。これは、森下先生もいっていましたよ。
 とにかく、病氣は医者が治すのではなく、病人が自分の治癒力で治すしかないんですよ。ですから、今後も他の病院に行くつもりはないです。

がんと森下学説 no.7

大自然と調和して生きること―文明の利器に頼らないで―


院長の所見
 今回お伺いしたAさん(男性・62歳・千葉県在住)は15年前に直腸癌に罹られ、手術を受けられましたが、その後、病院側から抗癌剤あるいは人工肛門の選択を余儀なくされました。
 いずれの治療も避けたかったため、大の肉食嗜好であったAさんでしたが、1年間の徹底した基本食を実践。それに伴って、身体の生理機能が正常になり、すこぶる調子が良くなられました。
 長年の玄米菜食の効果で、現在では多少の悪食をされたとしても即座に排毒できる基本代謝を身につけられ、身体で現状を把握できるようにまでなられました。
 森下自然医学との出会いで、山登りをされるようになり、可能な限り大自然と調和 することの大事さに氣づかれ、衣・食・住に関しても、不自然な物を避けることが身体にとってプラスになる―と、おっしゃられ、なるべく文明の利器に頼らないで生活することを心がけていらっしゃいます。
 また、ご兄弟が癌で亡くなられていくなか、現代医学の薬物療法では病氣を治せない上に、この状況では医療費で国が破綻してしまう―と、懸念されていらっしゃいます。

診療(2009年5月23日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きも変化しやすい。血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。消化管としては、胃の働きが多少落ちており、小腸、大腸の一部に僅かながら負担がかかっている。腹部臓器、肝臓、腎臓の働きも少し低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値は下がってきており、働きが良くなってきています。
 それからGOT、GPTなど肝臓の数値もかなり好転してきています。
■ 血液生態 毛髪氣能検査
毛髪氣能検査では、自律神経系の働きがマイナスではないですが、まだ少し不安定です。従って、消化管はどうしてもマイナスになりやすい状態です。ただし、胃と十二指腸はプラスになってきました。消化管以外の臓器は全てプラスです。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外では、稗がとくにご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態写真には、肺と腸からの毒素が出ています。その他、珍しいボンパ血管が出てきています。頻繁に見られるボンパ血管ではありませんので、研究所のほうで精査させていただきましょう。
Aさん 肺の毒素は昔のものですか。
院長 そうですね、肺に残っていた昔の公害毒素でしょうね。今回のような巨大な毒素の溶毒は、初めてではないですか。
Aさん ええ、顕微鏡を覗かせてもらったら、画面いっぱいに出ていました。
院長 ところで、最近、山歩きのほうはされていますか。
Aさん ここのところ忙しくてあまり行っていませんね。これから季節ですから行きたいんですけどね。
院長 そうですね、なるべく行かれたほうがいいですよ。
Aさん この前、日光の戦場ヶ原に行ってきましたよ。そこでずうっと歩いていました。氣候に恵まれて、とても良かったです。
院長 なるほど。私は、日光には30年くらい行っていないですね。昔はよく行ってはいたのですけどね。
 一時期、奥日光でスキーをしていましたよ。あそこのいいところは、ゲレンデがホテルに直結しているところです。そして、割りと周りの山が高いため、日が暮れるのが早いのです。午後の3時ぐらいで日陰になってしまい、雪が硬くなってきます。
Aさん そうですか、そんなに早く…(笑)。
院長 その代わり、早めにホテルに戻れるので、部屋で原稿を書くのにはとても好都合でしたね。そういう意味で、奥日光はものすごく原稿が捗る場所だったのです。
 1日中、原稿を書いているわけにはいかないので、スキーは昼頃から3時間ぐらい滑ってきます。そのあとホテルに戻って風呂に入り、そして原稿書きを始める―という調子でしたね。
 ですから、私は戦場ヶ原のこともよく知っていますよ。
Aさん そうでしたか、あそこは温泉がとてもいいですからね。
院長 その通りです“日光結構です”(笑)。
Aさん あそこはとてもいい所なので、年に5回くらいは行っていますね。
院長 私も久しぶりに行ってみたいですね。
 まあ、とにかく身体のほうは大丈夫なので、この調子で試されてください。
Aさん はい、ありがとうございました。

インタビュー

真の健康に近づける
――森下自然医学と関わってから15年以上経ちますが、身体の調子は相変わらず良さそうですね。
Aさん ええ、1994年にこちらに伺って、1年ぐらいで調子が良くなりましたね。
――今回の血液生態写真には、ものすごい毒素が出ていましたね。
Aさん 仕事をしているものですから、なかなか玄米菜食を完全にするのは難しいんですけど、基本的にはやっていますからね。
 森下先生が、当時、こんなことを言われていたんです。真の健康の状態を0、そして悪い食べ物につれて1、2、3、という具合に、数字で例えると、本当に健康ならば0にいくら掛け算しても0なんです―と。要するに、いかに身体を0の状態に近づけられるか、ということなんですよ。たとえ悪食しても毒素を出せる力があれば、健康を維持することができますからね。
――大量の毒素を排毒できているということは、長年の玄米菜食の効果で真の健康状態に近づいてきている証拠ですね。
Aさん そうですね、なかなか0の数字になることは難しいですけど(笑)。よっぽどスポーツばかりしていれば別なんですけどね。
――おっしゃる通りです。
Aさん 最初の1年間は、基本食をやっていました。会社では、毎日、玄米おにぎりだけです。体重がいっきに落ちて、身体の調子がものすごく良かったですね。それから、少しずつ副食も摂るようにしました。身体の調子は良かったんですけど、徐々に体重は増えてきたりしましたね(笑)。最近では、会社で少し甘いものも摂ったりしますし…。
――でも、身体の基本代謝が身についているわけですから、大勢には影響ないのでは。
Aさん 16年前、大腸癌になったときは、こちらをよく知らなかったので手術をしてしまって、その後、抗癌剤か人工肛門のどちらかを選択しなさい―と医者に言われてしまいましたが、両方とも嫌だったのでいよいよだと思い、こちらに伺ったわけです。
――それで1年間は基本食を徹底されたわけですね。
Aさん はい。最近は食べ過ぎる傾向がありますので、体重が60 kgを越えないように意識しています。一度、断食をやってみたいですよ。
――意識されているだけあって、確かに今回は大腸にそれほど負担がかかっていませんよ。よく咀嚼もされているようですね。
Aさん 1口150回は難しいけど、100回は噛むようにしています。本当は口に入れたら、まず箸を置いて咀嚼をしなくてはいけないのでしょうけど、なかなかできないですね(笑)。
――悪い物を食べているわけではないので、そんなに氣にされることはないですよ。
Aさん そうですね、肉は食べないですけど、いろいろ出されると拒めない性分ですので、常に自分との戦いですよね(笑)。
 でも、自分の状態が身体で分かるようになったので、コントロールしやすいですよ。常に反省しながらやっています。
――そういうふうになられたら、しめたものですね。ご自分で理解されていたら前向きに取り組めますから、どんどん良くなっていきますよ。
 癌になる前は、やはり肉食をされていたのですか。
Aさん 大の肉好きでしたね、週に2、3回はステーキを食べたりなんかして。しかし、今では食べたくなくて、結婚式でステーキが出されても隣へどうぞ、って感じですね(笑)。
――ご家族そろって玄米菜食なのですか。
Aさん たまたま妻のお姉さんが森下料理教室に通っていて、そのおかげでこちらを知ることができたんです。おかげさまで妻も娘も健康です。
 娘は結婚して子供もいますが、基本的にはずうっと玄米を食べていましたので、子供もすごく元氣です。
――母体の血液で、子供の体質は左右されますからね。
Aさん 母乳で育てましたから、妊娠しているときから妻は娘に氣を配っていましたね。本人も意識して、肉は食べない、ケーキなんか絶対食べなかったですよ。おかげで健康に生まれました。全然、病氣もしないですね。
――生まれたお子様には、何を与えられていたのですか。
Aさん 赤ちゃんの頃は、味覚に敏感ですよ。悪い物は吐き出しますね。例えば、白砂糖の入ったものなど。それに、白米に野菜を混ぜて味付けしたものでも、そのまんまの玄米のほうを食べますね。大人よりも味覚が鋭いですよ。ですから、おやつも市販の物は与えないのです。普通の食べ物は吐き出してしまいますから。
――生まれた頃は、本物の味覚がある舌をしていますから、それが本来の姿なのでしょうね。
衣食住をできる限り自然に
――Aさんのご趣味は何でしょうか。
Aさん 自然医学と出合ってから山登りをするようになりました。だいたい関東圏ばかりですけど。近場ですと筑波山、あと、ほとんどが日光方面になりますね。現地に行くと、ものすごく元氣になります。
――お仕事はまだされているのですか。
Aさん 週4日ですけど、設計関係の仕事をしています。建物を技術力でカバーすることはビジネスにはなりますが、私からみれば超高層ビルに住むなんて信じられないことですよ。地面が見えない、子供が遊んでいるところを目視できないなんて。私は、そういう建物に住むことは反対ですね(笑)。
 森下先生が言われますように、自然との付き合い方が大事ですよね。衣食住とも、本来、人工的な物はいけませんよ。
 関西大震災が典型的な例ですね。自然に対抗して高層ビルを建て過ぎ、それが原因で人間はしっぺ返しをくらったようなものです。人間の周りに自然があるのではなく、自然の周りに人間がいる―という言葉を、ある哲学者が言っていますよね。もうそういうことは止めなさい、っていうことですよ。自然医学に対抗している西洋医学みたいです(笑)。
 そのほか、現代の建物の建材には接着剤を使ったりしますので、身体にはよくないですよ、合板がそうですね。
――やはり、昔ながら風邪通しの良い木造の平屋みたいな家が理想なのですか。
Aさん でも今の世の中では、それはなかなか無理なことですから、せめてクーラーをつけないようにするなどの配慮は必要ですよ。ちなみに、電子レンジとかも我が家にはありません。
 あと、風呂にはマコモを入れているんです。そして、湯船に入っているマコモは取り替えません。その代わりに、時々酸素を入れます。その風呂に入ると、毒素がすごく出ます。マコモは排泄物を分解する力があるくらいですから。
――マコモは身体に良いと聞きますが、湯船の臭いは氣にならないですか。
Aさん 普通食をしている人や病院の薬を飲んでいる人が入った後の湯船は、やっぱり臭いますね(笑)。薬などの毒素が溶け出てくるんでしょうね。
――食事もさることながら、住まわれる環境までなるべく自然なかたちをとるように心がけていらっしゃるのですね。 Aさん 衣類に関しても、化繊のものは着ないで、やっぱり綿ですね。ワイシャツやスーツは、悪い溶剤を使わない特殊なクリーニング屋さんに出します。ちょっと値段が高いんですけれど、そこに頼んでいます。安いところは何を使っているか分かりませんからね。最近は、できるだけ自分でやるようにしています(笑)。
――クリーニングの溶剤も皮膚障害を引き起こすなど、問題になっていますからね。
今の医療費では国はもたない
――現代医学のことをいかが思われていますか。
Aさん 私は5人兄弟で、兄は食道癌で亡くなったんですけど、最期まで森下自然医学を信じてくれなかったんですよね。姉も乳癌で抗癌剤をやったんですけど、やっぱり病院で亡くなってしまいましたね。結局、最期は病院でボロボロになってしまうんですね。もう一人の姉も大腸癌で、40歳の若さで亡くなりました。その旦那も現代医学を信じている方だったので、やっぱり自然医学を広めるのは難しいですね。
――西洋医学に洗脳されると、なかなか厳しいでしょうね。
Aさん 森下院長はこんなにも成果を出されているのに、何故まだ世に広まらないのか、と思うくらいですよ。でも、昔よりは浸透しやすい時代にはなってきていますけどね。これからも、お茶の水クリニックは後世に続いて欲しいと思っています。
 でもある意味、自然医学を信じている理解者だけがついていけばいいんですよ。社会のバランスもありますからね…。
――確かに、森下自然医学が世に広まれば、病院をはじめ現在の食肉会社や製薬会社なども潰れてしまいますから。
Aさん ええ、外食産業もあまり良くないですよ。人間がもっと賢くなれば、世の中も変わるんでしょうね。しかし、現代人はテレビで育っていますから、情報に操作されてしまいがちです。
 本当は、政治体制や医療体制が変われば、いいんですけど。とにかく、今の医療費では国はもたないですよね。薬物療法ではなく、予防医学に重点を置いてコストを投入するなどの対策はあるはずです。
――製薬会社は、化学薬剤ではなく健康食品に力を入れて存続すればいいことですよね。
 本日は参考になるお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。

がんと森下学説 no.8

覆った余命1年の宣告―手術を断り、自然医食で癌を克服―

患者さんの体験談
 胃に激痛が走り、病院の検査で胃癌の末期と判明。余命1年の宣告を受ける。手術を断り、自然医学を選択。以来、玄米菜食を実践し、癌を克服―。劇的な体験談を話してくださったのは、Aさん(福岡県在住・59歳・男性)です。
 昨日はふぐ刺、今日は松坂牛のすきやき…と、毎日、美食を重ねていた篠崎さんにとって、玄米菜食はまるで別世界の食事のようでした。しかし、一度決めたことはとことんやるという強い決意の下、食事療法を実践された結果、3年後の病院の検査で癌は全く見つからなかったのです。
 そして現在、20代続く甘味茶屋のオーナーとして、忙しい仕込みの時期の仕事もばりばりとこなしています。体の状態は、寝ないで遊びも仕事もできた20代前半くらいに戻ったと感じるとのこと。
 苦しい時期を乗り越えた末に、玄米菜食を楽しみ、登山を楽しみ、仕事を楽しみ、そして癌という生活を楽しむというところまで辿り着いたと話すAさん。その溌剌としたご様子は、一緒にいる人を自然と元氣にしてしまうようなパワーに満ち溢れていました。

院長の所見

診察(2007年2月23日)
■内臓機能検査
血液の循環の状態、肺の働きは鈍い。自律神経の働きは不安定。神経的に、胃、小腸、大腸の働きは変化しやすい。消化管としては、胃から十二指腸にかけて働きが少し落ちている。神経的なストレスが十二指腸にまとまりやすいという傾向がある。大腸の一部に少し負担がかかっている。腹部臓器では、肝臓、腎臓の働きなどが低迷している。
■一般血液検査
血液の数値では、尿素窒素、腎臓の数値が少々高い。中性脂肪はよろしい。
院長 GOT、GPTの肝臓の数値で見ると、どんどん肝臓から毒素が抜けてきています。GOTが44、25、15、そしてGPTが38、18、11と、肝臓の数値が徐々によくなってきています。非常にいいことです。
 それから血液生態ですが、これは腸から出てきた毒素です。これは血液中の酵素の作用でどんどん解体しつつある過程です。これは肺から出てきたものです。円盤状毒素といわれるもので、ストレートに末梢血液空間に移動しないであちらこちら道草をくっていたんですね。いろんな種類の毒素が血液中に溶毒してきてから、最後にこういう種類の毒素が出てきます。他の毒素のほとんどが先に出てしまった状態だ―と考えてよろしいでしょう。
Aさん 前回から4ヶ月、がんばった甲斐があったんですね。
院長 そうですね。それから、毛髪氣能検査の結果を見てみると、自律神経、交感神経、副交感神経、交感神経はプラスですが、副交感神経がマイナスです。従って消化管、特に胃、十二指腸、小腸までがマイナスになっています。これは神経的に胃から腸までがダメージを受けやすいということを教えているわけですね。
Aさん 仕事やってたら、どうしてもなりますよね。神経つかいますから(笑)。
院長 おそらく4~5年前に癌ができる直前は癌の数字がマイナス7なら、リンパがマイナス8くらいです。そうでないと癌は成立しないわけですから。癌のマイナス7がマイナス2になり、リンパのマイナス8がプラス3に変わってきた―ということは、癌とリンパの両者がもう完全に仲間割れしているということですね。癌ができるのには、2つの要素が必要なんです。リンパと癌。リンパの方がちょっともう逃げちゃっているという感じです。だから癌の方はひとりではもうやっていけないという状況になっています。枯れはじめています。リンパはプラス3なので、すでに11段階くらい改善されているというわけです。
Aさん 先生のおかげです。
院長 それから、玄米、丸麦、ハト麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、ソバ、穀類は全部合っている。玄米以外にハト麦、粟、黒豆、ソバが合っています。
Aさん 先生、癌のオリーブさんとはこのくらいで仲良くしておいた方がいいですけんね。なくなったら困る。先生に会いに来れんもん(笑)。リンパの方はぬけていくんですか?
院長 リンパの数値はもう少し上がります。
Aさん 目標はリンパをもう少し上げることですね。
院長 ということで、あなたの場合は…、「ルチルクォーツ」が合っています。この石をライトや太陽に透かすと、いっぱい細い針が入っているのが見えます。売店に置いてあるので、見るだけ見ていってください。
Aさん 針入り水晶ですか。
院長 針入り水晶。ルチルクォーツ。それが非常によく合っていますよ。
Aさん 先生、2月17日の大阪の講演会では、ありがとうございました。講演でぼくの体験談を聞いた何人かの方から連絡があって、役に立つことがあればと思い、お話をしました。
 土曜日の大阪講演から帰って、日曜日の夜から九重山に登り、一昨日、下山して帰ってきました。それから今日こっちに来たんです。それだけの体力がついてきました。
院長 ほう。すごいですよね。
Aさん ところで先生、今回ごほうびとして食べていいものはありますか。前回は「カレーはいいぞ」と言われました。まだ寿司はだめですよね
院長 うん。小さい、きびなご、こうなご、いかなご…くらいまでならよろしいです。
 これからシーズンに入りますから、新鮮なものを見つけたら、しばらく水槽の中に生かしておいて、何匹ずつかフライパンで油を引かないで乾煎りします。熱を通して柔らかみ―弾力性が残っている状態で、わさび醤油につけて召し上がるということなら、一週間に1回くらいはできるんじゃないかな。
Aさん ごほうびですね(笑)。
 それと先生、いつの日か先生と一緒に長寿村に連れていっていただきたいと思います。今年も行かれるんですか。
院長 今年も行かざるを得ないでしょう。
Aさん ぜひ行きたいので、よろしくお願いします。

インタビュー

余命1年の宣告を受けて
――登山から帰ってすぐに、福岡から診療にいらしたということですが、とてもお元氣そうですね。
Aさん 九重山といって、九州で一番高い山に登って、3日間、山籠りをしました。本当に寒かったけれど、「この体をありがとうございます」と感謝が湧いてきました。
 癌にかかる以前、癌後、そして癌を経過して今年の正月と全然違っているのが自分でもわかります。いろいろ格闘はありましたけれど、癌になってなくしたものは何もありません。いいことばかりです。
――さっそく、体験談をお伺いします。
Aさん ちょうど3年半前ですが、胃癌の末期なので、もって2年、短くて1年以内に死んでおかしくないと、日本で何番目かに入る先生から言われました。それで、手術する、しないという話になったんです。「ちょっと待ってくれ、店もある、おやじも、おふくろも、息子もいる。いろいろ荷物を背負っているんだから、切る前に段取りを組ませてくれ」と頼んで、2~3日考えました。考えた結果、自然療法でいこうと。
――自然医学のことは、ご存知だったんですか。
Aさん ぼくはすごい肩こりなので、猪俣君という後輩に週1回操体法を受けているんです。その猪俣君に先生の講演会に連れて行ってもらったことがありました。その当時は、玄米菜食なんてぼくには蚊帳の外で、何のことだろうと思っていたんですが(笑)。
 余命1年だということで、猪俣君にも相談したら、「玄米菜食をやったらどうかねえ?」と言われたんですよ。先生の話は一度聞いていたから、自然療法というのはすーっと抵抗なく入ってきました。癌を切っても切らなくても、とにかく森下先生のところに行こうと、すぐに予約を入れました。
――最初の診察はどうでしたか。
Aさん 写真を見せたら、先生から、「立派な癌ですね」と言われました(笑)。
 ぼくの周りには食事療法で癌を治した人がいないし、切ったほうがいいという意見がほとんどだったんです。それで、「先生の考えを教えてください」と訊いたら、先生は「自分が招いたことだ」と言うわけです。
――癌になるまではどんな生活でしたか。
Aさん もう、365日、肉、魚中心の外食ですね。フグ食ったり、寿司食ったり、すき焼き食ったり、銭がかかってます。肉は松坂牛、100gで3700円です。季節の野菜なんていうのは、ほとんど食したことはないです。この前、子供と計算したんですよ。食材にいくらかけて癌になったかと。なんと1億円近くかかっているんですよ。本当に笑い話ですけれどね(笑)。
 それで、先生から、「親が食べろと言ったものを食べず、好き勝手なものを食べて、今度は癌になりました。それで癌になったら、自分の命を人に預けるのか?」と言われました。食事療法をするかどうか次回までに決めるように言われて、1回目は帰ったんです。2回目に来る前に、玄米菜食でやっていくことを決めました。
――それまでと180度違った食生活をするようになっていかがでしたか。
Aさん はっはっは…地獄ですよ(笑)。本当に地獄。肉とか魚とか、今まで主体だったものが全部視界から消えるんですから。おかずには、今まで見向きもしなかったゴボウ、レンコン、ニンジンなんかがぽそっとあるだけで。最初は、「本当にこんなんで大丈夫なのかな」と思いましたよ。でも、一度自分でやると口に出して言ったことを覆して、こっそり他のものを食べるわけにもいかない。「よかたい! これしか食うもんないんじゃけん」と腹を据えました。最初は玄米200gを一日に2回に分けて食べて、おかずは、一日に、ゴボウ、レンコン、ニンジン、小松菜を一切れずつ。味噌汁は一日何杯飲んでもいいということだったので、どんぶりに一杯くらい飲みました。
 玄米をよく噛んで食べるようにと指導されて、はじめは60回、次に来た時には100回、その次は150回になりました。桜沢先生の奥さんの書いたマクロビオティックの本を見たら、100よりも200、200よりも300と書いてあったので、ようし、300回噛むぞと思ったんです。一食あたり5000から6000回噛むと決めたのが癌2年目です。
――続けてこられた原動力は何でしたか。
Aさん 子供への愛ですね。余命が1年と言われて、「ぼくがこの子に残してあげられるものは何か?」ということを考えたんです。一番何を残せるかなと思ったら、この子の父親として私はこうであったという自分の姿だと思ったんですよ。
 手術しないで、食事療法で治すと言ったら、息子は泣いて大反対しました。ぼくはこう言いました。「自分が叩いた太鼓やけん、これだけはさせてくれ。1年やってだめだったら、それまでの命、2年生きたら儲け、3年目があったら付録だろう。ただし、これは死ぬためにするんじゃないぞ、生きるためにするんじゃけん。俺の生きざまをよう見とけ」。博多には、祇園山笠というお祭りがあります。博多の男は、山笠でその生き方を極めさせられるんです。一番太鼓がドーンと鳴ったら、山笠の山車を担いで一直線にゴールに向かう。ゴールのことを「廻り止め」というんですが、「廻り止めがくるまで俺の生きざまを見ておけ」という氣持ちでした。
――診察の時、隣に息子さんがいらっしゃいましたね。
Aさん 子供にはずっと支えてもらいました。以前は診察の時に、先生にあれも訊こう、これも訊こうとしていたのが、「もう先生に何も訊くことないや」と言います。それだけ、ぼくがやったことを認めてくれたということなんです。
――途中つらくなったことはないですか。
Aさん ありますよ。つらさというのは、経験した人でないとわかりませんよ。
 玄米菜食をはじめてから1ヶ月くらいで、68 kgあった体重が一氣に42・8kgまで落ちたんです。そうしたら、体に寒が走るとですよ。ストーブを4台つけてジャンパーを3枚羽織っても寒いんです。お風呂に入って温まっても、出てタオルで体をひと拭きすると骨がしーんと冷えてくる。そういう状態が半年くらい続きました。
 次の年、桜が咲くか咲かないかという時期にお山に登った時のことです。ご来光に手を合わせていたら体が熱いんですよ。それでジャンパーを脱いだんです。操体法の猪俣君に言わせると、停止していた肝機能が動き出したんじゃないかということです。
――今のようにお元氣になられたのはいつくらいからですか。
Aさん 玄米菜食をはじめてから3年後の去年の12月くらいです。12月の半ばから、節分までの間、アンコと粉の仕込みが続くんです。半端な仕込みではないので、氣が抜けないのですが、その1ヶ月半を乗り切りました。
――食事療法をはじめてから仕事に対しても何か変化がありましたか。
Aさん 変わりましたね。昔は自己中心型だったけれど、今は影の力となるのがうれしいです。「俺が俺が!」じゃなくて、「みんながいるからできた」そんな考え方になれたのも食事のおかげです。
――つくるお菓子はどうですか。
Aさん これは、全部、玄米菜食をはじめてからつくったものなんです(写真参照)。先生から羅漢果は氣能値が高いので、羅漢果を混ぜて何かいいものをつくらないかと言われたのがはじまりです。糖尿病や癌の人も食べられるような和菓子をとことん追求しようと思っていますから。
癌は消えていた
――ところで、胃の具合はどうですか。
Aさん チクチクも全くないです。快適です。
――胃癌がどうなったか、その後検査されましたか。
Aさん 同じ病院で検査してもらいました。七五三とあるように、3年目はひとつの節目ですよね。自分の体の状態を知っておきたいというのがあったので。
 病院の先生に「とっくに死んどるかと思った」と言われました。血液検査、胃カメラ、そして胃の細胞も採って検査をしました。ところが、結果を聞きに行ったら、「取り違えた可能性があるのでもう一度検査します」。癌が見つからなかったということなんです。医者はそれを認めないわけです。
 病院の検査結果を森下先生に見せたら、「癌もどき」だと。そして、「癌が治ったと思うなよ」と言われて。ぼくは、「絶対に治ったと思いません」。54年かかってできた癌ですから、玄米菜食3年やって治りました―なんていうのはウソですよ。治ったと思ったら、人間というものは弱いものだから、元の生活に戻ります。お山にも行かなくなり、先生とも会わなくなります。癌があるからこそ、続けられるんです。
 3年かかってようやく玄米菜食の基本に辿り着きました。これからなんです。「帰ったらまた一からがんばるぞ! よっしゃ、今度はもっとよくなってやるぞ!」というところです(笑)。

がんと森下学説 no9

ご夫婦で真の体質を獲得―いかなる症状も前向きで―〈肺癌〉

患者さんの体験談
発癌のカラクリ―肉食などの異常な食物により腸内が腐敗し、そこで発生した腐敗産物が血中に吸収されて血液を汚す。従って、その全身を廻る血液が組織細胞に慢性的に異常刺激を与えて、体質的に弱い臓器に発病するだけのことなのである。
今回お伺いしたAさん(46歳・女性・茨城県在住)は、平成17年9月の人間ドックの検診で肺癌と診断され、手術を薦められました。当初は、ストレスなどもあり胃の病巣だけならまだしも、肺に癌ができたことに関しては不思議に思われたそうです。
義父が当クリニックで大腸癌を克服されたことから食事療法を薦められ、最初の1年間は徹底されました。ご夫婦で食事療法を実践されて、ともに異常な食物に対して拒絶反応を示す―という真の体質に変わりつつあることを実感。
こちらにいらっしゃるたびに体質が改善されていくご本人は、辛い症状が出た際には、常に好転反応と捉え、決して化学薬剤に頼らず自然療法のお手当てで対応される―という前向きの姿勢と、ご主人さまの励みもあって、良い結果をもたらしたのかと思われました。

院長の所見

診療(2008年7月19日)
■ 内臓機能検査
血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きも変化しやすい。胃の働きが落ちている。小腸と大腸の一部に少し負担がかかっている。腹部臓器、肝臓、腎臓の働きも多少低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値は前回より下がってはいますが、暑さの影響でまだ少し高値です。
 それからGOT、GPTなど肝臓の数値も前回より下がっており、肝臓から毒素が抜けてきている状態です。
■ 毛髪氣能検査、血液生態
毛髪氣能検査では、自律神経系がマイナスです。従って、消化管全体もマイナスになるはずですが、胃はプラス2、小腸はプラス1になってきています。十二指腸と大腸はマイナスです。以前は、胃も小腸もマイナスだったはずです。消化管以外では肺がマイナス1です。肺がウィークポイントと言えるでしょう。
癌はマイナス1、リンパはプラス1になってきましたので、ほとんど心配いりません。
穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に鳩麦、黒豆がとくにご本人の体質好みの穀物です。
血液生態写真には、肺から公害毒素が出てきています。それから、ボンパ血管も出ています。
極めて順調な経過をたどっていると思います。
Aさん 最近、暑くなってきて、くらくらっと目まいのようになるんですけど。
院長 今の状態では、そういった現象は起こり得ることなので、起こっても別に問題はないと解釈されてよろしいでしょう。
Aさん 一時的に食べ過ぎたりしてしまったので、ちょっと心配だったんですが…。ですからこの頃は、間食を減らしたりしているので体重が減ってきています。
院長 いろいろなことがありましたけど、非常に真面目にやってこられて、それなりの成果がきちんと出ているとお考えになってよろしいです。
Aさん 癌がほかのところに出ているとかの心配はないでしょうか。
院長 それは、当然のごとくあり得ないと考えてよろしいです。
Aさん あと、野菜を食べているんですけど、農薬の影響は大丈夫でしょうか。
 やっぱり、どうしても野菜は食べることになってしまうので。
院長 今はどうやって野菜を手に入れられているのですか。無農薬野菜ですか。
Aさん 無農薬とは言ってないですね。
院長 でも無農薬と言ってないわりには、血液生態写真にはあまり農薬が出てきていませんよね。
 一方では、無農薬野菜しか食べないと言われている人の場合でも、血液生態写真では農薬が認められる―というようないろいろなケースがあるんですね。それは、その農家のかたが真面目に5年間、無農薬で野菜を作られていたとしても、その前の10年間に農薬が使われていたのならば土壌に浸透していますので、野菜はその以前の農薬を吸い上げる―ということになりますから。
Aさん わかりました。
院長 まあ、いまのところ身体のほうは順調に経過しており心配はいりませんので、続けてお試しになってみてください。
Aさん そうですか、本当にどうも有難うございました。

インタビュー

ご夫婦で食事療法を実践され、ともに体調良好
――肺癌になられてから約3年間、食事療法を実践されて順調な経過をみせており、あとは時間が解決してくれるような氣がしますが。
Aさん 最初の1年間は間食もしないで徹底しましたね。玄米が最初は苦手でしたが、徐々においしく感じてきました。
 副食の内容も指示どおり野菜中心で、煮物とか切り干し大根ぐらいでしたね。そして徐々に、りんごなどの果物も摂るようになりました。
――果物も制限されていたのですか。やはり身体を冷やしますからね。でも夏場の暑い時期なら、少しくらいはよろしいのではないでしょうか。
Aさん それと、魚もほとんど食べなかったですね。大魚はもちろんですけど、食べたとしても、しらすとかししゃもぐらいでしたかね。
――咀嚼も一口150回と、しっかりされていますね。
Aさん そうですね。今、仕事はしていないので、ゆっくりと1時間以上は食事の時間にかけられます。
――今日は、ご主人さまもいらっしゃっていますが、食事の内容もご一緒なのでしょうか。
Aさん 同じものを食べてくれます。会社での外食も、動物性食品は摂らないで蕎麦ばかり食べているそうです。蕎麦は飽きないみたいです。
――そうですか。当たり前のことですが、ご夫婦で同じものを食べるということが非常に大事なことだと思います。なかには、病氣になった方だけが玄米を食べるという具合に、別々の釜で食事を作られる方もいらっしゃいますが、そういう方はたいてい良くならないです。
 やはり、精神的に病氣になっているという氣持ちに仕立てられてしまうのではないでしょうか。
 ですからAさんの場合、ご主人さまのおかげでもあるのでしょうね(笑)。
Aさん そうですね。
 あと主人も、動物性のものを自然と受け付けなくなったみたいですよ。やはり宴会でお肉とかが出されるみたいですけど、口に入れてからよく噛んでいるうちに、氣持ち悪くなって吐き出してしまうみたいですね。
 ちなみに娘も玄米を食べるようになって、以前は肥満ぎみだったのが今ではものすごくスマートになりました。
――Aさんご本人の場合も、以前は肉類などの動物性食品を召し上がられていたのですか。
Aさん 癌になる前は普通に外食もしており、焼肉などを食べたりしていました。そして家では白米でしたし、白パンもけっこう食べていました。とにかくいろいろな動物性のおかずが多くて、やっぱり肉がほとんどでしたね。
 最近テレビの料理番組で肉がよく出てきますが、今ではその画面すら見たくもないですね(笑)。あと今はほとんどないですけど、たまに付き合いの外食があるときは和食にしたり、そのほか父兄会のときには弁当が出されたりしますけど、ほとんど手をつけず玄米おにぎりを食べたりしています。
 薬に関しても、むかしは風邪をひくたびにすぐ薬を飲んでいましたけど、今は一切飲みません。その代わり、強化食品は毎回きちんと飲んでいます。全部いいと思うんですけど、「大黒天」がとくに氣に入っていますね。
付け焼刃的な治療法に唖然
――人間ドックの検診で肺癌が見つかったそうですが、病院側はどういう治療法を薦めてきましたか。
Aさん 自覚症状は全然なかったのですが、レントゲンの所見で肺癌の診断を下され、その後の検査入院の結果、1cmぐらいの癌があるということで手術を薦めてきました。ストレスとかあったので胃にくるならまだしも肺に癌があったということで不思議な感じでした。
 そして、細胞を再生する技術がないくせに手術を薦めてくるんですよ。これには主人はカチンときて、「人の身体を何だと思っているんだ!」という感じであきれていましたね。
――なるほど。そういった経緯があって、こちらにいらっしゃることになったのですね。
 森下自然医学では癌を血液の病氣と見なしていることから、血液は全身を廻っているため、どの臓器に癌ができても不思議ではないということになりますよね。
Aさん はい。あと、主人の父も以前は大腸癌になってしまったのですが、こちらに来て自然食をきちっと守ったら治ってしまったみたいです。それで義父から、手術をする前に一緒に自然食を付き合ってみないかといわれて、食事療法をすることになったのです。
 ですから、最初のうちは主人と義父と一緒に3人でこちらに伺っていました。
――もともとは10年前にこちらにいらっしゃっていたお父さまからのご紹介だったのですか。
Aさん でもいちばん最初は、主人が本屋で森下先生のことを知ったみたいです。主人は、今では森下先生の本をほとんど持っていますね。
――そうですか、院長の本は解りやすくて面白いですよね(笑)。どうして癌になるのかが明確に書かれていますからね。
Aさん そうなんですよ。ものすごく解りやすいです。今日も最新版が出たということで、主人は帰りに電車で読みたいらしく、早速買ったみたいです(笑)。
――やはり、本を読んで森下自然医学をよく理解されて、確信をもって食事療法を実践されているかたとそうでないかたとでは雲泥の差が出ますね。
ここなら信じられる
――ご主人さまがよく理解されていらっしゃったので、こちらの食事療法に抵抗はなかったのではないですか。
Aさん いや、それでもやはり最初は半信半疑でした。自然食だけで治るのか、手術してから始めても遅くないのではないのかとか思ったりして。
 でも結局、主人から逆に食事療法をしてみて駄目だったら手術をしても遅くはないんじゃないのと言われて。
――そうですね。ご主人さまのおっしゃるとおり、順番としてやるべき食事療法がまず最初ですよね。
Aさん ええ。でも、森下先生に最初にお会いしてお話を聞いていたら、「信じられる!」と思いました。やっぱり安心しましたよね。
 私は若い頃、十二指腸潰瘍で手術をして胃腸の一部をとることになってしまったんですけど、それも今となると食事療法で治ったんじゃないかなぁなんて思ったりもしました。でもその頃は、森下先生のことを知らなかったですから、しようがないですけど(笑)。
――そうですか。それでしたら、食事療法をするにともなっていろいろな症状が出たと思われますが、慌てなくて済まされたのではないですか。
Aさん そうですね。腕の関節が痛くなったり、頭痛がしたり、そういった峠の状態が一時は続きましたね。一瞬、悪くなったのではと思うくらいになったときもありました。でも、改善反応なのかなぁと思って。
 そういうときでも決して薬には頼らないで、こんにゃく罨法や塩温石などのお手当てはやりましたね。主人も私に何か症状が出ると、「それは改善反応だよ」と言ってくれたので(笑)。
――頼もしいですね。
 また今度こちらにいらっしゃるときにはもっと良くなっているといいですね。
Aさん はい。
 主人は、私の状態が良くなっていく経過を聞くのを楽しみに一緒にこちらに伺っています。 でもそれよりも、1970年代、現代医学に反旗を翻した森下先生の人間性に触れてみたいということのほうが、こちらに伺う本命の目的みたいですね(笑)。森下先生のお話を聞きたいらしくて、またそれを子供たちに伝承していこうと思っているらしくて。
 私の身体に関しては、主人は食事療法でいずれ自然に治ってしまうと信じていますからね。

がんと森下学説 no.10

森下自然医学をマスコミで発信―様々な好転反応を乗り越えて―


院長の所見
 森下自然医食療法―体の基本代謝ならびに造血機能などに関して、現代西洋医学の基礎理論とは明確に一線を画する「森下自然医学理論」に基づいた食事療法。
 今回お伺いしたAさん(女性・60歳・沖縄県在住)は、森下自然医食療法は巷で流行っている食事療法とは次元を異にするものであるということで、本当のことを患者さんに解っていただきたいという思いから事務所を立ち上げ、ボランティアで玄米菜食を指導されています。相談にいらっしゃる方が徐々に増え、ついにはラジオ番組からも依頼がくるようになり、シリーズにまでなるほどの反響ぶり。
 このような意欲的な活動をされるに至った動機は、ご本人が自ら森下自然医食療法を体験して、その効果の素晴らしさを実感されたからであるとおっしゃられています。
 Aさんは、52歳のときに健康診断の結果、子宮体癌細胞が認められ、今までの乱れた食事内容を切り替え、様々な症状(好転反応)を乗り越えられた後、体力がついて病氣知らずの体になられました。
 今後も、講演などを通じて森下自然医食を広めていかれる予定で、森下自然医学に対しての熱い想いが伝わってきました。

診療(2008年1月23日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きが変化しやすい。消化管として胃の働きが落ちている。小腸と大腸の一部に少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きが鈍い。腹部臓器、肝臓、腎臓、婦人科系の働きが少し落ちている。
■ 血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値が少し高い。中性脂肪はこれから下がってきます。GOT、GPTの肝臓の数値は、少し寒さの影響を受けています。
 寒さのストレスで、肝臓や腎臓の機能が落ちてくるという現象はよくあることなのですが、Aさんの場合は肝臓だけが少し影響を受けています。
 毛髪氣能検査では、胃、十二指腸、小腸の働きがまだ少し鈍いです。しかし、十二指腸と小腸の数値は正数に変わってきています。消化管以外では腎臓がマイナス1です。
 抗癌力すなわち癌を治す力については、癌が発症した7~8年前では癌の数値がマイナス7であればリンパはマイナス8ぐらいの数値でした。しかし現在は、癌のマイナス7がマイナス1になり、リンパのマイナス8がプラス5に変わってきているため、癌がこれ以上発展することはあり得ません。むしろ、癌は枯渇寸前であるという判断でよろしいです。 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に粟、黒豆が特にご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態ですが、腸から大きな毒素が出てきています。それから、肺からも大きな公害毒素が出ています。あと、農薬も出ていますね。
Aさん 私は無農薬の野菜を取り寄せたりして完璧にやっているつもりですけど、農薬が出ているのですか。
院長 自家菜園をされているのですか。
Aさん 熊本のほうから有機農法の野菜を送ってもらっています。
院長 その人が無農薬で野菜を作られていたとしても、その前の段階で農薬が使われていて土壌が汚染されている場合、野菜は少しずつその農薬を吸い上げていきますよ。
Aさん 強化食品や薬草茶などを摂って排毒できるように努力はしているのですが。
院長 大丈夫です。このように血液に出てきているわけですから。
 食べものを食べる段階で、人間はそのなかに農薬が入っているかどうかということを判断することはできません。そんな高度な脳神経をもっているわけではないのです。よって、体の細胞に任せるしかありません。体の細胞は完全に進化していますが、頭のほうはまだ発展途上なのです。
 人間や動物には、脳幹のような共通の部分もありますが、人間はそのうえに大脳皮質がかぶさり、それが肥大化してきました。ですから、大脳皮質はわりあい新しくできたもので、未完成なんです。
 しかも情報化社会で、誤っている情報を土台にして、発展途上の大脳皮質が色々な問題を判断し、誤解・誤認をするから、世の中が全くおかしな状況になってきているわけです。
 その意味では、体の細胞は30数億年かけて進化したもので、完全に仕上がっています。従って、体の細胞が食べ物のなかに変なものが入っていないかどうかをチェックします。そして危険な場合は、頭には相談せずに、梱包して血液に出してくれるのです。
 食事療法をされていない方は、このように血液に毒素が出ることはありません。毒素を処理しきれないで体に溜めこむために病氣になるのです。完全に進化しきった体の細胞が、文明生活、公害物質、化学薬剤によって、半ば壊れたり、あるいは死んだ状態になっているのです。
Aさん それから、「七健人」、「竹塩」や「アサジ水」を去年の10月頃から使っているんですが、使用後に足に湿疹が出て痒いんです。あと、正月には8年ぶりに風邪をひいて長引きました。せき、たん、微熱などの症状が出ました。これらは、そういうものを使ったことによって起こった反応なのでしょうか。
院長 もちろんそうです。それらは、体内毒素を徹底的に洗い出しますからね。
Aさん 痒みは、昼間は動いているので感じないのですが、夜、寝ているときに凄く感じます。ですから、今は使うのをちょっと控えているのです。
院長 そうですね、加減されるといいです。強く反応が出る場合がありますので、あまり徹底的にやられないほうがいいと思います。
Aさん はい、分かりました。
 それと、こちらに久しぶり来たので毛髪検査で強化食品との相性を調べていただくのですが、その結果が出るまで「雲貴田七」を飲んでいてよろしいでしょうか。
院長 もちろん、結構です。体にマイナスになることは絶対にありません。あれは、大体の人と相性がいいですよ。
Aさん わかりました、「陽祿燦」なども飲み続けます。
 あと、体重のことなんですが、今までは43 kgぐらいを維持していたのですが、今回は38 kgしかないのです。大丈夫でしょうか。
院長 そうですね、あなたの場合、40 kgを維持されるといいと思います。
Aさん そうですか、ありがとうございます。
 最後にお伺いしたいのですが、今、「FM21の健康アドバイザー」としてラジオ番組をもって1年以上たつんですけど、私のところにちょっとした問い合わせが多くて、そこで森下自然医食を教えて差し上げているので、名刺に「森下自然医学」と入れたいのですが。
院長 そうですね。検討して御返事しましょう。
Aさん 相談にいらっしゃった方たちには、森下先生の本を読んでいただいたり、本物を摂っていただきたいということで「アオゲラ」さんを通じて強化食品を提供するということなどをボランティアでやっています。
 食事療法で体質改善ということで、講演の依頼も来まして、今年の9月に大きな講演があります。これからも、森下自然医食や強化食品を広めていこうと思います。
 ありがとうございました。

インタビュー

本物だからこそ伝えたい
――意欲的に森下自然医学を広めてくださっていらっしゃるそうですが。
Aさん 沖縄にも大きい病院がたくさんあるんですが、こちらに来てから食事療法で体質改善したおかげで今でも元氣でいられるということをラジオ番組でお話しましたら、そこの社長さんが食事療法というものがよく分からないということで、ぜひゲストに来てもらってシリーズで話して欲しいということになり3回にわたってお話しました。
 それが、今でも続いています。
――自然的な療法も受け入れやすい時代にはなってきていますが、でも未だ西洋医学が主流である時代に、どのようにしてマスコミで食事療法を広められるチャンスを得ることができたのですか。
Aさん 以前から、4畳半くらいの部屋を借りて、そこで森下先生をはじめ、指導員の方たちから教えていただいたことを皆さんに教えているのです。
 最初は皆さん、こんなもので病氣が治るわけがないって言うんですよ。家族も反対しました。でも後になって、やっぱり食事療法は正解だったと言ってくれます。何よりも、体力も持久力もついたので、私が体で実感しています。40代の人でさえ私にかないません。ですから、ラジオ放送も口コミがきっかけでやることになったんです。
――自分の体に自信がついたからこそ、皆さんに本当のことを伝えようと思われたのですね。それでラジオ放送の反響はありましたか。
Aさん 生放送ですので直に電話で質問が入ってきて、それにお答えしています。やはり、質問される方は、肉食でおかず中心の食事でした。
 また、私のほうに相談にいらっしゃる方が増えて、その方たちにはまず調味料から変えていただきました。それから、旬の無農薬野菜や玄米雑穀を薦めて、体質改善を図ってもらうことにしました。
 それでも、玄米の作り方が分からないという方もいらっしゃるので、私が部屋で作って皆さんに食べていただいています。それから、ゴボウの梅干煮やダイコンの姿煮、レンコンの姿焼きなど。あと、お味噌汁のだしのとり方も、沖縄ではカツオ節が使われるんですけど、それをシイタケやコンブに切り替えていただいています。
――ボランティアでやられているのですよね。相談者のお声をお聞かせください。
Aさん はい、お金は一切いただいておりません。一番嬉しかったことは、糖尿病患者の方がインシュリンを手放せたことですね。痛風や高血圧の方の薬の量が減ったことや、大腸ポリープが消えてしまったことなど。こうして、皆さんが報告してくださるので、私も嬉しくなってますます勉強しなくてはという氣にさせられます。
――こちらの強化食品については、どのようにお薦めされているのですか。
Aさん 沖縄では、ひと月分の食事代のほとんどを健康食品に使う方が結構いらっしゃって、お宅におじゃますると、ほとんど同じようなものが置かれています。
 そこで、本当は何が一番必要なのかということで、森下三大強化食品である葉緑素・酵素・胚芽を薦めています。やはり沖縄は油料理が多いですから。
好転反応を乗り越えて
――話は変わりますが、当クリニックにいらっしゃったきっかけは。
Aさん むかし、知り合いと来たときに自然医食レストラン「ユニオン」に置かれていた本を読んで、もし病氣になったらお茶の水クリニックに来ようと決めていました。
 そして52歳のときに、沖縄にある地元の病院での健康診断で子宮体細胞の変化が認められました。それですぐこちらに来ました。
――子宮体細胞の変化ということは、癌の一歩手前の状態だと思われますが、以前は肉食を好まれていたのですか。
Aさん はい。玄米は30歳のときから食べていたんですけど、そのほかに肉や大魚、甘いものもかなり食べていました。
――やはり主食は玄米でも、動物性食品が入りすぎると、どうしてもこのような結果になってしまいますよね。
 沖縄だと、豚が流行っているみたいですから。
Aさん そうですね。沖縄は豚足が有名で、内臓も含め豚を丸ごと一匹食べたりするんです。大魚も刺身などにして、丸々食べますね。とにかく、動物性のものが入り過ぎました。外食も多かったです。
 しかし、今は一切食べたいと思いませんね。みそ汁のだしから全てを変えました。
――化学薬剤は頻繁に服用されていましたか。
Aさん そうですね。小さい頃から、風邪をひいてはすぐ薬に頼っていました。それに、肺炎になったら抗生物質を飲んだりもしました。あとは、生理痛のたびに痛み止めを飲んだり、腎臓も弱かったので腎臓の薬もけっこう飲んでいました。
――こういった昔に服用された化学薬剤が原因でこのような細胞の異常事態をもたらしたということも考えられますね。
Aさん でも、こちらに来てから薬は一切止めました。というよりも、頭痛、腰痛、肩こりなどの色々な自覚症状が全くなくなったのです。
 以前は胃潰瘍、ヘルペスにもなっていましたが、今はもう大丈夫です。
――食事の内容を切り替えたからですね。
 体がきれいになっていく過程で、色々な排毒現象いわゆる好転反応がかなり出たのではないですか。
Aさん ええ、すごい反応が出て大変でした。初期の頃は、腰に膿が出るくらいの大きなおできができ、そういう状態が2ヶ月続きました。お風呂に入るのも苦労しました。それで、やっと治まったと思ったら、今度は足に赤いおできができました。湿疹で痒みがひどかったです。最後は、顔もケロイド状態になりました。
 クリニックの指導員に連絡したら、とにかく歩きなさいといわれました。ですから、排毒を進めるために、夜に帽子をかぶって娘とウォーキングをしました。今でも朝5時に起きて歩いています。お蔭様で、本当に体力がつき元氣にやっております。
――これからも、森下自然医学を世に広められてください。
 本日はありがとうございました。
Aさん ほとんどの方が、食事療法で体質改善されて病氣が治癒していくという考え方を知らないと思うのです。このようなすばらしい考え方を皆様に分かっていただきたいです。

がんと森下学説 no,11

自然医食で喉頭癌完治33年


過日、日立市にあるご自宅を訪問し、奥さまも交えて癌克服の貴重な体験談と放射線の後遺症について、お話していただきました。Aさん(大正11年生まれ・83歳)は、33年前にお茶の水クリニックの食事療法を実践され、喉頭癌を克服されました。83歳の現在、癌は消え健康そのものです。ただ、残念な事に放射線の後遺症のために苦しんでおられました。
Aさんは、かつて写真業を営んでおられました。しかし、49歳の時に現代医学の病院で喉頭癌と診断されて入院。手術を勧められましたが、お客様相手の仕事上、どうしても声帯を取るわけにいかない、と手術を断ったそうです。 3ヵ月間、制癌剤と放射線治療を受けて退院したものの、医師から「再発した時には今度こそ切除しなければならない」と釘を刺されたそうです。医師の予告通り(化学療法による経過は予測が可能)約3ヵ月後にはまた癌ができたのだそうです。
手術をすれば声帯も切除され声が出なくなるので、何とか切らない方法は無いものか、と必死の想いでおられた時、同業者の複数の方から、「馬鹿にされたと思って行ってみませんか」と勧められたのが「お茶の水クリニック」だったそうです。
「食事療法」を知ったのは初めてでしたが、森下博士から血液を浄化しない限り、何回も切除しても又癌が出来る事、従って食事で血液を弱アルカリの方向へ浄化させるように、と懇切丁寧に説明を受け「成る程」と納得なさったのだそうです。
食事療法にはご家族の協力が大きな支えとなります。奥様は真心のこもった食事作りを貫き、親戚や周囲の批判の声の盾となってAさんを守ってこられたのです。
発病後の経過についてお二人が語って下さいました。
Aさん 入院(現代医学の病院)している時は、子供がまだ小さくて、日曜日に見舞いに来てくれるんだけど、疲れたと言って俺のベッドに潜り込んでそのまま寝ちゃうんですよ。それを見て「死ぬわけにはいかない、死ぬわけにはいかない」と思ってね。
奥さま 死なれちゃ困るでしょう。とにかく、昔は癌っていうと、死の宣告を受けたのと同じ。最初の時に「検査してみなければ判らないけど、喉頭癌は7~9割方亡くなる方がいる」と言われショックが大きかったですよ。病院で訊ねると「2年位もてばいいでしょうが」っていう口調でしょう。
3ヶ月経って退院する時には「必ず再発するという事がありますから、今度は声帯を取るようになります」と言われて。再発して再入院しなければならない、という時に森下先生の所にすがりついて(笑)
Aさん 入今年で33年になりますからね。クリニックが始まって間もない頃ですね。
奥さま 最初は「癌センターへ行けばいいのに」とか「何でそんな事やっているんだ」とか言われましたが、本人がやる氣になったんだから少し様子をみて、と。その内にあそこは玄米食だから、と協力してくれるようになりましたが、看板取るまでが大変でした。お正月に実家へ行くにも混ぜた薬草茶をはじめ全部持参しました。
そのせいか、私も子供達も病氣になった事が無いですよ。食事作りは全然抵抗無かったですね。よく「自然食って美味しくないでしょうよ?」って皆さんに言われて「家で食べてみて」と呼んで食べてもらいましたよ。子供達(当時小学3年生と5年生)は玄米のお弁当を持っていくんです。最初はお父さんのためだから、としぶしぶ持って行ったのに、友達が珍しがるので「今日は誰の番」とか言って弁当を取り替えたりするうちに、抵抗なく食べるようになりました。
Aさん 入森下先生に出会えて本当に私は運がいいというか、これだけは幸せだと思う。ウン。
━ご本人の努力以外の何物でもないと思いますよ。
奥さま そう。こればかりは、周りで騒いでも、食事を作ってあげても、本人が「食べない、やらない」って言えば、それまでですからね。
おかげさまで、食事療法を始めて2年目で調子が良くなってきたから、入院した時の同質の方たち8人に教えてあげようか、と片っ端から電話かけました。そうしたら一人だけ除いて、皆亡くなっていました。その一人も今はなくなってしまいました。もっと早く教えてあげれば良かったって。ショックで具合悪くなって、どうしようという感じでした。
Aさん 入入院している時、私は割合体調が良かったから、病院に頼まれて同質の患者さんを放射線室まで案内してあげたりしていたんですよ。
━食事療法は正しかったと実感されたのではないですか?
Aさん 入本当。俺が選んだ道は間違いなかった、と今思うわよ。
奥さま 今でも森下先生を拝んでいますよ(笑)。
Aさん 入癌が治っちゃったの。だけれど22年位経ってから、放射線の後遺症で火傷みたいに食道と器官が細くなったんです。喉に穴を開けて呼吸できるようになり、食道の細い所は、鼻から風船のような物を入れて膨らませて食べ物が通り易いようにしたんですが、 3年に1回やり直さなければならないんです。
━放射線の後遺症ですか?
奥さま そう、この間も病院で検査だけしてもらいましたが、私達どこも悪い所が無い。正常なんです。最初は放射線の後遺症と認めなかったのですが、他の病院で確認しました。それで手術した病院でもやっと後遺症と認めました。
Aさん 入放射線の後遺症ってひどいですね。癌は治ったのに、今放射線の後遺症だけで悩んでいるわけです。

がんと森下学説 no.11

やはりこの道で正解だった―抗癌剤治療を離れ、自然医食で回復―


 今回登場していただいたのは、卵巣癌の手術後、抗癌剤の治療を打ち切ったのを機に自然医食に専念されている、Aさん(53歳・神奈川県在住)です。手術直後のつらい時期を乗り越えて、院長も驚くほどの回復力をみせています。「食事療法は継続していくことが大切」とわかってはいてもついついおろそかになってしまう。そんな経験をしている方も少なくないのではないでしょうか。
 今は、きっちりと指示どおりの食事をされているAさんも、以前は玄米菜食を継続していくのがむずかしかった時期もあったと言います。しかし、約2年間、徹底した自然医食を実践されて、「自然医食はすぐに結果がでるものではない。継続することによってだんだんと体がよくなるのがわかるようになる」と、実感されているということです。そして、排毒がすすみ、体も楽になって、現在は生きる喜びと感謝に満たされた日々を送っています。
 「もっと元氣になったら、仕事をしていきたい」と意欲をみせるAさんの笑顔から、自然医食が回復へと導く力強さを感じました。

院長の所見

診療(6月17日)
■内臓機能検査
自律神経の働きは不安定。神経的に胃腸の働き、胃、小腸、大腸の働きは変化しやすい。消化管としては、十二指腸の働きが少し落ちている。神経的なストレスが十二指腸にまとまりやすい。大腸の一部に少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きなどがやや鈍い。腹部臓器、肝臓、腎臓、そして婦人科系統の働きが少し落ちている。
■一般血液検査
血液の数値、尿素窒素、腎臓の数値が少し高い。中性脂肪が少し多い。GOT、GPTもわずかに高く、肝臓に毒素がたまっているらしい。
院長 肝臓自体にも毒素がたまっていますが、さらに体のあちらこちらから血液中に溶けだした毒素が肝臓に送りこまれて、肝臓の仕事量が少し増えてきています。
 血液生態ですが、写真の上の方は、肺から出た毒素。左下は色がちょっと変わっていて、薬毒が出ています。化学薬剤です。
Aさん それは、卵巣癌の手術後の抗癌剤でしょうか? 癌になる前のことですが、腎盂炎を患って入院しているんですよ。そのときに点滴もしています。
院長 抗癌剤を入れたのは2年くらい前ですよね。腎盂炎はどれくらい前でしたか?
Aさん 7~8年前です。それから、以前、子宮内膜症の治療をしたときに、子宮の中に悪い血が溜まっていたので、手術をしています。そのときにやはり薬を使いました。
院長 そうですか。新しく投与された抗癌剤は、見るとわかります。これは、抗癌剤ではないようですね。
 毛髪氣能検査の結果についてですが、まず自律神経系、交感神経、副交感神経系がマイナスになっています。そのために消化管、胃袋を除いて、十二指腸、小腸、大腸がマイナスに出ています。消化管以外の臓器としては、腎臓がマイナスになっています。それから婦人科系統がマイナスに出ています。そして、これらの各臓器にしっかりと薬毒が蓄積しています。
 玄米、丸麦、はと麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、そばの穀類は全部合っています。
特にはと麦と小豆がよく合っていて、体の全組織に蓄積されている薬毒を血液中に溶毒するのに役立ちますから、積極的に摂るようにしてください。
Aさん 先生、まだマイナスが多いですよね。
院長 まだしばらくは、仕方がないですね。
Aさん そうですね、しばらくは(うなずく)。
 ところで、先生、静脈瘤はこの食事をしていたらよくなりますか?
院長 ええ。現状は、組織が弛緩しているのですが、食事療法によって、全身の緩んでいる組織がぎゅーっと締まってきます。下垂していた内臓がずりあがってくるとか、静脈が弛緩して広がっていたものが、少しずつ締まってくるとか、いろんな現象が起こります。
Aさん 手術してから、寝た姿勢では頭が上がらなかったのが、ようやく少しずつ上がるようになりました。頭が上がるようになった頃から、首や肩が軽くなってきました。
院長 肩の部分には化学薬剤がよくたまります。それが抜けてきたということです。
Aさん 首や肩が軽くなったのと同時に、足も軽くなってきました。
院長 腰から太ももにかけて蓄積していた毒素も抜けてきたんですよ。薬毒は、頭皮下組織からずっと、首、うなじ、肩の部分にかけてたまるんですよ。それがまだ完全ではないけれど、抜けつつあります。本当にありがたいですね。
Aさん そのせいか、びわ葉温灸を頭にすると、びわの葉が真っ黒になります。
 それから、最近、体温が上がってきました。以前は35度5分くらいだったんですよ。でも、今、平熱が36度から36度5分の間を行ったり来たりしています。体全体もすごく熱いんですよ。体温が上がったせいでしょうか。
院長 今、調べてみましょう(Aさんの右手をレーザー式体温計にかざす)。36度。あっ、やっぱり普通の人より体温がだいぶ高いですよ。
Aさん だから、近所の人と話をしていて、「今日は寒いわね」と言われても、私は全然寒くありません(笑い)。
院長 結局、薬毒が抜けたため、全身の血液の循環の状態もすごくよくなってきました。これは、面白い。うん、ここにきて体質がずいぶん変わってきましたね。もちろん、いい方向にね。毒素がただ抜けてきたというだけでなく、体全体がパワーアップしてきました。
Aさん 先生、このまましっかり続けていけば、大丈夫でしょうか。
院長 大丈夫。しっかり続けてください。

インタビュー

抗癌剤治療に限界を感じて
――今日の院長の診察では、排毒もすすんで、体がよい状態に向かっているというお話がありましたね。
Aさん おかげさまで。でもまだ本調子ではないんですよ。毎日犬の散歩をしていますが、日によっては歩けないなと感じるときもありますしね。
――卵巣癌だったということですが。
Aさん そうです。卵巣癌で右卵巣摘出手術をして、今年9月で丸2年になります。
 卵巣癌でもだいぶ悪い種類の癌だったようです。抗癌剤を1ヶ月に1回ずつ半年間、投与しましょうということだったんです。ところが、1回目の抗癌剤を入れた後に、副作用でいろいろ症状がでてしまって。
――副作用といいますと。
Aさん 最初は関節がおかしくなったり、視界に黒い糸のようなものが飛ぶような感じがありました。2~3週間すると、手がアカギレのようにひどく切れました。神経系統にも影響があったのか、主人が自分の目の前におかずのキムチを置くと、それだけで涙がぽろぽろ出てきました。他には、しびれがでたりと。このまま抗癌剤を続けたら、癌をどうにかする前に、他の体の機能がだめになるのではないかとこわくなりました。それで病院を切ったんですよ。
――抗癌剤治療で、病院での癌治療の限界を感じたということですか。
Aさん そうです。それでお茶の水クリニックにお世話になることにしました。
 当初、森下先生から、「あなたは1度死んでいる」とかなり厳しいことを言われました。「正常な人が乗るバスがあるとしたら、あなたはそれに乗れていない。バスから降ろされ、取り残されて、バスの後をやっとついて行く状態です。死んだ氣になって一所懸命やらないと、本当に命がないですよ」ということでした。そこまで言われて、はじめは泣いていました。
 だから、今、「大丈夫ですよ」と、先生から言われると、とても安心します。
――食事療法で治療をしようと思ったのは何か理由があるのですか。
Aさん 実は卵巣癌でクリニックにお世話になる以前にも、こちらに来ていたことがあるんです。はじめて来たのは、20代の頃です。クリニックに通っていたイトコから評判を聞いて興味を持ちました。当時はたいした病氣はなかったのですが、「健康のために玄米でも食べるとよいかな」という氣持ちで、何回か通いました。
 その後、40代半ばで急性の腎盂炎になりました。病院でなかなか腎臓がよくならなかったので、クリニックで本格的に食事療法をしました。そのままずっと続けていればよかったのですが、よくなってくると、クリニックに足が向かず、玄米もだんだん食べないようになってしまいました。不摂生な食事に戻ってしまい、その結果、こういう状態になったんだと思います。
 私はとにかく甘いものが半端でなく好きで、朝からケーキを2個食べることもありました。ごはんは食べなくても甘いものは食べていましたね。今から考えると、すごい食生活です。
――今回は覚悟を決められて、食事療法を徹底して続けられているのですね。
Aさん ええ、本当に先生の指示どおりにやっています。間食もたまにナッツをほんの少し食べるくらいです。幸い、玄米雑穀ごはんは大好きなので、今は玄米と味噌汁、ごましお、たくあん、それとめざしがあれば満足です。ただ、もう少し量を食べたいというのはありますね。
 考えてみると、やっぱり自分の行き着く先はここだったのかなと思います。これからはずっと玄米菜食をしていくつもりです。
――現在まで順調に回復されましたか。
Aさん すぐに元氣になったというわけではありません。最初の1年間はとてもきつかったです。思うように体が動かなくて。まず、元氣な頃のようにさっさと歩けません。犬の散歩でちょっとした坂道に出くわすと、きついなあ、いやだなと思うようになってしまいました。それから、お風呂の湯船を洗うのもままならず、また布団を干すのに布団を持って2階に上がることができませんでした。自分で食事をするのにもすごく時間がかかりました。
 もともと、動きまわっていた人間なのに、動けないということは、すごいストレスです。一時期、飼い犬や主人に、そのストレスをぶつけて当たることもありました。時にはお皿を床に投げつけたい衝動に駆られたこともあります。そんなとき、友達に電話で話を聞いてもらいました。友達は、「100円ショップでお皿を買って投げつけなよ」と言ってくれたりしました。
 それと、食事の量を減らしたものですから、最初のころ、食べたい、食べたいというのがありました。体重も17~18キロ落ちましたから。
 最初の1年間はこんなふうで、体のいろいろな不調と、もっと食べたいという欲求と、精神状態とがすべてかみあわなくて、きつかったです。
――いつくらいから今の状態まで回復されましたか。
Aさん 本当に落ち着いてきたのが、最近、5ヶ月くらい前からです。それまでは、すごく不安がありました。例えばどこかが痛くなると、肺や食道に転移したのではないかと考えたりしました。調子が悪くて痛いのか、好転反応なのか、本人には判断できないですよね。
 でも、今は血液に毒素もたくさん出ています。先生も「大丈夫」と言ってくださるので、ちょっと安心です。今までは、なかなかそういう言葉がなかったんですよ。
――継続してきた成果がでているんですね。
Aさん 私、自然医食って、すぐに結果がでないと思うんですよ。びわ葉温灸なども、毎日続けてやっていると体の調子がいいなというのがだんだんわかってくる。だから、持続していくのは、自分との戦いじゃないですか。それが大変なこともあります。でも、こっちの方向を選んだのは、悔いはないですよ。病院はやめてよかったです。
 主人からは、「できたら、病院で手当てをしてほしかった」と言われました。でも、「例えば、ここで再発して命がなくなってもそれは自分の選んだ道だから」と主人に話しました。主人も最終的に「おかあさんの人生で、おかあさんが決めたことなのだから」と納得してくれました。
食べられること、動けることに感謝
――回復してきて、生活や精神面で何か変化したことはありますか。
Aさん 健康が一番ですね。今回、こういう病氣をしてみて、口から食べられて、動けるということはすごくありがたいことだと痛感しました。お金なんかなくてもいいと思いました。
――健康なときには、なかなか実感できないことですね。
Aさん 本当にね。好きなものを食べて、好きなことをしていたときには、こんなことを思ったことがありませんでした。
 今回、いろいろなことを体験しましたが、周囲の人、みなに助けてもらったということは大きかったです。やはり感謝ということをすごく感じました。
 友人にカトリック信者の人がいて、神父さんを呼んでくれてお話を聞かせてくれたりもしました。私は無宗教だけど、そういうのもありがたかった。それから、主人の姉が来ていろいろ手伝ってくれました。でも、何といっても一番協力してくれたのは、主人です。ここまで元氣になれたのは、主人の助けがあったからだと思います。自分ひとりではこんなに戦えないですね。
 だから、夜寝る前には、「今日も一日無事に過ごせた」という感謝の氣持ちがでてくるようになりました。人に対しての感謝もそうだけど、物事に関して感謝ができるようになりました。病氣をしたことによって、ものの考え方が変わりましたね。
 主人にも「おかあさん、病氣をしてよかったんだよ」と言われます。「このままいけば、体もきれいになって、今までより元氣になれるよ」と言ってくれます。
――感謝の氣持ちが、さらなる回復にもつながっていくのかもしれないですね。もっとお元氣になられたら、何かなさろうと思っていることはありますか。
Aさん 元氣になったら、仕事をしたいですね。癌で手術する前は介護の仕事をしていたんですよ。介護の仕事に限らず、何かできることがあればしたいという氣力がでてきました。ただ、今は体調に波があるので、仕事ができるのはもう少し先です。
 ですが、本調子でないとはいえ、以前と全く違います。精神的にもずいぶん落ち着きがでました。先生も毒素が抜けてきたとおっしゃっているように、自分でもだいぶ体が楽になっていると感じます。これからも、いろいろなことに感謝しながら、一日一日を大切にする生活をしていきたいです。

がんと森下学説 no12

昔は病人が少なかった―化学薬剤が病氣を造ってきた―


院長の所見
 近年、医薬品の規制緩和に伴って、薬局以外でのスーパーなどの量販店でも医薬品が販売されるようになり、さらには、薬事法改正ならびに後発医薬品の台頭が、化学薬剤の侵出に拍車を掛けるようになった。
 今回お伺いしたAさん(80歳・茨城県在住)は53歳の頃、扁桃腺が弱く、アレルギー体質のため喘息及び皮膚病に悩まされ、その上、甲状腺腫にも罹られました。病院から手術を薦められましたが、当クリニックでの指示通りの玄米菜食・強化食品で全ての疾患を完治。
 Aさんは薬剤師の資格をお持ちで、約40年間、薬局で医薬品販売業をされ、患者さんには主に漢方薬を薦めてこられました。最近では、病院で処方される化学薬剤は副作用が強いため、漢方薬に切り替える患者さんが増えてきているのだそうです。
 「昔は病人も少なく、癌なんて病氣もほとんどなかった―。薬も昔のほうが良かったです。今は、副作用が強くてわけの分からない薬が増えてきていますよ」とのお話から、化学薬剤こそが造病に関与していると思わざるを得ませんでした。
 薬剤師の立場であるAさんでも、体験を通じて、「森下先生の治療法が一番良い」と思われていらっしゃいます。

診療(2008年11月21日)
■ 内臓機能検査
血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きも変化しやすい。胃の働きが少し落ちている。大腸の一部に少し負担がかかっている。腹部臓器、肝臓、腎臓の働きも多少低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、即ち腎臓の数値はまだ高いですが、以前と較べると下がってきました。これは非常にいい現象ですね。中性脂肪も下がってきましたが、これからもっと下がっていかなければいけません。
 それからGOT、GPTなど肝臓の数値が上がってきています。ひとつには血液中に溶け出した毒素が非常に多くなってきて、そのためにたくさんの毒素が肝臓に送り込まれることになり、肝臓の仕事量が増えてきたために数値が高くなってきた―とお考えになられてよろしいですね。
■ 毛髪氣能検査、血液生態
毛髪氣能検査では、自律神経が不安定であるので消化管はマイナスになるはずなのですが、胃に関してはプラス2になってきています。しかし、十二指腸、小腸、大腸はマイナス1なので、神経的に狂いやすいと言えます。消化管以外では、心臓と腎臓がマイナスなので血管系が弱い状態です。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に鳩麦、稗、小豆、蕎麦がとくにご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態写真には、肺からの炭素系公害物質が出てきています。それと、腸からのボンパ血管も溶毒してきています。
Aさん そうですか。黒い斑点のうしろにあるものは何ですか。
院長 肺の組織です。
Aさん あと、貧血でヘモグロビンが健康の人の半分と言われたんですけど、何が原因なんでしょうか。
院長 このようなことは、一時的にありますよ。最近、病院で何か検査を受けられましたか。
Aさん 病院で貧血氣味と言われたものですから、血液検査を受けたのです。
院長 でも現在、赤血球数は424万で、半年前と較べると100万くらい増えてきていますよ。
Aさん 先生、ヘモグロビンのほうはどうですか。
院長 ヘモグロビンそのものよりも、ヘマトクリックの数値が上がってきていますから大丈夫ですよ。以前は低かったのですが、現在は正常値にまでなっていますから、ヘモグロビンのほうも心配は要りません。
Aさん 病院のほうでは、もっと詳しく調べる必要があると言ってくるんですが。
院長 いいえ、その必要はありませんね。
Aさん 腎臓が悪いことが原因かもしれないとも言われました。
院長 それは考えられますよ。腎機能が落ちているとき、腎臓は貧血誘発性のホルモン様物質を分泌するので、それが腸の造血機能に対してマイナスの影響を与えるわけです。従って、腎因性による貧血を招くこともあります。
Aさん 今、「春寿仙」と「ハイクロa」を飲んでいるんですけど、「田七人参」も一緒に飲んでもよろしいでしょうか。
院長 ええ、もちろん結構ですよ。お互いの製品どうしが拮抗したり、それらの効果が削減される―ということはありません。
Aさん 「ハイクロa」は貧血にもいいんですよね。
院長 ええ、とてもいいです。
Aさん 血圧のことですけど、どのくらいの数値から高血圧と言うのでしょうか。
院長 血圧は、上が180ぐらいになれば少し高めかなぁ―という感じですかね。僕らが学生時代の頃は、200以上が高血圧でしたよ。それが現在、基準をどんどん下げてきているのは、降圧剤をなるべく多くの人に飲ませるための策略みたいなものですから。従って、Aさんの140は、完全な正常値です。
Aさん 下はどのくらいがいいのでしょうか。
院長 下のほうは80ぐらいあればよろしいでしょう。運動量を増やせば正常になります。ひとつお試しになってください。
Aさん 分かりました。どうもありがとうございました。

インタビュー

手術しないで完治
――こちらに長い期間にわたって通われていますが、最初はどのような病氣だったのですか。
Aさん 昔はアレルギー体質で甲状腺と扁桃腺が弱く、喘息、皮膚病、神経痛、リウマチなどいろいろな病氣になっていました。喘息は本当に呼吸ができないくらいひどく、眠れない日々でした。
 それが、こちらの指示通りの強化食品と玄米菜食をやっていくと、いずれの症状もだんだん良くなっていったんです。おかげさまで甲状腺腫も手術をしないで完治し、本当に良かったと思っています。おまけにお通じまで良くなりました。
 リウマチは、たまに今でも少し痛くなるときはあるんですけど、強化食品のおかげでこの程度でおさまっているんではないでしょうかねぇ。もし、何も飲んでいなかったら、歩けないぐらい痛くなると思いますよ。私は毎日、ウォーキングを運動にしています。
――本日は、また自覚症状が出てきてこちらにいらっしゃったのですか。
Aさん 今日は、年に1回の定期健診という意味でこちらに伺いました。病院で貧血と言われたのも、少し氣になっていましたので。病院では鉄剤を出されましたけど、そういうものは一時的に数値を良くしますが、それを止めるとまた元に戻ってしまいますよね。
――そうですね。数合わせはできますが、本当に貧血が改善されたとは言えないですね。
Aさん ですから、鉄剤を飲むのではなく、「ハイクロa」や「田七人参」などの強化食品を飲むようにします。
 貧血なのは、もしかしたら腸が悪いのか、腎臓が悪いかのどちらかかもしれませんね。
――食物を摂られても、腸管で造血のカラクリが上手くいってなければ貧血に繋がることは考えられますよね。腎臓に関しては、森下院長が言われますように、人間にとって最も弱い臓器のため、やむを得ない面もあります。
Aさん しかし、森下先生はよく研究されていますよね。一般の人にも非常に分かりやすく時間をかけて説明してくださるので。普通の病院はあっという間の診察ですよ。あと、長寿郷の調査もされていますよね。本当に研究者ですよ。
漢方薬が少しでも役に立てば
――Aさんは薬剤師というお仕事をされていますが、調剤薬局を経営されているのでしょうか。
Aさん いいえ、処方箋は扱っておりません。漢方薬を主に販売しております。
 アレルギーの皮膚病なども、病院で出される化学薬剤ではなく、漢方薬ですごく良くなっていますよ。例えば、皮膚の難病の患者さんで、病院に行っても治らなかったので、うちの薬局が出している漢方薬を辛抱強く飲んでもらったら、火山のようなでこぼこだった肌がつるつるに変わってしまいました。
 漢方薬で治ったというのを聞くと、薬剤師になって良かったなぁと思います。
――基本は食事ですが、その上で漢方薬を使われることはプラスになりますよね。漢方薬は天然物ですからね。 その漢方薬というのは、既製品ですか。
Aさん いいえ、煎じ薬です。
 今は、主人と二人でやっています。
――80歳になられても現役でお仕事をされているのは、玄米菜食の効果ですかね(笑)。
Aさん そうですね。食事は基本的には玄米菜食で、よく咀嚼し、それに強化食品や薬草茶をしっかり摂っているので、病氣になってもひどくなったりすることはないですね。あと、漢方薬を飲むときはありますが、化学薬剤は治らないから飲みません。
 主人は玄米を食べないですが、肉も滅多に食べませんね。ものすごく健康ですよ。
――現在80歳以上のお方は、幼少の頃の食生活が良かったので、体質的にしっかりしていらっしゃるという面はありますよね。
Aさん 私も肉は食べたいと思いませんね。臭いをかいだだけでも胸やけがします。その代わり、魚は食べます。ちりめんじゃこから秋刀魚や鯖などの青魚まで。50歳までは肉類をたまには食べていましたが、玄米菜食をしてから全く受け付けなくなったということは、体質がいい方向に変わったんでしょうね。
 それから、やっぱり化学薬剤は副作用が強くて、受け付けないという患者さんが多いですよ。ステロイドのような薬で死にそうになった人も知っています。そして、ステロイドのような強い薬に慣れてしまうと、漢方薬が効きづらくなりますね。
 本当に、皆さんには漢方薬が少しでも役に立ってくれればと思っています。
昔は薬も病人も少なかった
――現在は、「ジェネリック」という言葉が流行っていますが、後発医薬品がどんどん市場に出回ってきていることに関して、どう思われますか。
Aさん 化学薬剤はどんなものでも副作用が必ずありますから、世の中に広まっていくということは良くない傾向ですね。国が医薬品の規制緩和を実施してから、スーパーやコンビニエンスストアにまで医薬品が置かれるような状況にまでなってきました。結局、製薬会社が儲けようとしているんでしょうね。でも、薬店でないところにまで医薬品を置こうとするなんて、危険な発想になってきていますよ。
 医薬品のドリンク剤1本でも、風邪薬と一緒に飲んだことによって亡くなった方もいるくらいですから。それだけ化学薬剤というものは、どんなものでも危険であるということを認識して欲しいのです。
――おっしゃる通りですね。
 化学薬剤を好まない理由で調剤薬局を経営されなかったわけですね。
Aさん ええ、それに、私が大学を卒業した頃は、医者はほとんど処方箋なんていうものを出しませんでしたから。当時は少し薬局があった程度で、あったとしてもほとんどの患者さんは出入りをしませんでしたよ。調剤薬局なんていうものは、最近の話ですね。
――医療が細分化して、化学薬剤の種類も多種多様になり、そのため医薬分業が盛んになってきたということですか。
Aさん そうですね。今までに、いろいろ新薬が開発されてきていますけど、効き目は大して変わってないんじゃないのかなぁと思いますよ(笑)。だって病人が減っていないですから。ただ会社の儲けを考えているだけで、病人の身体のことは考えてはいないですよね。
――リニューアルと謳っていますが、儲ける手段なんでしょうね。
Aさん 昔の薬のほうが良かったような氣がします。そういう薬は姿を消して、わけの分からないものばかり出てきていますよね。例えば、昔からある薬でアスピリンぐらいなら、まだましなほうですよ。
 私は昔から自営業で、漢方薬などを中心に販売だけでやってきました。化学薬剤は良くないので、調剤薬局が増加するようなご時世になっても、自分の考えで販売業のみでここまできました。いくら私が薬剤師の立場でも、自分が好まない化学薬剤を患者さんに薦めるわけにはいきませんからね。
――素晴らしい信念ですね。化学薬剤の種類が増加するのに比例して、病氣の種類も病人の数も増加傾向にあるということは、化学薬剤が病氣を造ってきたということになるわけですから。
Aさん そう言われても仕方がないですよね。薬を飲めば癌になるなんて、今から考えると当たり前のことですよ。昔は病人も少なかったし、癌にかかる人もほとんどいなかったですね。今の時代は、風邪をひけばすぐ病院に行くので、5~6種類の化学薬剤を飲むはめになるわけですから。
 皮膚病でも、ステロイドを使ったら一時的に症状は抑えられますけど、それを止めたらまたひどい皮膚の症状に戻ってしまいます。そしてだんだんひどくなり、最終的には元の状態より悪化することになるのです。飲み薬でも塗り薬でも同じです。
 とにかく化学薬剤は副作用が強いので避けたほうが良いですね。病氣治しには、食事を正して、健康食品や漢方薬を利用することですよ。
――アレルギーの疾患が増えている現代、Aさんのお話はとても参考になりました。本日は、貴重なお話をどうもありがとうございました。'

がんと森下学説 no13

2度の癌を切らずに治療―いかに長く普通の生活を送るかが大切―


院長の所見
 日常生活の停止――癌にかかった人は皆、多かれ少なかれこのことに直面します。それは、病理上の問題よりもある意味深刻かもしれません。もし、健康な人と同じ生活が送れるとしたら、癌という病氣のイメージは大きく変わるのではないでしょうか。
 今回お話をお伺いしたAさん(東京都在住・54歳)は、癌を抱えつつも、それ以前と全くと言っていいほど、変わらない生活を送っています。
 Aさんは、14年前にも腎癌と診断され、腎臓の摘出手術を勧められました。
しかし、手術をせずに、日常生活を送りながら、食事療法で治していこうと、森下自然医学の療法を選択。 5年間きっちりと自然医食を実践して、癌をいったんは克服されたのでした。が、仕事のストレスや食生活の緩みの中で、再び腎癌に。再度、お茶の水クリニックに来院し、昨年から食事療法を続けられています。朝は6時半に起き、午前2時に寝るというハードなスケジュールを送る中にあってさえ、めざましい回復ぶりを示すAさんのご様子は、いかに普通の生活を送りながら癌を克服するかを願う、患者さんたちの福音となるに違いありません。

診察(10月14日)
■内臓機能曲線
自律神経の働きは不安定。神経的に胃、小腸、大腸の働きは変化しやすい。消化管、胃の働きは落ちている。大腸の一部にやや負担がかかっている。血液の循環状態が少し鈍い。腹部臓器としては、肝臓、腎臓の働きが少々低迷している。 ■一般血液検査
血液の数値では、尿素窒素、腎臓の数値が少し高い。
院長 数値が高いとは言っても、前に比べると下がりましたね。尿素窒素は、11.1から6.9まで一挙に下がっています。これは非常によろしい。あとは、GOT、GPTなどの肝臓の数値。これも前回に比べると下がってきています。GOTは20から10に、GPTは14から11になりました。肝臓から毒素が、ある程度抜けたなあーということを窺わせる状態です。
 血液生態ですが、前回は血液中に脈管系統のボンパ血管などがばんばん出ていたんですね。今回はそれとは別の種類の毒素が出てきています。こちらは、かなり大型の円盤状毒素体です。
Aさん それってチーズとは関係ありますか。
院長 円盤状毒素について説明しましょう。
通常の毒素体はグランドに生えた雑草のように、どちらかというと地べたにへばりついた状態で、菌が繁殖しているのです。それに対して、この写真の円盤状毒素体は、その時期を過ぎ、細菌が酵母菌に変異して杉林のように突っ立っている状態です。上から見たのではよくわかりませんが、横から見ると肉厚になっています。これは、酵母菌ですから、チーズなどとの関係もあるのでしょうね。
Aさん 9月に社員旅行でスイスに行った時に、チーズを食べているんです。
院長 チーズを食べたことと、この円盤状毒素の出現は関係しているでしょう。ただ、こういうものが出てくるということが、悪いというわけではありません。ずっと体の内臓に蓄積されたままの状態で、うろうろし続ける―ということの方が遥かに問題なのです。このように溶毒して血液中に出現したのですから、あんまり氣になさらなくともよろしいと思います。
 毛髪氣能検査では、消化管がほとんどマイナス。消化管以外では、腎臓がマイナスです。それから、玄米、丸麦、はと麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、そば等、穀類は全部合っています。玄米以外に粟と小豆の相性が特によろしいですよ。
Aさん あの、先生、実は先日、血尿が出たんですよ。 9月の社員旅行に行く前に少し忙しかったせいかもしれません。寝る前の、午前2時半くらいに排尿したら、真っ赤な血が出ました。この1年くらい異状はなかったのですが。でも、血尿は1回きりで、その後は全然なんともないんです。
院長 その後は出ていないんですね。
Aさん はい。
院長 ストレスからきていることもあり得ますが、治っていく過程での現象とも考えられます。
 例えば尿管、腎臓、膀胱などに何か病変が起こるとき、癌の細胞をはじめとしてその他の腫瘍細胞もそうですが、赤血球という細胞が中心となって腫瘍細胞に変わるわけなんです治る時は、その腫瘍細胞が赤血球やその他の血の細胞に逆戻りしながら、きれいに治っていきます。だから、腎臓か、膀胱か、尿管かわかりませんが、そのどこかの病変が血に戻って治っていく―という現象だった可能性もあります。
Aさん 痛みも何もないので、変だなと思っていたんですよ。
院長 身体状況が変化してきているので、強化食品の処方を一部変えました。続けてお試しになってください。
Aさん ありがとうございました。

インタビュー

一度は癌を克服 しかし、再び…
――以前、クリニックに5年間通院されて、腎臓癌を克服されたということですね。
Aさん ええ、14年前のことですが、腎臓に癌が見つかりまして。病院ではすぐに腎臓の摘出手術を受けるようにと言われました。
 たまたま、会社の同僚が本で森下先生のことを知っていたので、教えてもらい、すぐに先生のところに来て、びっちり食事療法をしました。5年間、その生活を続けて、癌を治したんです。でも、完全に治ったということで、氣が緩み、肉だけは食べなかったものの、普通食の生活に戻ってしまったんです。普通食に戻って8年間は、別段、際立って悪いところもなく過ごしていました。
――昨年からまた来院されるようになったということですが。
Aさん 昨年の9月頃、尿の出が悪くなって、痛みがあったり、膿が出たりということがあったんですね。病院で通常の検査をしたら、特に異常はないという結果でした。でも、病院の先生にその年の1月に血尿が出たということを話したら、MRIの検査を勧められて検査しました。そしたら、お医者さんがあせってしまうくらい大きな腫瘍が腎臓に見つかったんですよ。腎臓のすぐ近くに腹膜から戻ってくる大きな血管があるのですが、その血管にまで腫瘍が広がっていたということです。
 お医者さんは、血管の膜から、脳や肺に転移している可能性が高いとみていたようですが、幸い転移はありませんでした。治るかどうかわからないけど、とにかくすぐに癌の摘出手術をするように、ということだったんです。でも、私はお茶の水クリニックを知っていたので、また森下先生のところで治そうと決めて、ここに戻ってきたんです。
――腎癌の再発ということですが、1度目と同様に2度目も手術せずに治そうとされているということですね。
Aさん 癌が見つかって1年くらいたちますが、今こうやって仕事ができているのは、森下先生のおかげです。あのまま病院で言われた通りに切っていたら、どうなっていたかわからないですね。
 癌が見つかった頃は、毛髪氣能検査で内臓の数値がマイナス5か6だったのが、最近ではマイナス2くらいまで戻りました。リンパの数字も0か1くらいになったので、治療の効果がでてきているのかなあと思います。
 体重も20キロ近く落ちました。この療法をまじめにやっていると、自然と体重が落ちるんですよ。ただ、今、仕事が忙しくて先生が言うような運動ができないんですけど。睡眠時間も相変わらず4~5時間というのが続いている状態です。でも、逆にそういう生活を送っていても、仕事もし、普通に生活していられるということはいいことなのかもしれませんね。
――睡眠時間が4~5時間とは大変ですね。
Aさん 会社役員をしているのですが、会社が2つありまして、午前中は都内にある会社に出勤、午後はそこから50キロほど離れた場所にあるもうひとつの会社の方に行きます。帰宅するのは、午前1時か2時くらいです。朝は6時半に起きています。
 森下療法のいいところは、眠くならないことですね。あまり睡眠時間を取る必要がないんです。消化する時間がいらないというか。仕事をするには、いい療法です。
――健康な人でも大変な生活だと思いますが、お元氣で過ごされているのですね。
Aさん ええ、癌がみつかってから、カゼもひかず、休日以外は1日も休んでいません。
再発した原因は
――腎癌が再発したことに、何か心当たりはありますか。
Aさん 再発する前から、なんとなく体調の悪さを感じていました。普通食に戻して、8年間の間に、だんだん太ってきていました。スーツのウエストもどんどん太くなっていて。仕事上での飲み食いもあったり、自分でおいしいお店を探して食べに行くようなこともしていましたね。
 一方で調子がよくないことを自覚していたので、いつか玄米雑穀の食事に戻したいな、と思っていました。でも、忙しく仕事をしていると、なかなか食生活を戻すということがむずかしくて。昨年の9月に癌が見つかったことで、玄米雑穀の生活に戻れて、ほっとしているところです。
――5年間きっちり食事療法をされていたのに、その後普通食に戻ってしまったきっかけというのはありますか。
Aさん いや、戻すのは簡単ですよ。癌が治ったことで、安心してしまって、ずるずるとね。
 8年間の最後くらいには、魚介類が好きなので、寿司屋によく通い、けっこうな量を食べていましたね。
 27歳の時に腎臓結石を患ったりと、腎臓はもともと弱いんですよ。腎臓のフィルターに負担がかかるから、魚介類などもあまりよくなかったのでしょう。
 再発したのは、食事と仕事のストレス、そして運動しないのが体にたまっていってしまったんでしょうね。自分流の考え方ですけれど。
――仕事のストレスとおっしゃいましたが、腎臓はストレスの影響を強く受ける臓器ですよね。やはりお仕事の忙しさがストレスになっていると感じていらっしゃいますか。
Aさん 会社は、お客さんから注文を受けてからものをつくって納めるという受注生産の方式をとっているんで、波があります。常務という立場にあるので、現状維持ではなく、やはり攻撃的に会社を発展させていかなくてはと考えています。従業員も全部合わせると100人くらいいるのですが、そういう人たちの生活も守らなくてはいけない。そういうストレスはありますね。長くそういうストレスの中にいると、病氣になるかもしれないです。
 ただ、ストレスというのも、やりがいと表裏一体である部分もあります。業績が上がったそのご褒美として、うちの会社では年に1回、社員の人たちを連れて海外旅行に行くんです。社員の人たちは、それを楽しみにしています。実際、定年退職のスピーチでもそれを感慨深い思い出として話す人もいますから。また来年も連れていきたいと、それを張り合いにがんばったりするわけです。
 私は従業員から役員になっている人間なので、働く仲間により多くの利益を与えたいと考えています。だから、なんとか業績を伸ばして、従業員の生活の基盤を支えていきたいという思いでやっています。ストレスは半端じゃないですけれど。
――業績を伸ばして従業員の人にも利益を与えたいという思いが、癌にも負けないことにつながっているのかもしれないですね。
 ところで、ストレスの部分を緩和させるようなことは何かされていますか。例えば瞑想であるとか。
Aさん 瞑想はないですが、歌舞伎を観に行ったり、美術館で絵を見たりというのはあります。そういうのが好きなもので。
 ストレスといえば、9月の社員旅行の前にすごく忙しかったのですが、血尿が出ました。ストレスのせいかと思っていましたが、1回だけで痛みやその他の自覚症状もないので、改善反応の可能性があると、今日、先生に言われて安心しました。癌が血液に戻って出て行く現象であるかもしれないからあまり心配しなくていいと。クリニックでの検査の数値もどんどんよくなってきていますしね。
 ただ、普通のお医者さんに話してもなかなか理解されませんね。「前にあった腫瘍がどんどん大きくなっているんですよ」と言われてしまうでしょうね。森下先生のように、理論的に詰めてこういう療法をやっている人は他にいませんからね。
 自分としては、手術をしたりして腫瘍をなくすことが目的ではなくて、普通に生活できることが目的なんですよ。こういう療法をやって、節制すれば普通の生活が送れるということは私にとっていいことだと思います。
――その後、病院での検査などは受けていらっしゃいますか。
Aさん いいえ、病院での検査は受けていません。まあ、血液検査などに関しては、普通の病院の検査よりも、クリニックの検査の数値の方がかなり厳しいですからね。
――今回の癌が見つかったとき、尿の出がよくないという自覚症状があったということですが、そういった自覚症状はいかがですか。
Aさん 今は全くないですね。この療法をまたはじめてから、体調が急激によくなりました。カゼも一切ひきませんし、頭痛もなくなりました。この癌がみつかる前は頭痛がひどくて、頭のCTスキャンをとったりもしました。異常はなかったのですが、今思うと何かの警報だったのかもしれません。
いかに長く普通に生活するか
――当面の目標は、癌を克服されることですか。
Aさん そうですね。この前は5年間やりましたから、今回は3年間はきっちりやらないと。
――一生きっちりやっていく心づもりなのかと思いましたが。
Aさん いやいや、よくなったら、1週間に1回、いや1ヶ月に1回でいいから、おいしいものを食べに行きたいと思っていますよ。森下先生には言っていませんが(笑)。
 それはさておき、食事を忠実に守っていくこと自体が目的でなくて、普通の生活をいかに長く送れるかが、大事だと思っています。私の祖母は94歳まで生きたのですが、亡くなる直前まで、寝たきりにもならずに、普通の生活を送っていました。祖母のような生き方が理想であり、目標です。

がんと森下学説 no.14

薬から解放されたこの上ない喜び
―薬害の恐ろしさを真摯に受け止めて―


 そしてついに平成12年、悪性の胃癌を発症。本屋で見つけられた『クスリをいっさい使わないで病気を治す本』(森下敬一著)の書籍で、“よし、これしかない!”と考えられ、極限状態の身体で奥様とご一緒に当クリニックにいらっしゃいました。依存性の強い精神安定剤を断ち切れないでいましたが、森下院長の「そんな薬を飲んでいると死を招くよ」という言葉を真摯に受け止め、全ての化学薬剤を廃棄されたそうです。 今回お伺いしたAさん(男性・70歳・東京都在住)は、定年まで学校に勤務をされていましたが、精神的ストレスが過剰にかかって不眠症に陥りました。平成8年、病院でうつ病と診断され、病院側の言われるままに6種類の化学薬剤を4年半に亘って服用され続けましたが、一向に改善されず、むしろ便秘や吐き氣などの副作用で悪化の傾向を辿っているような状態でした。
 食事療法を実践するに伴って内臓にパワーがつき、排毒現象すなわち倦怠感などの自覚症状に悩まされましたが、半年後にはすっかり回復されました。元氣にさせていただいたことに感謝され、今度は困っている方を助けるボランティア活動に専念されていらっしゃいます。

院長の所見

診療(2008年12月17日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きも変化しやすい。消化管としては、小腸の働きが少し落ちており、大腸の一部に少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。腹部臓器、肝臓、腎臓、膀胱の働きも少し落ちている。
■ 血液の数値
尿素窒素、即ち腎臓の数値はまだ少し高いですが、以前と較べると下がってきました。それからGOT、GPTなど肝臓の数値は少し上がってきており、寒さの影響を受けていると言えます。しかし腎臓のほうは、寒さのストレスを受けていませんね。
■ 毛髪氣能検査、血液生態
毛髪氣能検査では、自律神経がマイナスであります。従って、消化管は全てマイナスになるはずなのですが、十二指腸に関してはプラス1になってきています。他の消化管はまだマイナスです。消化管以外では、腎臓がマイナス1です。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に小豆がとくにご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態写真には、肺と腸からの毒素が出てきています。腸の毒素の一部はボンパ血管です。
 ところで、枇杷葉温灸で葉が黒くなるのは、どこの部分に温灸をされた場合ですか。
Aさん 恥骨の部分です。
院長 腹部など他の部分にされても黒くはなりませんか。
Aさん なりません。
 枇杷葉温灸をしていると、足の裏が温かくなってきて楽しいです。恥骨の部分に温灸をして、足の裏までが温かくなるなんて今まで知りませんでした。
院長 それは間違いなく経絡の関係ですよ。
Aさん あと氣持ちのいい場所は、命門という経穴で、ちょうどおへその辺りにお灸をすると身体全体が温まるんですよ。1日の疲れがとれる感じで、とても楽しいですよ。足の裏にも温灸をします。
 話しは変わるんですが、考え方として、お魚は食べたほうがよろしいのですか。私は、量は多くはないんですけど青魚である鯵や秋刀魚や鰯などを食べるんですが。あと鯖などもおいしくて食べてしまいます。
院長 冬は少し召し上がられたほうがよろしいです。秋刀魚や鰯などの脂肪分の比較的多い青魚を焼き魚にするのが良いですね。一番良いのは七輪炭火ですよ。網の上に塩で固めた魚を載せて焼くのです。普段から菜食的傾向の人は、とくに寒くなる時期には少し摂られたほうが良いでしょう。
Aさん 分かりました。
院長 青魚の脂が非常に良いのです。鯖の切り身の場合、腹の部分に脂がたくさん含まれていますから、そこの部分を摂られるのが一番良いですね。
Aさん あと、コーヒーは3日に1杯ぐらいなら良いですか。
院長 せいぜいそのくらいでしょう。むしろ冬はココアのほうが良いのではないですか。メープルシロップなどで甘味をつけて。私も冬は飲むときがありますけど、身体が温まりますね。
Aさん そうですか。
 それからバナナはやはり駄目ですか。温かい国でできるものだから身体を冷やしますよね。
院長 そうですね。でも、沖縄の島バナナは大丈夫です。10 cmぐらいの大きさで、台湾バナナの半分ぐらいですよ。あれだったら国内のものだし、よろしいんじゃないですか。
 とにかく身体が冷える場合は控えたほうがいいです。
Aさん 身体は冷えないです。
院長 それなら大丈夫です。
 あと、普段は忙しそうですけど何をされているのですか。
Aさん 町会の用事が多いのです。あとボランティア活動です。目が見えない人や足が不自由な人を銭湯に連れて行って、待っている間にその人の買い物をして差し上げるのです。
院長 素晴らしいですね。
Aさん あと、電車が通る下に人が歩くだけの小さいトンネルがあるんですけど、そこがポイ捨ての場所になっているんです。それで、そこのゴミ拾いを4日に1回は1時間くらいかけてやっています。もう始めてから5年半ぐらい経ちます。
 森下先生のおかげで元氣になれたから、今度は人のためになることを何かやろうと思いまして。もうボランティア活動は500回になりました。
 おかげ様で本当に元氣になりました。ありがとうございます。

インタビュー

いろいろな病氣の連続
――当初は胃の悪性腫瘍ということでいらっしゃったそうですけど、すっかりお元氣になられましたよね。
Aさん そうですね。仕事は学校の事務をやっておりまして、もともとの私の性格もありましたけど、とにかく精神的ストレスを非常に受け、うつ病にもなりました。そのほかに、痔や前立腺肥大にもなりました。
 こちらの玄米菜食のおかげでストレスをあまり感じないような身体になりましたね。
――学校でお仕事されていたのならば、昼はやはり給食を召し上がられていたのですよね。
Aさん はい。栄養士が考えた献立を毎日食べていましたね。フライドチキンとか肉ばかりでしたよ。そのうち境界型の糖尿病になりまして、家から弁当を持っていくことにしました。でも当時はこちらの食事療法を知らなかったので、ただ脂っこい肉を食べないようにしていただけで、米は白米を食べていましたね。大魚も普通に食べていました。
――当クリニックをお知りになられる前は、普通に病院で処方される化学薬剤は服用されていましたか。
Aさん うつ病のときに、薬を4年半ぐらいは飲みました。その当時は、薬による便秘がひどくて大変でした。そうすると看護師が、今度は下剤を出してくるんですよ。
――本当に付け焼刃的な対応ですね。それでは、かなり身体に色々な化学薬剤が入っているのですね。それらの薬剤が胃癌をもたらしたのでしょうね。
Aさん そうですか。確かに以前の血液生態写真を見ると、化学薬剤の毒素がいっぱい出てきていましたね。
――排毒できたということは、玄米菜食をされて内臓にパワーがついてきたんでしょうね。
薬から解放された喜び
――当クリニックは化学薬剤を一切使用しませんし、また診療体制も独特な感じですが。
Aさん 普通の病院と違って個室ではないので、森下先生の色々な話が聞けて勉強になりますよ。先ほども別の患者さんから森下先生のお話を聞かせてもらって大変ためになりました。
 病院でもらっていた薬はその場しのぎで、結局は良くなりませんでした。それに引き換え、こちらの強化食品は全てがいいです。とくに「春寿仙」と「特F茶」が氣に入っています。
――うつ病の場合、徐々に薬を減らしていくのが一般的ですが、いきなり全部止められて禁断症状はでなかったですか。
Aさん 森下先生の言葉で勇氣づけられました。「そんなの飲んでいると死を招きます」と、おっしゃっていました。
 確かに、うつ病で眠れないのは不安でした。しかし森下先生が、眠れないときは起きていればいいです、横になっていれば内臓は休まります。次の日に身体を動かしていれば、いずれ眠くなります―とおっしゃってくれたので、すごく安心して自信がつきました。
――自然の考え方でいいですよね。無理に薬で眠ろうとするなんて不自然ですよ。便秘だって強制的に排泄させるという発想ですよね。
Aさん そうですね。私は森下先生の言葉を重く受け止めただけです。ですから、うつ病の薬も一氣にバッサリ捨てることができました。
 便秘の場合も、私は小豆で改善しましたよ。腸の調子が変わってきて、自然にお通じが良くなりました。
 とにかく薬を止められる喜びがありました。今までの薬から解放されるなんて、こんな喜びはほかに無いですよ(笑)。
食事療法を呼びかける
――化学薬剤の恐ろしさを重く受けたのは賢明です。また、Sさんの意志の強さにも脱帽です。
Aさん 森下先生の「医者が病氣を治すのではありません。自分で治すのです。私はその指導をしているだけです」という言葉が印象的です。
 食事療法で、半年ぐらいで元氣になりました。今は、もともとは肉好きだった家内と一緒に玄米菜食の日々で、元氣に過ごしております。肉を食べたいとも思いませんし、肉は腎臓に負担をかけますから。
 病院は病氣の原因を食生活に求めていないですよね。食生活は二の次って感じですよ。胃癌になったときも、手術しか方法はないと言われました。すぐ、「切る」という発想ですよ。噂によると、手術の回数を増やすと医師の業績が上がるとかで、そんなこと患者側としてはおかしな話ですよね(笑)。
――病院側で私腹を肥やすためにそんな適当なことをやられたらたまりませんね。でもこの体制を変えるのは至難の業ですよ。森下院長が40年前から呼びかけているのに未だ変わっていないわけですから。
Aさん そうでしょうね。私も、以前の厚生労働大臣であった坂口さんの衆議院議員室に、森下院長の『ガンは恐くない』の書籍を送ったんです。でも、未だ反応はありません。
――すごい行動力ですね。そのような行為が実を結ぶ時期がいつか来ればいいですね。
Aさん はい。
 今は、身近の人に玄米の良さを教えているんですけど、なかなか分かってくれませんね。
 私は玄米を知ってから、白米は物足りなく感じます。あれはカスですからね。
――致命的な病氣にかからないと、なかなか耳を貸してくれないでしょうね。
Aさん ですから私は、本当に健康になりたいと考えている人だけには教えるようにしています。
 私は晩年に病氣にならないために、病氣になったのだと考えるようになりました。
――余生を本当の意味で健康で楽しく生きられるように、身体が病氣という形でサインを送ってくれたんですね。
Aさん はい。
 この前、森下先生の『人生が変わる食べ方』という本を読んだんですけど、あの本はものすごく評判がいいですよ。「燦々会」での森下先生の講演の内容も勉強になりますが、この本は「食」についての重要性が説かれています。

がんと森下学説 no15

自然の味に魅せられて―体がきれいになっていく―


院長の所見
 今回お話をお伺いしたAん(女性・51歳・高知県在住)は、半世紀にわたって肉乳食やインスタント食品を毎日のようにお摂りになられ、日々疲れる体に疑問を抱かれていました。
 50歳時の病院での精密検査の結果、乳癌と判明。
 父親が「森下自然医学会会員」ということもあって、食事療法の内容は把握されてはいましたが、大好きだった食べ物を止めることを実践できるかどうか迷われて、抗癌剤治療も一時は考えられました。
 しかし運命を変えたのが、両親の一言でした。
 「体質を変えないと、抗癌剤で治しても再発するよ」
 この言葉で、体質改善を決意。
 母親が玄米弁当を作り、父親が無農薬野菜を栽培する…などのご両親の協力もあり、難無く食事療法を始めることができたそうです。
 経時的に、疲れない体になられ、また何よりも自然の味の素晴らしさを感じとられました。
 体の浄血・浄身を図りながら消癌することを楽しみに、毎回、当クリニックにいらっしゃっています。

診療(2008年2月23日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きが変化しやすい。消化管の中では胃の働きが落ちている。小腸と大腸の一部にも少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きが鈍い。腹部臓器、特に肝臓、腎臓の働きが少し低迷している。
■ 血液の性状
尿素窒素、腎臓の数値がまだ少し高い。この数値は、通常、寒さの影響で上がり易いのですが、前回より下がってきているということは、腎臓が寒さのストレスをあまり受けていないということです。肝臓の数値も同様に下がってきています。ご本人の感覚としては、寒いとおっしゃられていますが、掌温は35℃くらい出ています。ですから、体温はそれより1℃高いので36℃くらいはありますよ。肝臓と腎臓はケロッとしている感じですね。
■ 生体氣能及び血液生態
 毛髪氣能検査では、自律神経が不安定で小腸だけがマイナスになっています。その他の内臓機能はほとんど正常です。
 とりわけ消化管は全体的にプラスになっており、前回より大幅に状態は好転しています。その他の項目も全体的に良くなっています。
 抗癌力すなわち癌を治す力については、癌が発症した数年前では癌の数値が「マイナス7」であればリンパは「マイナス8」ぐらいの数値でした。しかし現在は、癌のマイナス7が「マイナス1」になり、リンパのマイナス8が「プラス1」に変わってきているため、癌は枯れ始めていると言ってよろしいでしょう。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に粟、小豆が特にご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態検査ですが、数は少ないけれどかなり大きな毒素が出てきています。ボンパ血管、肺からの公害毒素が出ています。食品添加物も見られます。
Aさん 肝臓検査の数値が下がってきたことはいいことなんですか。
院長 前回、肝臓に毒素がかなり溜まっていたのですが、体外へ抜けてきました。肝臓がきれいになってきた…ということです。
Aさん 他に、2ヶ月くらい前から寝汗が出ることがあるのですが。
院長それはそれで結構です。順調に毒素が体外に出せないとき、その対策の一つとして寝汗というかたちで毒素を出してくれているのです。
Aさん それに、右脇のリンパ腺にしこりがあります。
院長それもいいことです。体の毒素がどんどん動き出したことと寝汗の関係もあります。それで、肝臓の数値は下がってきているのです。寝汗が続いたおかげで毒素が減少し、肝臓に停滞する毒素の量も半減しました。
Aさん 最近、食べ過ぎる傾向がありまして。
院長それは、だいぶ毒素が抜けたからでしょう(笑)。
Aさん しかも副食を摂り過ぎてしまうんです。玄米だと噛むのに時間がかかるので(笑)。
院長主食的な副食に切り替える―という方法がありますよね。
Aさん お蕎麦とか玄米もちは時々食べます。
院長そうです。他に芋類、豆類などを選択されて摂っていただくということは非常にいいことです。
Aさん 自分から外食はしないんですけど、会社での宴会の機会があったときに、今までは玄米弁当を持ちこんでいたんですけど、やはり今後も続けたほうがよろしいでしょうか。
院長外食事には、例えば、事前にあるいは召し上がられた後でも結構ですが、毒消しの「陽祿燦」を摂られるとか、食前、食後にしっかり強化食品をお摂りになられるなどの対応をされることですね。
 あとは、こちらでの診療時に血液生態検査を受けること。一週間ほど前に召し上がられたものが毒素として出てきているかどうかをチェックするという実験は賢明だと思いますよね。4、5日前に食べたものがきちんと溶毒してきていることが判れば、少々悪いものが入っても大丈夫な体になってきている―ということが言えるわけです。
Aさん たまに焼酎をいただく機会があるのですが、大丈夫ですか。本当はビールが好きなんですけど。
院長焼酎はいいです。日本酒、ワインには防腐剤が入っていますから。ビールは体を冷やしますから、夏場に限定されたほうがいいです。
Aさん ありがとうございました。

インタビュー

ご両親が食事療法を実践されていたおかげで
――食事療法を始められて1年を過ぎましたが、いかがですか。
Aさん 食事療法を始めるにあたって、まったく不安はありませんでした。森下先生は「大丈夫、大丈夫」って言って下さるので。
 あと、以前に父がこちらにお世話になっていて、大体どういったものなのか分かっていましたから。それに、近所で子宮癌の方がいて、食事療法を始めてから1年できれいに癌が消えたことも知っていましたし―。
 食事療法を始めると、どんどん体重が落ちていって疲れなくなりました。以前は掃除しただけでもしんどかったりして、更年期だからだと思ったりもしましたけど、今から考えると体に病氣があったからだと思います。
 運動はバトミントンをしていますが、夏場でも全然疲れません。
――内臓にパワーがついてきたのですね。
Aさん そうだと思います。以前は、夏場に運動した後は、水をたくさん飲まずにいられなかったのですが、食事療法を始めてからはそれほど喉は渇きません。
――発病時、自覚症状はありましたか。
Aさん 特になかったですね。ただ、疲れやすいということはありました。
 病院の精密検査で癌と判り、医者は抗癌剤を半年やって、その後の経過をみましょうということでした。
 そして、私も最初はその通りにしようと思いました。好きな食べものを止めて食事療法をするなんて、逆にストレスになってしまうのではないかと考え、西洋医学で治療をしようと思っていました。父も食事療法を無理に薦めてきませんでした。
 ただ、両親が言ってくれたことは、“化学療法で一時的に治療しても、体質を変えないとまた再発するかもしれない”ということです。
 それでこの機会に体質改善をしてみようと思ったのです。
――良かったですね。ご両親がよくご理解されている方で。病氣を治すためには体質改善以外に方法はないわけですから。
 大好きだった食べものを急に切り替えることはできましたか。
Aさん はい、意外にできましたね。食事療法で治すんだと決めたら、氣持ちのスイッチが完全に入れ替わったのでストレスにはなりませんでした。
 それよりも、母が工夫して自然の素材を生かして料理を作ってくれるので、「自然の味ってこんなにおいしいんだ」ということに氣づかされました。今までの砂糖や調味料などの味付けを止めました。
 あと、家では無農薬の野菜を父が作ったりもしているので、採れたてのものを食べることもできます。
 父は癌ではなかったのですが、胃腸の調子がいつも悪く、どこの病院に行っても治らないと言われ、本で玄米菜食がいいと書かれてあったのを見て自分なりに試行錯誤をして実践したみたいです。
――お父様も病院に行かなかったからこそ今でもお元氣でいられるわけですね。
Aさん そうですね。玄米菜食を始めたので森下先生を知ることができ、自然医学の世界に入っていくようになりました。
――お仕事は営業職ということなので、食事療法はなかなか難しいのではないでしょうか。
Aさん 今は1日2食でやっており、昼は玄米弁当を家から持って行っています。
 出張時には玄米おにぎりを持って行きます。出先で普通の弁当が出たときには、なるべく変なものには手をつけないようにしています。そして、陽祿燦を飲んだりしますね。あと、近くに自然食の店があるので、おかずに砂糖とか使わない玄米弁当を頼んだりして助かっています。
 夜は家で母がおいしく自然食料理を作ってくれます。どうしても甘みを煮物に付けたい場合は、オリゴ糖などを少し入れて調理してくれますね。味噌も梅干も漬物も自家製です。
体がきれいになっていく
――乳癌になられた原因は何だと思われますか。
Aさん それは、大の肉好きだったからだと思います。ほとんど毎日、肉を食べていて、肉がない日がないくらいでした。外食も多かったし、添加物の入っているもの、例えばインスタントラーメンやアイスクリームなどをおなかいっぱいになるまで毎日のように食べてきました。中学生や高校生の男子学生が食べるような脂っこいものばかり摂っていたので、かなり太っていました。親にもそのうち病氣になるよと言われていました。
――そう言えば、体脂肪もかなり落ちましたね。
Aさん 半分くらい落ちました。体重も10 kg減りました。
 周りの人からは心配されて、食事療法なんか止めなさいと言われました。でも、体は逆に疲れなくなり楽になりました。
――間食の内容も切り替えられたのですね。
Aさん まったくお菓子類を食べられないのも残念なので、こちらの玄米せんべいやナッツ類を食べたりはします。
 でも近所の子宮癌が完璧に消えた方は、一年間は玄米と味噌汁と漬物の基本食だけで徹底したらしいです。森下先生はその方に、味噌汁に具もなるべく入れないようにという指導をされたこともあったので。
 それに比べて、私には「たまには小魚も食べてもいい、お酒も飲んでもいい」とか言われるので。
――病状の度合いによって食事指導も異なります。やはり、末期で重症の方は基本食で徹底されるのが一番ですよ。ですから、そういう意味では池さんの癌は、比較的軽度のものと捉えてよろしいのではないでしょうか。
Aさん せっかく食事療法をしているから基本的には外食をしないようにしているんですけど、たまにマクロビオティックのレストランで食事をします。本当に味付けがおいしくて、砂糖も使わない自然の味でこんなにもたくさんのメニューがあるなんてすごいと思って、十分満足しています。
――自然の味で満たされるということは、それだけ体がきれいになってきた証拠ですね。もう以前と違って肉類などを摂りたいという氣持ちにはなられないのではないでしょうか。
Aさん そうですね。癌が治ってからも玄米食でやっていこうと思います。たまに、白米もおいしそうと思うときはありますが(笑)。
 以前みたいに毎日でなくてはいいので、お肉もたまには食べたいと思うときもあります。
――それは、体が欲しているわけではないのでしょうね。頭が望んでいるだけなのでは。
Aさん やっぱりむかし食べた味を覚えているからでしょうね。だから、みんなが食べているのを見て、ただ「おいしそうだね」と思うぐらいで自分だけ食べられないというストレスはまったくないです。好奇心みたいなもので、頭で考えているだけなんでしょうね。
 食事療法を始めて3ヶ月くらいで肉類などは受けつけなくなりました。
――体が本物に近づいてきているということでしょうね。そういう体になったらしめたものですよ。肉を食べたいという異常な食欲がなくなれば、みんなが食べているところを見てもストレスにはならないし、また病氣にもならなくて済むわけですから。
 従って、一般の人が肉食しつつ平氣でいられるのは、体に毒素が溜まり過ぎて正常な感覚が麻痺している―ということなので、いいことではないのです。結局、その代償としていずれ癌などの病氣になるわけですから。
Aさん はい、私の体も変わってきたんだなあと思うようになりました。だから、こちらに来るのが毎回楽しみです。
 森下先生は「治ります!」と断言して下さるので、安心して自分の体を任せられます。先生を信じれば良くなると思っているので、不安はありません。
――今後も、引き続き玄米菜食をおいしく召し上がられて下さい。

がんと森下学説 no.16

約1年で肉腫が消えた―血圧も正常になり玄米の力に感心―


 すなわち、病氣が治癒するからくりは、病的細胞が「求心性収斂機軸」に沿って処理され始末されていく―という過程を辿るのである。 森下自然医学理論の基本代謝としては、遠心性発展機軸と求心性収斂機軸が存在する。前者は「食物-->血球-->体細胞」という遠心性の発展・成育の構図で、後者は「老廃体細胞-->(末梢血液空間内)組織解体-->微生物・ウイルス」という逆分化現象を意味するものである。                                              風の菌になる
 今回お伺いしたAさん(71歳・女性・千葉県在住)は、平成18年に突然氣持ちが悪くなり病院に運ばれ、精密検査の結果、「胃に大きな肉腫があるので手術をしないと手遅れになる」と告知されました。
 娘さんの紹介で当クリニックの食事療法をお知りになられましたが、こちらにお越しになるまでは不安の氣持ちは拭いきれませんでした。
 1日2食の玄米菜食を始めてから数ヶ月後、体重が著しく落ちると同時に体調がどんどん良くなられ、岩盤浴や枇杷葉温灸のお手当ても功を奏して、短期間で肉腫を根治せしめることができました。
 また血圧も正常になり、今後も「玄米菜食をしていきたい」とおっしゃられています。

院長の所見

診療(2008年3月19日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きが変化しやすい。消化管として胃の働きが落ちており、小腸の一部に少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。腹部臓器の肝臓、腎臓の働きも僅かに低迷している。
■ 血液の数値
白血球の数が少し多い。体の中に炎症がある。尿素窒素、即ち腎臓の数値が少し高い。中性脂肪も少し高い。GOT、GPTの肝臓の数値は、まあまあの状態です。
 肝臓からは毒素がきれいに抜けつつあります。腎臓は寒さの影響を受けています。
 毛髪氣能検査では、胃がマイナス2からマイナス1になっています。氣能値で判断すると、前回より良くなっています。
 肝臓、胆嚢、膵臓も前回より1~2ポイントずつ上がっています。
 それらを踏まえて考えると、消化管全体が良くなっている…といえます。
 胃・肉腫は、もはや存在しないと思われます。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に粟、黒豆がとくにご本人の体質好みの穀物です。
Aさん 最近、風邪をひいたのですが。
院長 風邪といっても、色々な種類があります。
 毒素を体外へ出す風邪もあります。ですから風邪が、一概に悪いとはいえません。
 風邪をひいている間は、毒素がかなり体外へ抜けますから、治まったときにはすっきりする筈です。そういう場合は、排毒のための風邪です。いわゆる、一般的にいわれているインフルエンザとは違います。
 今は排毒のための風邪のほうが流行っているのではないでしょうか。
Aさん それで口の周りに炎症が起きているのですか。
院長 そうです。毒素が動いて口唇ヘルペスといったかたちで出ているわけです。
 それから血液生態ですが、今、風邪のため毒素が体内をどんどん動き回り、肺と腸からいろいろな毒素が末梢血液空間にたくさん出ています。従って、この風邪は排毒のための現象―ということを、意味しているわけです。
Aさん 最近、食事のほうもちょっと氣を緩めてしまっているんですけど。
院長 よろしいのではないでしょうか。
 氣を張り続けるということはあまりよくないですね。緩めたり引き締めたりすることはいいことですよ(笑)。
 風邪やそのほかのトラブルは氣を緩めた結果である―ということに氣づくことができるわけですから。
 一部、処方を変更しましたので引き続き試されて下さい。
Aさん あと、お酒は飲んでもいいですか。お付き合いで宴会などがたまにあるのですが。
院長 今の状態ですとあまりたくさんは飲めないですが、少々なら大丈夫です。
 日本酒を飲まれるのですか。
Aさん はい、そうです。
 病氣になる前までは、毎晩、晩酌していましたからね。
院長 日本酒なら化学薬剤が入っていないもの―「森の小径」がいいですよ。
Aさん それはどこにあるのですか。
院長 奈良の酒屋さんです。そこから送ってもらうしかありません。
Aさん 「沢の鶴」のことですか。
院長 違います。澤田酒造のお酒で、薬が入っていないお酒です。
Aさん 薬とは防腐剤のことですか。
院長 そうです。そのほか酸化防止剤、殺菌剤などが通常の日本酒には入っているのです
 酵母菌や乳酸菌が生きているわけですから、瓶が破裂します。従って、それを防ぐために必ず薬を入れるわけです。
 澤田酒造では、お酒を患者さんに薬として飲んでもらうので、余計なものを一切入れないで欲しい―という約束で造ってもらっているのです。
 ですから、「森の小径」という銘柄は、患者さんのためのお酒なので大丈夫です。
 昔は一合瓶だけで、酸化しないように一晩で飲み切れるようになっていたのですが、今は二合瓶が出ているそうです。従って、次の日までは飲めるということですね。
Aさん そうですか。取り寄せしようと思ったんですけど、間に合いませんね。お彼岸に皆さんで集まりがあるので、そのときまでに用意しようと考えていましたから。
院長 このお酒は、今までに、時々抜き打ち検査をしてきましたけど一回も違反がなかったですね。完璧に約束が守られていました。
 夏場、私も冷酒として飲みますが、本当にうまいですね(笑)。「さすがだなぁ」と思います。
 酒の瓶を隠してお客さんに出すと、これは何というワインですかと聞かれますね。ほぼワインみたいなものですけど、ワインにしてはちょっと違うかなぁ―という感じですね。
Aさん 今度、試してみます。
院長 ぜひ試されて下さい。うまさも格別で、化薬無用品です。やはり、薬が体に対してダメージを与えますから。
Aさん 本当におかげさまで調子が良くなりました。ありがとうございます。

インタビュー

肉腫が消えた
――食事療法を始めてから1年ちょっとで胃にあった肉腫が消えてしまったそうですが。
Aさん 4cmぐらいの腫瘍があったんですが、消えましたね。
 近くのかかりつけ病院で手に負えないといわれ、大きい大学病院のほうに行くことになりました。そこで、即、手術をしないと手遅れになると告げられ、どうするべきか迷いました。
 たまたま娘が森下先生のことを知っていて、「手術をしても再発は免れないよ」と娘からいわれ、不安もありましたが手術をしないでこちらの食事療法で治すことを考え始めました。
――食事療法による好転反応らしきものはありましたか。
Aさん 昨年11月に腹部に激痛があったので、近くの病院にとりあえず行って診断してもらったところ、お腹にガスが溜まっていたとのことでした。
 そこで、その病院のエコーやバリウムなどの胃の透視検査で肉腫が消えていることが分かりました。
 信じられなかったですね。
――そうでしたか。でも、その腸閉塞のような症状は、からだに溜まっていた毒素が体外へ出るために起きた一過性の現象だったのかもしれませんね。
 食事療法は最初が肝心で、その最初の1年間、徹底して実践されたことが、良い結果をもたらしたわけですね。
Aさん はい、そうですね。
 1日2食で、玄米菜食を本当に徹底しましたね。動物性食品は、しらすと小あじぐらいをたまに摂る程度でした。
 そして、家には畑がありますので、自分で作ってできるだけ無農薬野菜を食べるようにしました。
 食事療法を始めてから体重がいっきに落ちて、最近はまた少し増えました。
――そうですよね。最初は顕著に体重が落ちますよね。そのことはごく自然なことで、それだけ食事療法をきっちりとされていた証拠ですよ。
 また、体重が減ってから同じ食べものを同じ量だけ召し上がられていたとしても、今度は徐々に体重が増え、ある程度のところで落ち着きます。そこが理想体重である―と森下院長はいわれています。
 食事療法を始めてから数ヶ月後、自覚症状はいかがでしたか。
Aさん だんだん良くなってきました。
 とにかく体調が良くて、だるいとか食欲がないとかというような症状が一切なくなったんですよ。
 不思議でしたね。
――玄米菜食は胃腸を強くしますからね。
 食事療法のほかに意識されていた療法はございますか。
Aさん 食事療法と併せて、森下先生もおっしゃっていましたが、秋田にある玉川温泉の岩盤浴にも療養で行っていました。
 半月くらいの期間を自炊の部で行い、それを年に3回しました。なにしろ混んでいて、予約がなかなかとれませんでしたね。
 あとは、枇杷葉温灸が良かったと思います。
 温灸は週3回くらいで、1回にかける時間は1時間くらいですかね。
 ほかに、ウォーキングを1日30分は心がけています。これから暖かくなってきますので1時間は歩こうと思っています。
――そのように、天然の療法や体を動かしたりしていることもかなり病氣治しに貢献していますよね。
血圧も正常に
――どういう経緯でこの病氣に氣づかれたのですか。やはり胃に激痛があったりもしたのですか。
Aさん 毎朝、仕事上、境内の掃除をすることになっていたのですが、ある日突然、氣持ちが悪くなってそのままその場に倒れてしまいました。氣を失って病院に運ばれ、脳の精密検査では異常がまったくなかったのです。
 そして、胃の検査をしたら「家族のかたはすぐ来るように」という次第になりました。
――結局、自分史の間違いに氣づかせるために、大自然が病氣というかたちでサインを送って下さっているわけですよね。
 そういう意味で、病氣とは本当に有難いものです。問題は、その病氣に対しての対応だと思います。
 化学薬剤が主流の世の中で、食事療法を選択されることに迷いはありませんでしたか。
Aさん 手術しないと手遅れといわれたので、いきなり食事療法からというのは正直いって不安で、手術をしてから食事療法をしてもいいのではないかと迷いはしましたが、娘の説得もあり手術を拒否することにしました。
 また、こちらに伺うまで何日か期間があったので、森下先生の本を読んでいましたが、やはり動揺していました。
 でも、診察で森下先生にお会いして、その人柄で今までの不安がいっきにとれて、安心することができました。
――決断されたとおり、なるべく手術をしないで治すことが賢明ですよ。手術も結局は対症療法ですから。
 手術をしないで肉腫が消えた――ということは、浄血で体質が改善されたということになりますよね。
Aさん 病氣になるまでは、肉食で、薬もたくさん飲んでいました。
 毎日、降圧剤も含め4種類の薬を20年間飲んでいましたね。
 血圧はかなり高かったのですが、食事療法を始めてから正常になりました。玄米の力はすごいと思いました。
――肉食も良くなかったですけど、それよりも薬が発病の原因だったかもしれませんね
Aさん そうですね。森下院長はそうおっしゃっていました。
 今は薬も飲まないし、食事に関しても肉類を食べたいという氣持ちが全然ありませんね。その代わり魚はちょっと食べたいということはありますけど(笑)。
 これからも、基本的には玄米菜食でやっていこうと思っています。

がんと森下学説 no.17

「癌」に対しての恐怖心はどこか遠くへ
―親子で玄米、息子は陸上部で記録更新―


院長の所見
 今回お伺いしたAさん(女性・50歳・埼玉県在住)は、20歳時に乳腺腫に罹られましたが、当時は食事療法をご存知ではなかったので、通常の病院で外科的な手術で対応されました。また、生理痛が激しく、後には子宮内膜症との診断結果も……。
 そして、長年の普通食ならびにご主人様を病氣で亡くされた―などの精神的ストレスも加担して、47歳で乳癌を発病。
 以前から病院に不信感を抱かれていたAさんは、当クリニックの食事療法を選択。玄米菜食を実践されていくうちに、身体が答えを出してくれるような状態にまでなられ、自信がついてプラス思考の発想に―。また、癌に対しての見方も変わり、「癌=死」という恐怖心はどこか遠くへ。
 今では、親子で楽しく玄米菜食。ご長男は高校生の頃、「玄米おにぎり・枇杷茶」で陸上大会にて自己ベスト記録を更新!  身体が引き締まり、食べ物の嗜好性が変わり、集中力・スタミナともに向上したことを体感されたそうです。
 現在、Aさんご本人は、仕事の合間を見つけられては、鍼灸・蜂針・岩盤浴など排毒を促す療法に努められ、日々前向きに過ごされていらっしゃいます。

診療(2009年1月17日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きも変化しやすい。消化管としては、胃から十二指腸の働きが少し落ちており、大腸の一部に少し負担がかかっている。血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。腹部臓器、肝臓、腎臓、婦人科系統の働きも少し低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値は大丈夫です。腎臓は、寒さのストレスを受けていませんね。それからGOT、GPTなど肝臓の数値は少し上がってきていて、寒さの影響を受けていると言えます。しかし全体的にみますと、血液の状態は安定していて良い状態ですよ。
■ 毛髪氣能検査、血液生態
毛髪氣能検査では、自律神経系の交感神経・副交感神経がマイナスです。従って、消化管は全てマイナスになるはずなのですが、胃はプラス2、十二指腸と大腸ではプラス1になっています。この様に,良い状態に変わってきています。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外に粟と小豆がとくにご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態写真には、肺と腸からの毒素が出てきています。色々な大型の毒素を出せるような身体の体勢になってきました。なかなかよろしいですね。
 ところで、正月の食事はいかがでしたか。
Aさん 去年までは温泉に行っていたんですけど、それですとやはり食事のほうが問題なので、今年は家で1日2食、玄米を食べていました。そして、新年会のときは煮物など選んで食べるようにしました。ですから、そんなに体重が増えたりはしませんでしたよ(笑)。
院長 結構ですね。
Aさん 娘も玄米を食べるようになりました。
院長 娘さんはおいくつなのですか。
Aさん 16歳で、高校生です。学校には玄米の焼きおにぎりや玄米弁当を持っていっていますね。「お肉はいらない!」って、言うのです。
院長 そうですか。今までは食べておられたのですか。
Aさん 食べていました。今では、おかずはきんぴらごぼうとかですね。
院長 これは大事なことですよ。女の子を育てるのにステーキなどの肉類を食べさせていると、必ず生殖器官の病氣が発症してきます。ですから、本当に女性らしく育てるためには、昔の日本的な食生活に戻さなければいけません。今のほとんどの人は無国籍型低脳性食事ばかりで、大なり小なり肉乳食になっています。
Aさん はい、そうですね。でも、うちの子の場合、私が子供におやつとしてお菓子を買っておくと怒られるんですよ(笑)。「買ってこないで!」って言われてしまいます。朝は、「大黒天」を一杯飲んで、玄米の焼きおにぎりを持って出かけて行きますね。
院長 しっかりしていますね。とても優秀です。しかし、玄米煎餅やポン煎餅などを用意するくらいはよろしいのではないですか。
Aさん ええ、そうですね。甘栗くらいは食べますね。でもやっぱり高校生だから友達との付き合いで外食はあるらしく、そのときは身体にてきめんに反応が出るらしいです。この前もディズニーランドでお菓子を食べたみたいで、「すぐに肌に吹き出物が出た」と、言っていました。
院長 それは身体がだんだん本物になってきた証拠です。そういう反応が出なかったら、身体がかなり鈍ってきていることになります。
Aさん なるほど。玄米にしてから身体がすごく細くなって、集中力もすごくついてきましたね。
院長 これからどんどん変わっていきますよ。素晴らしい人材になりますね。
Aさん あと、睡眠時間が短くても頑張りが利くようになりました。それは私も同じように感じます。「玄米にして良かったなぁ」と、本当に思いますね。圧力鍋で炊くとおいしくて、これなら毎日でも大丈夫です。
院長 よかったですね。娘さんは診療にいらっしゃったことがありますか。
Aさん まだ来ていないです。娘より息子のほうが初めに玄米を始めました。息子は陸上部で、玄米にしたら身体が締まってきて、高飛びの競技の記録が良くなったんですよ。それからというもの、大会があるときは日程に合わせて、食事は玄米おにぎりと枇杷茶だけにしたりしていましたね。
院長 立派ですね。息子さんは身長が高いのですか。
Aさん 170cmはないですね。でも、自己ベストで走り高飛びで190cmを跳んだみたいですよ。
院長 すごいですね。マラソンなどをやられても良い結果が出せますよ。皆さんがこのようになっていけば、安定した良い世界に変わっていくんですけどね。残念ながら、戦後、考え方が狂ってきている状況です。Aさんのお子様の場合、良い意味で模範的な存在です。
Aさん 職場でも、玄米を食べようと思っている人が出てきていますね。
院長 出てきましたか。何事もそうで、その様に陰徳を積まれることが大事ですよね。それはいつか必ずプラスの形で、自分自身に還って来ることになるでしょう。
 とにかくお子様の場合、頭の働きなども変わってきますから、ご本人の能力を最大限に生かせる様な条件設定をしてあげる必要がありますよね。
Aさん 確かに親から見てもかなり変わってきた様な氣がします。
院長 本当は、若い頃からこの様な体験をされている方が自然医学の道に行かれるといいんですけどね。真実を掴まえる能力が培われているでしょうし、西洋医学の何処がおかしいのか―ということも自然に見えてくる様な人材が望ましいのです(笑)。
Aさん 進んだ道は全く違っていて、ピアノの方に行っています(笑)。
院長 いずれにしろ能力を過小評価せず、能力には際限が無い―のですから、大きな目標設定をしていただいた方がよろしいと思います。
Aさん 分かりました。どうもありがとうございました。

インタビュー

食事療法と心のもちようが大事
――乳癌になられてから、当月刊誌でおなじみの鹿川先生の鍼灸治療も受けられているそうですが。
Aさん “氣”の鍼灸治療というのは、私には分からない世界ですけど、効いているような氣がします。何故か分からないけど、そこに行くと痛みが和らいだり、精神的に落ち着いたり、体調が良くなるんですよ。目に見えない力が働いているんでしょうね。
 初めは、主人の病氣で鹿川先生にお世話になっていました。結局、食事は普通食だったので残念なことに亡くなってしまいましたが、鹿川先生は最後まで「人間には自然治癒力があるんだから、本当は病院での治療をしない方が治るんだよ」、と言ってくれました。
――病院では自然治癒力を封じ込める療法をしているわけですから、対症療法で一時的に体調が良くなったとしても結局は何も解決できていませんよね。
Aさん 伴侶を失った精神的ストレスは大きく、それから10年後に私が癌になってしまいましたが、患者としては安心を求めて病院に行っているのに、医者は必死になって病氣を見つけようとするんです。そのわりには、「病氣を早く見つけて早期治療をしても治るとは言えない」と、言ってくるんです。何のために病院に行っているのか―という氣分になりました。手術は受けましたが、抗癌剤と放射線はやるつもりはなかったので病院に行く意味が無い―と、思い始めました。
 鹿川先生に相談したら、「森下先生のところできちんと食事指導を受けたほうがいいですよ」と、こちらを紹介してくださったのです。
――当クリニックで森下院長のお話を聞かれていかがでしたか。
Aさん 森下先生の本を何冊も読んで納得していたので、抵抗なく受け入れられました。そして食事療法を実践しているうちに、身体でも分かる様になりました。
 それに、こちらに来るまでは癌に対して恐怖心があったんですけど、今は無いですね。今では病氣になって良かったなぁと思っています。以前は分からなかったんですけど、心の持ち方がとても大事であることに納得しました。やはり病氣治しには、食事の内容も大事ですけど、心の持ちようもかなり大きいと思いますね。
 病氣は自分で造ったものだ―と、身にしみて感じる様になりました。だから、生活スタイルを変えれば自分の力で治せるとも思っています。全てのことが自分にとって必要であるから起きている―と、プラス思考になってきましたね。
――普通の病院と違って、癌に対しての見方も違いますからね。
Aさん そうですよね。病院に行く場合、よっぽど自分自身に確信のある考えを持っていないと、医者のペースに乗せられて、その氣になってしまいますよ。だいたいの方は、薬で症状を抑えているだけにもかかわらず治った―と勘違いをしていますね。
親子で玄米、息子は陸上部で自己ベスト記録
――病氣になられる以前は、どの様な食事をされていたのですか。
Aさん 普通の食事をしていましたね。当時は、栄養のある正しい食事を摂っているのに、どうして私が病氣になるのか―と、思っていました。肉、卵、野菜も食べ、バランス良く30品目食べているのに―という感じでしたね。でも、ウインナーなどの加工食品も食べていましたね。そして、生理痛がひどくて鎮痛剤ばかり飲んでいました。
――今までとは違った食事の内容になって馴染めましたか。
Aさん 玄米に出合えたことがものすごく嬉しかったですね。こんなにおいしいものを何でもっと早くから知ることができなかったのか―と、思いました。食生活が変わったことは全然苦ではなく、今では肉とかを食べたいとも思いません。ただ、間食はしてしまいますね(笑)。でも、お菓子などは選んで食べるようにしています。身体が受け入れられるようなものだけしか食べませんね。最近では、たまに変なものを食べると、身体が反応しますね。便秘になったりするのですぐ分かります。
――血液がきれいになってきたんですね。
Aさん 子供たちも玄米を食べる様になってからは、身体が締まってきて、体調も良くなり、食べ物の嗜好性も変わってきたみたいです。例えば、野菜に調味料などをかけなくなり、自然の味で食べるようになりました。
 息子は陸上部なんですけど、玄米おにぎりと枇杷茶で自己ベスト記録が出せたので、ほぼ玄米菜食でやっていますね(笑)。
――若い頃、良い食べ物で身体を造り上げておくことは、非常に大事なことですよね。ましてや、運動部の息子さんが、玄米菜食はスタミナ食である―ことを体感されていることは、貴重な体験になっていますよ。
Aさん 私もこの3年間は、原則として食事の内容を守りました。そのせいか、体調が良いうえに肌のシミなどもとれてきました。
 朝起きて、「陽禄燦」と薬草茶は欠かさず飲みますね。そして「QRT」もお氣に入りで、あの苦さがたまりません(笑)。最後に「大黒天」を飲んでから会社に出かけます。この朝の時間が幸せです。ちなみに、「大黒天」はおいしいので、1年分買い込んでいます。そして、職場で午前中は空腹で過ごし、昼にきんぴらごぼうなどをおかずにした玄米弁当を食べる瞬間が至福のひと時です(笑)。娘も同じようなことをしていますね。
――食事療法や鍼灸のほかにはどのようなことをされましたか。
Aさん 歩くように心がけました。そのほかに、枇杷の温灸やこんにゃく湿布をしましたね。蜂針療法も受けているんですけど、そこの先生は身体に“氣”を入れてくれるのでとても元氣になります。あとは、病氣をする前は汗をかけない体質だったのですが、岩盤浴に通ったら氣持ちが良くて、汗をかけるようになってきました。以前は汗腺が機能していなかったから、毒素を溜め込んでいたのかもしれません。
――それらの排毒を促す療法はとても良いですね。これからの時代、「出す力」を養ったほうが勝ちですね(笑)。本日はどうもありがとうございました。

ガンと森下学説 no.18

大自然と調和して生きること―文明の利器に頼らないで―


院長の所見
 今回お伺いしたAさん(男性・62歳・千葉県在住)は15年前に直腸癌に罹られ、手術を受けられましたが、その後、病院側から抗癌剤あるいは人工肛門の選択を余儀なくされました。
 いずれの治療も避けたかったため、大の肉食嗜好であったAさんでしたが、1年間の徹底した基本食を実践。それに伴って、身体の生理機能が正常になり、すこぶる調子が良くなられました。
 長年の玄米菜食の効果で、現在では多少の悪食をされたとしても即座に排毒できる基本代謝を身につけられ、身体で現状を把握できるようにまでなられました。
 森下自然医学との出会いで、山登りをされるようになり、可能な限り大自然と調和 することの大事さに氣づかれ、衣・食・住に関しても、不自然な物を避けることが身体にとってプラスになる―と、おっしゃられ、なるべく文明の利器に頼らないで生活することを心がけていらっしゃいます。
 また、ご兄弟が癌で亡くなられていくなか、現代医学の薬物療法では病氣を治せない上に、この状況では医療費で国が破綻してしまう―と、懸念されていらっしゃいます。

診療(2009年5月23日)
■ 内臓機能検査
自律神経の働きが不安定。神経的に胃腸の働きも変化しやすい。血液の循環の状態、肺の働きが少し鈍い。消化管としては、胃の働きが多少落ちており、小腸、大腸の一部に僅かながら負担がかかっている。腹部臓器、肝臓、腎臓の働きも少し低迷している。
■ 血液の数値
尿素窒素、腎臓の数値は下がってきており、働きが良くなってきています。
 それからGOT、GPTなど肝臓の数値もかなり好転してきています。
■ 血液生態 毛髪氣能検査
毛髪氣能検査では、自律神経系の働きがマイナスではないですが、まだ少し不安定です。従って、消化管はどうしてもマイナスになりやすい状態です。ただし、胃と十二指腸はプラスになってきました。消化管以外の臓器は全てプラスです。
 穀類ですが、玄米、丸麦、鳩麦、粟、稗、黒豆、小豆、大豆、蕎麦は全部合っています。玄米以外では、稗がとくにご本人の体質好みの穀物です。
 血液生態写真には、肺と腸からの毒素が出ています。その他、珍しいボンパ血管が出てきています。頻繁に見られるボンパ血管ではありませんので、研究所のほうで精査させていただきましょう。
Aさん 肺の毒素は昔のものですか。
院長 そうですね、肺に残っていた昔の公害毒素でしょうね。今回のような巨大な毒素の溶毒は、初めてではないですか。
Aさん ええ、顕微鏡を覗かせてもらったら、画面いっぱいに出ていました。
院長 ところで、最近、山歩きのほうはされていますか。
Aさん ここのところ忙しくてあまり行っていませんね。これから季節ですから行きたいんですけどね。
院長 そうですね、なるべく行かれたほうがいいですよ。
Aさん この前、日光の戦場ヶ原に行ってきましたよ。そこでずうっと歩いていました。氣候に恵まれて、とても良かったです。
院長 なるほど。私は、日光には30年くらい行っていないですね。昔はよく行ってはいたのですけどね。
 一時期、奥日光でスキーをしていましたよ。あそこのいいところは、ゲレンデがホテルに直結しているところです。そして、割りと周りの山が高いため、日が暮れるのが早いのです。午後の3時ぐらいで日陰になってしまい、雪が硬くなってきます。
Aさん そうですか、そんなに早く…(笑)。
院長 その代わり、早めにホテルに戻れるので、部屋で原稿を書くのにはとても好都合でしたね。そういう意味で、奥日光はものすごく原稿が捗る場所だったのです。
 1日中、原稿を書いているわけにはいかないので、スキーは昼頃から3時間ぐらい滑ってきます。そのあとホテルに戻って風呂に入り、そして原稿書きを始める―という調子でしたね。
 ですから、私は戦場ヶ原のこともよく知っていますよ。
Aさん そうでしたか、あそこは温泉がとてもいいですからね。
院長 その通りです“日光結構です”(笑)。
Aさん あそこはとてもいい所なので、年に5回くらいは行っていますね。
院長 私も久しぶりに行ってみたいですね。
 まあ、とにかく身体のほうは大丈夫なので、この調子で試されてください。
Aさん はい、ありがとうございました。

インタビュー

真の健康に近づける
――森下自然医学と関わってから15年以上経ちますが、身体の調子は相変わらず良さそうですね。
Aさん ええ、1994年にこちらに伺って、1年ぐらいで調子が良くなりましたね。
――今回の血液生態写真には、ものすごい毒素が出ていましたね。
Aさん 仕事をしているものですから、なかなか玄米菜食を完全にするのは難しいんですけど、基本的にはやっていますからね。
 森下先生が、当時、こんなことを言われていたんです。真の健康の状態を0、そして悪い食べ物につれて1、2、3、という具合に、数字で例えると、本当に健康ならば0にいくら掛け算しても0なんです―と。要するに、いかに身体を0の状態に近づけられるか、ということなんですよ。たとえ悪食しても毒素を出せる力があれば、健康を維持することができますからね。
――大量の毒素を排毒できているということは、長年の玄米菜食の効果で真の健康状態に近づいてきている証拠ですね。
Aさん そうですね、なかなか0の数字になることは難しいですけど(笑)。よっぽどスポーツばかりしていれば別なんですけどね。
――おっしゃる通りです。
Aさん 最初の1年間は、基本食をやっていました。会社では、毎日、玄米おにぎりだけです。体重がいっきに落ちて、身体の調子がものすごく良かったですね。それから、少しずつ副食も摂るようにしました。身体の調子は良かったんですけど、徐々に体重は増えてきたりしましたね(笑)。最近では、会社で少し甘いものも摂ったりしますし…。
――でも、身体の基本代謝が身についているわけですから、大勢には影響ないのでは。
Aさん 16年前、大腸癌になったときは、こちらをよく知らなかったので手術をしてしまって、その後、抗癌剤か人工肛門のどちらかを選択しなさい―と医者に言われてしまいましたが、両方とも嫌だったのでいよいよだと思い、こちらに伺ったわけです。
――それで1年間は基本食を徹底されたわけですね。
Aさん はい。最近は食べ過ぎる傾向がありますので、体重が60 kgを越えないように意識しています。一度、断食をやってみたいですよ。
――意識されているだけあって、確かに今回は大腸にそれほど負担がかかっていませんよ。よく咀嚼もされているようですね。
Aさん 1口150回は難しいけど、100回は噛むようにしています。本当は口に入れたら、まず箸を置いて咀嚼をしなくてはいけないのでしょうけど、なかなかできないですね(笑)。
――悪い物を食べているわけではないので、そんなに氣にされることはないですよ。
Aさん そうですね、肉は食べないですけど、いろいろ出されると拒めない性分ですので、常に自分との戦いですよね(笑)。
 でも、自分の状態が身体で分かるようになったので、コントロールしやすいですよ。常に反省しながらやっています。
――そういうふうになられたら、しめたものですね。ご自分で理解されていたら前向きに取り組めますから、どんどん良くなっていきますよ。
 癌になる前は、やはり肉食をされていたのですか。
Aさん 大の肉好きでしたね、週に2、3回はステーキを食べたりなんかして。しかし、今では食べたくなくて、結婚式でステーキが出されても隣へどうぞ、って感じですね(笑)。
――ご家族そろって玄米菜食なのですか。
Aさん たまたま妻のお姉さんが森下料理教室に通っていて、そのおかげでこちらを知ることができたんです。おかげさまで妻も娘も健康です。
 娘は結婚して子供もいますが、基本的にはずうっと玄米を食べていましたので、子供もすごく元氣です。
――母体の血液で、子供の体質は左右されますからね。
Aさん 母乳で育てましたから、妊娠しているときから妻は娘に氣を配っていましたね。本人も意識して、肉は食べない、ケーキなんか絶対食べなかったですよ。おかげで健康に生まれました。全然、病氣もしないですね。
――生まれたお子様には、何を与えられていたのですか。
Aさん 赤ちゃんの頃は、味覚に敏感ですよ。悪い物は吐き出しますね。例えば、白砂糖の入ったものなど。それに、白米に野菜を混ぜて味付けしたものでも、そのまんまの玄米のほうを食べますね。大人よりも味覚が鋭いですよ。ですから、おやつも市販の物は与えないのです。普通の食べ物は吐き出してしまいますから。
――生まれた頃は、本物の味覚がある舌をしていますから、それが本来の姿なのでしょうね。
衣食住をできる限り自然に
――Aさんのご趣味は何でしょうか。
Aさん 自然医学と出合ってから山登りをするようになりました。だいたい関東圏ばかりですけど。近場ですと筑波山、あと、ほとんどが日光方面になりますね。現地に行くと、ものすごく元氣になります。
――お仕事はまだされているのですか。
Aさん 週4日ですけど、設計関係の仕事をしています。建物を技術力でカバーすることはビジネスにはなりますが、私からみれば超高層ビルに住むなんて信じられないことですよ。地面が見えない、子供が遊んでいるところを目視できないなんて。私は、そういう建物に住むことは反対ですね(笑)。
 森下先生が言われますように、自然との付き合い方が大事ですよね。衣食住とも、本来、人工的な物はいけませんよ。
 関西大震災が典型的な例ですね。自然に対抗して高層ビルを建て過ぎ、それが原因で人間はしっぺ返しをくらったようなものです。人間の周りに自然があるのではなく、自然の周りに人間がいる―という言葉を、ある哲学者が言っていますよね。もうそういうことは止めなさい、っていうことですよ。自然医学に対抗している西洋医学みたいです(笑)。
 そのほか、現代の建物の建材には接着剤を使ったりしますので、身体にはよくないですよ、合板がそうですね。
――やはり、昔ながら風邪通しの良い木造の平屋みたいな家が理想なのですか。
Aさん でも今の世の中では、それはなかなか無理なことですから、せめてクーラーをつけないようにするなどの配慮は必要ですよ。ちなみに、電子レンジとかも我が家にはありません。
 あと、風呂にはマコモを入れているんです。そして、湯船に入っているマコモは取り替えません。その代わりに、時々酸素を入れます。その風呂に入ると、毒素がすごく出ます。マコモは排泄物を分解する力があるくらいですから。
――マコモは身体に良いと聞きますが、湯船の臭いは氣にならないですか。
Aさん 普通食をしている人や病院の薬を飲んでいる人が入った後の湯船は、やっぱり臭いますね(笑)。薬などの毒素が溶け出てくるんでしょうね。
――食事もさることながら、住まわれる環境までなるべく自然なかたちをとるように心がけていらっしゃるのですね。 Aさん 衣類に関しても、化繊のものは着ないで、やっぱり綿ですね。ワイシャツやスーツは、悪い溶剤を使わない特殊なクリーニング屋さんに出します。ちょっと値段が高いんですけれど、そこに頼んでいます。安いところは何を使っているか分かりませんからね。最近は、できるだけ自分でやるようにしています(笑)。
――クリーニングの溶剤も皮膚障害を引き起こすなど、問題になっていますからね。
今の医療費では国はもたない
――現代医学のことをいかが思われていますか。
Aさん 私は5人兄弟で、兄は食道癌で亡くなったんですけど、最期まで森下自然医学を信じてくれなかったんですよね。姉も乳癌で抗癌剤をやったんですけど、やっぱり病院で亡くなってしまいましたね。結局、最期は病院でボロボロになってしまうんですね。もう一人の姉も大腸癌で、40歳の若さで亡くなりました。その旦那も現代医学を信じている方だったので、やっぱり自然医学を広めるのは難しいですね。
――西洋医学に洗脳されると、なかなか厳しいでしょうね。
Aさん 森下院長はこんなにも成果を出されているのに、何故まだ世に広まらないのか、と思うくらいですよ。でも、昔よりは浸透しやすい時代にはなってきていますけどね。これからも、お茶の水クリニックは後世に続いて欲しいと思っています。
 でもある意味、自然医学を信じている理解者だけがついていけばいいんですよ。社会のバランスもありますからね…。
――確かに、森下自然医学が世に広まれば、病院をはじめ現在の食肉会社や製薬会社なども潰れてしまいますから。
Aさん ええ、外食産業もあまり良くないですよ。人間がもっと賢くなれば、世の中も変わるんでしょうね。しかし、現代人はテレビで育っていますから、情報に操作されてしまいがちです。
 本当は、政治体制や医療体制が変われば、いいんですけど。とにかく、今の医療費では国はもたないですよね。薬物療法ではなく、予防医学に重点を置いてコストを投入するなどの対策はあるはずです。


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