第2報 タイムマシンと振動、波動の関係 論文

第2報 タイムマシンと振動、波動の関係 論文
はじめに
振動工学を研究するにあたり、振動とは何かをまず考えたい。振動とは何かを研究
に当たりエネルギーとは何か、物質とは何かを研究しなければならない。
アインシュタインの相対性理論では、有名な式があります。E=mc2
エネルギーと質量の関係式です。Eは物質のエネルギー。mは物質の質量。cは光速を表しています。エネルギーは物質の質量に光速の2乗をかけたものに等しいという意味です。わずかな質量の中にも膨大なエネルギーが秘められていることを表した式です。物質の質量が6グラムだとします。1円玉が6枚ぐらいでしょうか,これに光速の2乗を掛けます。光速は秒速30万キロなのでの2乗は9百億,計算すると東京ドームの中に0℃の水を満タンに入れてその水を沸騰させられるくらいのエネルギーが生まれことです。1グラムの物質の中には90兆ジュールのエネルギーが含まれています。1ジュールは1カロリーです。1カロリーあれば1グラムの水の温度を1度上げることができます。ですから、1グラムの質量をもった物質をすべてエネルギーに変換させることができれば、22万トンほどの0℃の水を沸騰させることができる。物の中に含まれている炭素が空気中の酸素と結びついて二酸化炭素になるんですが、熱エネルギーが放出されます。
 この燃焼の化学反応の際にも質量がごくわずか減っています。化学反応で発生する熱は、ごくわずかに減った質量によってもたらされているエネルギーなのです。1グラムの質量をもつ物質と同じエネルギーを得るためには石油の場合23万リットルも必要になります。自動車や火力発電、アインシュタインのE=mc2のエネルギーで使う、質量をエネルギーに変換させるとなると、その変換させるためのエネルギーがまた膨大なエネルギーです。1938年にドイツの化学者ハーンとオーストリアの物理学者マイトナーがウランの原子核に中性子を当てると原子核分裂が起こり、質量が減ることを発見!同時に大きなエネルギーを得ることができることを見つけます。ウランの原子核分裂の際、エネルギーを放出するのと同時に多くの中性子が生み出されることが見つかり、その中性子が他のウランの原子核に当たって、また核分裂を起こすことがわかりました。原子力エネルギーです。 物理学では、E=mc2の式よりも下の式を使うのが一般的です。


 
 物質の質量は、止まっている時と動いている時では違ってくるんです。運動すると質量が増えますので、エネルギーも増える。 mが静止時の質量 vが物質の速度 cは光速です。

以上より振動は物質のエネルギーに関係してくることがわかる。
本論文では振動の本性を知ること、時間、タイムマシンの原理より
調査したいと考える、なぜならタイムマシンが開発できれば振動も制御できると考えられるからである。
   時間t = v(振動数f、質量m、減衰c、etc)
v,etcを求めればおのずと振動数fが導かれると思うからである。

第1章タイムマシンの研究
 第1節タイムマシンの研究の歴史
  1.1 イギリスの物理学者、スティーブン・ホーキングの
     時間順序保護仮説

 ホーキングが根拠としているのは「現在に未来人が押し寄せてこないのがタイムマシンがつくれない確たる証拠だ」としているのです。ホーキングは「過去へ戻ろうとしても、それを阻止する何らかの物理法則が働き、過去に行くことはできないだろう」というのがホーキングの主張です。 では、本当にタイムマシンはつくれないのでしょうか? 実は、アメリカのSF作家カール・セーガンに依頼されて、物理学者の
キップ・ソーンはタイムマシンのつくりかたを研究しました。 当初は、遊びの感覚で研究していたようですが次第に本格的な研究になっていきます。 まず、タイムマシンをつくるために用意していただくものが光速に近い速度で飛ぶことができるロケット!
 アインシュタインの相対性理論によれば、光の速度に近づけば近づくほど時間の流れはゆっくりになっていきます。実際、人工衛星を利用しているカーナビなんかですと地球上の時間と速い速度で移動している人工衛星とでは人工衛星の時間の方が遅いことが確認されています。
 次に用意していただくのがワームホール!ミクロの世界では素粒子が生成と消滅を繰り返す「時空の量子泡」という現象が起こっている可能性があるのではないかといわれています。この中では、ワームホールのような存在があるのではないかと想像されているのですが、キップ・ソーンによれば、負のエネルギーをもつ物質でワームホールを満たすことができれば、人間が通行することも理論上は可能としています。 さて、このワームホールと光速に近い速度で飛ぶことができるロケットを用意したら、ワームホールを地球とロケット内に設置します。この状態で地球のワームホールに足を突っ込めばロケットのワームホールから足が出てくるような状態です。 そして、ロケットを光速に近い速度で飛ばします。
 ロケットは、ロケット内の時間で1年間宇宙を旅して帰ってきます。すると、ロケット内の時間は地球の時間に比べて進み方が遅い為、ロケット内の時間と地球での時間に50年ほどの差がでていました。
 ここからが、ややこしいのですが、この時、地球にいた人がワームホールをくぐると、2101年のロケットに到着します。ここまではいいですね。
 では、ロケットから再び、ワームホールをくぐって地球のワームホールの出口から出るとどうなるでしょう。ロケットと地球とでは、時間に50年もの差がでていましたが、ワームホールでつながれている地球とロケットの時間は同じなんです。つまり、50年前の地球に戻るということ。
 2151年に地球からワームホールをくぐってロケットに出て、そこから再び地球のワームホールに戻ると2151年から2101年にタイムスリップするというわけです!
 これが、キップ・ソーンが考えたタイムマシンです。この理論ですと、タイムマシンができる以前の時代には戻ることはできません。ロケットを飛ばす前の時代に戻るのは不可能です。ですから、未来人が現代に押し寄せてくることはできないわけです。つまり、ホーキングがタイムトラベルができない証拠としていた問題は解決するということです。しかしながら、ワームホールを負のエネルギーで満たしておくことが出来たとしても正の質量をもつ粒子が通過すると、ワームホールは潰れてブラックホールになってしまうことが導き出されています。つまり、地球のワームホームからロケットに移動した時点でホームホールは無くなってしまい、地球に戻ることが不可能!タイムマシンはキップ・ソーンの考えたタイムマシンも現実的には難しそうですが空想上としては面白い。

1.2タイムマシン否定説


人は未来にも過去にもいけません。
過去に行くということは、過去の自分と過去に行く自分の2人が同時に存在することになりますが、そのようことはありえません。
また、未来に行くとしても、未来の自分と未来へ行く自分の2人が同時に存在することになりますが、そのようなことはありえません。

タイムマシンは特殊相対性理論から考えられるものですが、その理論がタイムマシンまで適用できるとは限りません。理論と言うのはそのようなものです。全ての範囲について理論が成り立つとは限らないのです。
その例を挙げれば、電気伝導体はある種の電気抵抗があり、その電気伝導体に電圧をかけたとき、そこに流れる電流はオームの法則に従うことが知られています。しかし、温度が絶対零度付近になると電気抵抗がゼロになり、オームの法則が当てはまらなくなる場合もあります。

1.3タイムマシンの原理 ジョンタイター

その1

 2036年からやってきたジョン・タイターが乗ってきたタイムマシンは、カーのブラックホールを利用しているらしい。その原理について少しずつ解説していく。光円錐とゲーテルの自転する宇宙について解説する。
光円錐
 光の速度は、発光体が止まっていても動いていても、観測者が止まっていても動いていても一定である。光円錐を考える。XY軸が距離、Z軸が時間である。原点が現在の位置、時間を示している。光の速度で進んだ場合に光円錐上を未来へ進んでいく。光速を超えることはできないので、光円錐の外側に行くことはできない。つまり、光円錐の内側は、私たちが知ることができる世界を現している。
ゲーテルの自転する宇宙
 1949年、プリンストンの数学者ゲーテルは、アインシュタイン方程式のひとつの解を発見した。宇宙の重力と宇宙の自転による遠心力が釣り合う回転の半径を臨界値Rとすると、臨界値Rを超えたところでは、時空のねじれによって、未来の光円錐が近くにある過去の光円錐と交差する。リングを一回りすると、自分の過去の光円錐へ戻ってくることができる。このような閉じた時間の環をCTL(Closed Time Link)と呼ぶ。
 われわれの宇宙に当てはめて計算すると、700億年で1周する速度で自転していなければならない。そのときの臨界半径はおよそ160億光年で、CTLの長さは約1000億光年となる。非常に長い距離になるが、光速に近い速度の宇宙船で旅行すれば、ウラシマ効果によって内部の人間にとっては1年程度で旅行することができる。しかし、光速に近い速度まで加速するためには、膨大なエネルギーが必要なため、現実的には不可能である。
 もし、宇宙が自転しているとすると、ビッグバンの残留放射線に非等方性が生じているはずである。しかし、観測された結果によると、残留放射線の等方性が高いことから、宇宙はほとんど自転していないと考えられる。したがって、この方法ではタイムトラベルすることはできない。

原理その2

ティプラーの円筒について解説する。
無限に長い回転する円筒
 1974年、ルイジアナ州テュレイン大学の数理物理学者フランク・ティプラーは、無限に長く質量の大きい円筒の表面が、光速の1/2以上の速度で回転すればCTL(閉じた時間の環)ができることを指摘した。つまり、CTLに沿って円筒の周りを回転すれば、タイム・トラベルが可能である。円筒の回転方向と同じ方向に回転すれば未来へ行き、逆方向に回転すれば過去へ行くことができる。
有限の長さの回転する円筒
 ジョン・グリビンは、太陽と同じ質量で長さが100km、半径10kmの円筒を1ms(ミリ秒)に2回転させるとCTLができることを計算した。天体の中には、パルサーといって数ms周期で電磁波を出しているものがある。これは、非常に重い物体が超高速で回転しているということである。宇宙の中にCTLが存在している可能性もある。
 有限の長さの円筒は、どんなに硬い物質で作ったとしても、半径方向は遠心力により支えられるが、回転軸方向はその強力な重力によりつぶれてしまう。つまり、ブラックホールになってしまうのである。したがって、有限の長さの回転する円筒は、実現することはできない。

原理その3

シュワルツシルトのブラックホールについて解説する。
シュワルツシルトのブラックホール
 1917年、アインシュタインは一般相対性理論の方程式を完成し、重力により時空がゆがめられることを説明した。同じ年に、ドイツの天文学者カール・シュワルツシルトが、球対称で回転していない質量の周りの、ゆがんだ時空を記述するアインシュタイン方程式の解を発表した。シュワルツシルト半径より内側からは光でさえ飛び出すことができない。太陽と同じ質量の天体のシュワルツシルト半径は約3kmである。シュワルツシルト半径より凝縮した天体はブラックホールになる。
ペンローズ・ダイアグラム
 ブラックホールによるタイム・トラベルを理解するには、ペンローズ・ダイアグラムを理解する必要がある。世界地図は、球面を二次元で表現するために様々な図法が用いられている。ペンローズ・ダイアグラムは、時空間を二次元で表現する図法の一つである。通常の時空間のペンローズ・ダイアグラムで点Pは時間的過去の無限大、点Fは時間的未来の無限大、点Eは空間的無限大、辺Sは光的過去の無限大、辺Dは光的未来の無限大を示す。光的過去の無限大とは、光速で進む信号で知ることができる最大の時空間を現している。辺Sから発射された光は、左上45°の傾きで現地点の時間線に到達する。辺Sより遠方または過去の世界は知ることができない。光的未来の無限大とは、光速で進む信号を送ることができる最大の時空間を現している。
シュワルツシルト・ブラックホールのペンローズ・ダイアグラム
 シュワルツシルト・ブラックホールのペンローズ・ダイアグラムは、次のようになる。時空のゆがみが無限大となる特異点が生ずる。ペンローズ・ダイアグラムでは、慣例として特異点をギザギザの線で表す。特異点からシュワルツシルト半径だけ離れたところに、一方通行の膜がある。点Mから出発した旅行者は、一方通行の膜を通って特異点に吸い込まれ、そこから出ることはできない。
シュワルツシルトの解すべての表示
 アインシュタイン方程式のシュワルツシルトの解のすべてをペンローズ・ダイアグラムで表現するとつぎのようになる。一方通行の膜をもつ第二の宇宙が出現し、さらに、物質を吐き出すホワイトホール(過去の空間的特異点)が発生する。ホワイトホールは、ブラックホールを時間反転したものといえる。ホワイトホールのシュワルツシルト半径も一方通行の膜であるが、この膜は物質を吐き出すだけで内部に入れることはない。
第二の宇宙
 この宇宙の中で、ブラックホールと考えられる天体は、いくつか発見されているが、ホワイトホールと思われる天体は発見されていない。この宇宙の中には、ホワイトホールは存在しないのかもしれない。
 アインシュタイン方程式の解で出現する第二の宇宙は、1935年に、アインシュタインとナザン・ローゼンが、素粒子のモデルとしてシュワルツシルトの解を使おうとしたときに発見された。第二の宇宙は、われわれの宇宙とは独立した別の宇宙かもしれないし、われわれの宇宙の離れた領域かもしれない。アインシュタインとローゼンは、第二の宇宙は、われわれの宇宙の離れた領域と推定した。二つの宇宙は、光より速い信号を使わないと通信できない。二つの宇宙をつなぐ超光速の空間的結びつきを、「アインシュタイン=ローゼン・ブリッジ」または「ワームホール」と呼ぶ。量子力学の世界では、「量子テレポーテーション」という瞬時に量子の状態が伝わる現象がある。これは、ワームホールによる現象ではないかと考えられた。
量子テレポーテーション
 何もない空間にガンマ線を照射すると、電子と陽電子が対生成する。電子と陽電子は、互いに逆向きのスピンを持っているが、不確定性原理により、スピンの向きは観測するまで不確定である。対生成した片方の電子のスピンの状態を観測してアップスピンだったとすると、その瞬間にもう一方の陽電子のスピンの向きがダウンスピンに確定する。電子と陽電子がどんなに離れていたとしても瞬時に確定する。このような対の量子の状態を「量子もつれ」という。量子テレポーテーションは、実際に粒子が別の空間へ移動することではなく、量子もつれの状態の片方の量子の状態が確定すると、瞬時にもう一方の量子の状態も確定することをいう。
 量子テレポーテーションを利用して、絶対に盗聴不可能な量子暗号化技術が開発され、実用化されようとしている。量子暗号化は、量子もつれ状態の光子の偏光状態を観測することによって、暗号鍵の伝送を行っている。
タイムトラベルの可能性
 シュワルツシルトのブラックホールは、第二の宇宙が出現し興味深いが、第二の宇宙と通信するには、超光速信号を使わなければならない。量子テレポーテーションは、量子の状態が瞬時に確定するというだけで、情報を超光速で送れるわけではない。たとえ、ワームホールを使って第二の宇宙に行くことができたとしてもタイムトラベルは不可能である。

原理その4

 ライスナー=ノルドストロームのブラックホールについて解説する。
ライスナー=ノルドストロームのブラックホール
 シュワルツシルトがアインシュタイン方程式の解を発表したのとほぼ同じころ、ドイツの物理学者ハインリッヒ・ライスナーとフィンランドの物理学者グンナー・ノルドストロームは、質量だけでなく電荷も持っている場合のアインシュタイン方程式を解いた。ライスナー=ノルドストロームのブラックホール・ダイアグラムはつぎのようになる。これには、二つの大きな特徴がある。それは、時間的特異点とペーパードール・トポロジーである。
時間的特異点
 シュワルツシルトのブラックホールの中心には空間的特異点が存在したが、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールには時間的特異点が存在する。また、通常空間と特異点を隔てる一方通行の膜が二つ存在する。時間的特異点は、時間の流れに並行しており、空間的特異点と違い、時空を巧妙に航行すれば避けることができる。たとえば、Mから出発した旅行者は通路Aを通って、時間的特異点を避けて第三宇宙に到達できる。また、通路Bを通って第四宇宙に到達することもできる。
 一方通行の膜は、通過すると時間が空間に変わり、空間が時間に変わる。一方通行の膜を奇数回通過すると空間的特異点に到達し、偶数回通過すると時間的特異点に到達する。
ペーパードール・トポロジー
 シュワルツシルトのブラックホールには別の宇宙が一つあるのに対して、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールには別の宇宙が無数に現れる。折りたたんだ紙から切りぬいた紙人形のようなので、ペーパードール・トポロジーという。
 時間的特異点は、入口用と出口用の二つの一方通行の膜を持っていて、ブラックホールとホワイトホールの両方の働きをする。
 別の宇宙は、まったく別の宇宙かもしれないし、われわれの宇宙の一部かもしれない。また、元は一つの宇宙だったものが分裂して、ほとんど同じような歴史をたどっているパラレル・ワールドなのかもしれない。時間旅行者が過去に戻った時点で宇宙が分裂し、われわれの宇宙とそっくりのパラレル・ワールドが形成されるのかもしれない。もしそうだとしたら、自分が過去に戻って親を殺したとしても、そこは自分のいた世界とは別の世界なので、自分が消滅することはない。すなわち、親殺しのパラドックスは生じない。
タイムトラベルの可能性
 ライスナー=ノルドストロームのブラックホールが発生した時点で、われわれの宇宙から分裂したパラレル・ワールドが出現するとしたら、時間旅行者が別の宇宙に到達した時点では、われわれの宇宙とまったく同じような世界になっていて、その時点から少しずつ未来が変わっていくと考えられる。時間旅行者は、一方通行の膜があるので、元自分が住んでいた未来に戻ることはできない。ただし、ほとんど同じような未来の世界に戻ることはできるかもしれない。
 ライスナー=ノルドストロームのブラックホールは、強力な重力に抵抗するだけの強力な電荷が必要である。そのような強力な電荷は、そこにあるどんな物質もイオン化し、そのイオンによってブラックホールの電荷を中和するように働くので、宇宙の中にはライスナー=ノルドストロームのブラックホールは存在しないと考えられる。
 別の宇宙がわれわれの宇宙の離れた領域とすると閉じた時間の環CTLが形成され、タイムトラベルが可能であるが、そうでない場合は、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールではタイムトラベルは不可能である。

原理その5

 カーのブラックホールについて解説する。
カーのブラックホール
 シュワルツシルトとライスナー=ノルドストロームの解が発表されてから約半世紀が過ぎた1963年に、ニュージーランド生まれの物理学者ロイ・カーが、強力な重力を持ち、高速で回転する物体のアインシュタイン方程式の解を発見した。カーのブラックホールのペンローズ・ダイアグラムをつぎに示す。カーのブラックホールには、三つの特徴がある。リング状の特異点、負の時空領域、負のCTL領域である。また、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールと同様に、時間的特異点とペーパードール・トポロジーもある。
リング状の特異点
 カーのブラックホールは、特異点が点ではなく、回転軸を取り巻くリング状の形をしている。このため、無限に湾曲した領域を避けて、ブラックホールの中心に到達できる。ペンローズ・ダイアグラムでは、リング状特異点をギザギザの歯ではなく、丸い歯で表現する。
負の時空領域
 ブラックホールのリングの中心を通り抜けると、そこは元の宇宙ではなく、負の時空領域となっている。そこでは、G×r(Gは宇宙の重力定数、rは中心からの距離)が負になる。中心からの距離が負になるというのは考えにくいので、重力が負になると考えられる。つまり、ブラックホールの中心に達するまでは、引っ張られる力を受けていたが、中心を通り抜けるとブラックホールから反発する力を受けるようになる。
負のCTL領域
 リング状特異点の内側には、負のCTL(Closed Time Link)領域つまり負の閉じた時間の環が生じる。リングの中心を通り抜けて、回転軸の周りを回転方向に回ると過去にさかのぼることができ、その回った回数によってどれだけ時間をさかのぼるかが決まる。そして、リングの中心を再び通って戻ると正の時空領域に戻ることはできるが、一方通行の膜があるので元の宇宙に戻ることはできず、別の宇宙へ抜ける。別の宇宙とは、われわれの宇宙の離れた領域かもしれないし、パラレルワールドになっていて、われわれの宇宙とそっくりの別の宇宙かもしれない。

原理その6

 カー=ニューマンのブラックホールについて解説する。
カー=ニューマンのブラックホール
 ロイ・カーが回転するブラックホールの解を発表してから2,3年後、ピッツバーグのエズラ・ニューマンとその同僚が、電荷を持ち回転するブラックホールの解を発表した。カー=ニューマンのブラックホールのペンローズ・ダイアグラムをつぎに示す。正のCTL領域が追加された形となっている。リング状特異点を通り抜けなくても、正のCTL領域に到達できるので、過去にさかのぼることができる。
正のCTL領域
 リング状特異点の内側には、正のCTL領域つまり正の閉じた時間の環が存在する。カーのブラックホールには正のCTL領域は存在せず、負のCTL領域しか存在しなかった。しかも、負のCTL領域に行くにはリング状特異点の中心を通り抜ける必要があった。リング状特異点に到達するまでに一方通行の膜が二つ存在する。リング状特異点の内側領域に正のCTL領域が存在する。リング状特異点の中心を通り抜けると負のCTL領域となり、さらに進むとそこは負の時空領域となっている。正の時空領域に戻り、一方通行の膜を二つ抜けて出てくると、そこは別の宇宙となっている。
タイムトラベルの可能性
 カー=ニューマンのブラックホールは、リング状特異点の中心を通り抜けなくても正のCTL領域に到達できるので、そこで回転軸と反対方向に回転すると、その回った回数に応じて過去にさかのぼることができる。ただし、一方通行の膜が存在するので、元の宇宙に戻ることはできず、別の宇宙へ行ってしまう。その別の宇宙は、われわれの宇宙の離れた領域かもしれないし、パラレルワールドになっていて、われわれの宇宙とそっくりの宇宙かもしれない。

原理その7

 超極限のカー物体について解説する。
超極限のカー物体
 カーのブラックホールは、質量Mと角運動量Aの値だけでその特性が記述できる。MがAより大きい場合は、二つの一方通行の膜が存在する。Aが増大するにつれて二つの膜がしだいに接近し、A=Mのときに二つの膜は融合する。このように、ブラックホールの質量と角運動量が釣り合っている状態を超極限のカー・ブラックホールという。
 角運動量がさらに増大し質量を超えると、一方通行の膜は消失し、リング状特異点が露出する。このような状態になると、ブラックホールに突っ込まなくても正のCTL領域に入り、過去にさかのぼることができる。角運動量が質量を超えて特異点が露出した物体を「超極限のカー物体」(SEKO:Super-Extra Kerr Object)という。
 このように、露出した特異点を「裸の特異点」という。裸の特異点が存在すると、理論的に因果関係を予測することができなくなる。ロジャー・ペンローズは、自然界にはそんなものは存在しないだろうと考え、「宇宙検閲仮説」というものを提唱した。
裸の特異点
 通常、ブラックホールの特異点は、一方通行の膜(事象の地平面)によって囲まれており、われわれが特異点を直接観測することができない。したがって、特異点の影響をわれわれの宇宙は受けないので、因果関係が崩れることはない。しかし、裸の特異点が現れると、密度が無限大となる点の影響により、一般相対性理論が破綻し、理論的に因果関係を予測できなくなる。
 超極限のカー物体のペンローズ・ダイアグラムをつぎに示す。カーのブラックホールで存在していたペーパードール・トポロジーは消え失せ、一対の正の時空間と負の時空間のみになり、リング状特異点により隔てられている。リング状特異点が露出することにより、時空全体がCTL領域となる。われわれの宇宙に超極限のカー物体が一個存在するだけで、時空全体が影響を受ける。つまり、いたるところに過去への入口が存在するかもしれないのである。
宇宙検閲仮説
 裸の特異点が存在すると、物理現象の因果関係が破綻するため、宇宙検閲仮説というものが考え出された。裸の特異点が存在しないように、宇宙自体が検閲し、禁止しているという仮説である。
 1992年にシャピーロとトイコルスキーによって示された、円盤状の塵の崩壊のシミュレーションでは、崩壊した軸上の少し外れた点において、曲率が無限大になり破綻した。このシミュレーションでは事象の地平面ができなかったので、裸の特異点が形成されたと考えられた。この結果は、宇宙検閲仮説が破れていると受け取れる。ホーキングは、キップ・ソーンと、「宇宙検閲仮説」は守られるかどうかで賭けをしていたが、このシミュレーション結果に対し、数年後、ホーキングが負けを認めた。したがって、裸の特異点が存在する可能性は高い。

原理その8

 ミニブラックホールについて解説する。
ミニブラックホールによるタイムマシン
 前回までの説明で、カーのブラックホールが超極限状態になると、特異点がむき出しの状態になり、タイムトラベルが可能であることを示した。では、その超極限のカー物体が、この宇宙に存在するのだろうか。観測結果によると、各銀河の中心には、巨大なブラックホールが存在するらしいことが分かってきた。しかし、タイムトラベルするために、そのブラックホールの近くまで行くのは大変な仕事である。
 ミニブラックホールを人工的に作ることができれば、身近なところでタイムマシンを実現することができる。超ひも理論によると、2007年に完成予定のヨーロッパ原子核研究所(CERN)の大型加速器LHCを使えば、ミニブラックホールを作ることができると予想されている。
 ジョン・タイターは、「タイムトラベルの基礎がためは、CERN(ヨーロッパ原子核共同研究機関)で始まり、2034年にタイムマシン1号機が製造される」と言っている。2034年には、大型加速器を使わなくてもミニブラックホールを作れるようになっているのかもしれない。
ミニブラックホールの作り方
 ブラックホールを作るのに必ずしも大量の質量は必要ない。CERNの大型加速器LHCは、陽子を光速近くまで加速して正面衝突させることにより、10の-24乗kgに相当する質量を10の-19乗mという狭い領域に集中させることができる。
 従来の重力理論では、10の-24乗kgの質量を10の-51乗mまで圧縮しないとブラックホールにはならなかった。しかし、超ひも理論のブレーンワールド仮説が正しいとすると、物質が接近すると急激に重力が強くなるため、10の-18乗m程度でブラックホールが形成される。これは、大型加速器LHCで十分到達できるレベルである。大型加速器LHCでは、1秒に1個の割合でミニブラックホールを作ることができるという。
ブラックホールの蒸発
 ブラックホールは、なんでもかんでも飲み込んでしまう、とても恐ろしいものと考えられていた。しかし、スティーブン・ホーキング博士によると、ブラックホールは蒸発するという。
 量子力学ではエネルギーと時間は不確定性関係にあり、時空の微小な領域で粒子と反粒子の対生成・対消滅が絶えず起こっているとされる。ブラックホールの地平面の近傍でこのような粒子対が生成すると、それらが対消滅する前に、片方の粒子がブラックホールの地平面内に落ち込み、もう一方の反粒子が遠方へ逃げ去ることがある。この粒子の放出はブラックホールの地平面上で確率的に起こるため、ブラックホールが、ある温度の熱放射で光っているように見える。これをホーキング輻射と呼ぶ。このホーキング輻射によってブラックホールの質量が減少し、最後には蒸発してしまう。大型加速器LHCで作られるようなミニブラックホールであれば、一瞬のうちに蒸発してしまうと考えられる。

原理その9

 超ひも理論のブレーンワールド仮説について解説する。
超ひも理論
 物質の最小単位である素粒子を大きさ0の「点」として重力を計算すると、値が無限大になるなど矛盾が生じることがあるため、物質の最小単位を「ひも」と仮定して考え出された理論が超ひも理論である。ひもの長さは10の-33乗cm(プランク長さ)と非常に小さい。ひもの振動の違いによって、ひもが様々な種類の素粒子に見える。
自然界の四つの力
 自然界には四つの力が存在する。重力、電磁気力、強い力、弱い力の四つである。強い力とは、陽子と中性子を結びつける力で、電磁気力の100万倍ほども強いが、到達距離は10の-14乗cmと短い。弱い力とは、素粒子の崩壊を起こす力で、電磁気力よりはるかに小さく、到達距離も10の-16乗cmと短い。弱い力を分かりやすくいうと、素粒子を変化させる力である。たとえば、孤立した中性子は、約15分の寿命で、陽子と電子と反ニュートリノに変化する。これは弱い力によって起きている。
 現在、重力以外の三つの力は、理論的に統一された一つの力として説明できる。超ひも理論が完成すれば、重力も含めて、すべての力が統一的に説明できると期待されている。
10次元時空
 超ひも理論を矛盾なく構築するには、この世界が少なくとも10次元時空である必要がある。しかし、われわれが知覚できるのは、X軸,Y軸,Z軸と時間軸の4次元時空である。残りの6つの空間次元は、われわれが知覚できない「余剰次元」となっている。余剰次元のサイズは、10の-33乗cm程度にコンパクト化されていると考えられている。
ブレーンワールド仮説
 ひもには、ループ状に閉じたひもとループになっていない開いたひもがある。開いたひもの端はどうなっているのかと考えたときに、膜にくっついているのではないかという理論が出された。それがブレーンワールド仮説である。ブレーンは英語の「membrane(膜)」からきている。膜は、必ずしも2次元の平面ではなく、3次元の立体ブレーンも考えられる。
 開いたひもは、常に両端がブレーンにくっついているので、ブレーン上を滑るように移動する。ひもはすべての物質を構成する基本要素なので、すべての物質は膜に貼りついている。閉じたひもの一部は、ブレーンを飛び出して、高次元空間を伝わることができる。この閉じたひもは重力子である。
 われわれの世界がブレーンワールドに閉じ込められているとしたら、余剰次元が10の-33乗cm程度にコンパクト化されている必要はない。われわれはブレーンワールドの外の次元を知覚できないので、余剰次元はもっと大きくてもよい。
 重力子が3次元空間を伝わるとすると、重力の大きさは、距離の2乗に反比例して小さくなる。観測結果によると、実際に距離の2乗に反比例して小さくなっているので、観測できる範囲では、余剰次元の影響は現れていない。しかし、実験では0.1mm以下でも成り立つか確認されていない。したがって、余剰次元が0.1mm程度である可能性もある。余剰次元の大きさが0.1mmとすると、0.1mm以下に物体を接近させると距離の3乗に比例して重力が大きくなる。

タイムマシンの可能性
 従来の重力理論では、10の-24乗kgの質量を10の-51乗mまで圧縮しないとブラックホールにはならなかった。しかし、超ひも理論のブレーンワールド仮説が正しいとすると、物質が接近すると急激に重力が強くなるため、10の-18乗m程度でブラックホールが形成される。これは、2007年完成予定のCERNの大型加速器LHCで十分到達できるレベルである。
 人工ミニブラックホールを作ることができれば、その強力な重力場による時空のゆがみを利用して、タイムマシンを実現できる可能性がある。

原理その10

 ジョン・タイターが公開したタイムマシン操作マニュアルのタイムマシン原理図を解説する。
タイムマシン原理図
 ジョン・タイターは、タイムマシンの操作マニュアルの中から数ページ抜粋して、インターネットの掲示板に公開した。下図は、タイムマシンの原理を示す図である。
Timemanu
①カー領域の双対特異点
②負時間領域の出力
③無時間領域の出力
④正時間領域の出力
⑤X軸出口円錐
⑥垂直安全距離
⑦質量オフセット
⑧後方質量分布
⑨前方質量分布
⑩負時間事象の地平線
⑪無時間事象の地平線
⑫正時間事象の地平線
 この図は、原理その7で紹介した「超極限のカー物体」に似ている。超極限のカー物体は、質量による重力よりも自転による角運動量の方が大きく、特異点が裸の状態になった物体である。しかし、超極限のカー物体は、特異点が一つだけであるが、上図は特異点が二つある。特異点が二つあるブラックホールの解については、まだ誰も解いていない。
 事象の地平線は存在しているがドーナツ状になっており、上下方向からは特異点がむき出しになっている。
 特異点が二つあるためか、質量の重心が中心からずれている。
タイムマシンの動作
 ジョン・タイターは、『タイムトラベルは、重力の強さを自在に変化させることにより達成される。人工の双対ミクロ特異点を取り巻く質量と重力場に電子を注入して荷電させ、「カー局所場」ないし「ティプラー重力シヌソイド」内の事象の地平線の直径を拡大する。ドーナツ状特異点の環内に物質を通過させ、別の世界線へと送り込む動作をシミュレート操作して、局所場を適合・回転・移動できれば、安全なタイムトラベルが可能となる。』と表現している。
 回転するブラックホールに電荷を注入すると、原理その6で紹介した「カー=ニューマンのブラックホール」になる。カー=ニューマンのブラックホールは、特異点の周囲に正のCTL領域が生成されるので、リング状特異点を通り抜けなくてもタイムトラベルが可能となる。
 電荷を注入することにより、重力に打ち勝つ反発力が生じるため、ドーナツ状特異点の直径が拡大する。さらに、特異点の自転による角運動量によってもドーナツ状特異点の直径が拡大するため、特異点が裸の状態になると考えられる。
 このようにして、特異点が裸の状態になり、正のCTL領域がタイムマシン全体を包み込むことにより、タイムトラベルが行われると考えられる。

1.4実行可能なタイムマシンのための数学モデル ベッククルー
物理学者たちは、理論的な「タイムマシーン」 - 時間と空間を通って前後に動くことができる箱 - の数学モデルであると主張するものを思いつきました
トリックは、宇宙の時空の曲率を使って、箱の中に座っている仮想の乗客のために時間を円に曲げることであり、その円は彼らが未来と過去に飛び込むことを可能にします。
「人々はフィクションのように何かのようにタイムトラベルを考える。そして、我々は実際にそれをしないので、それは可能ではないと思う傾向があり、」理論物理学者と数学者、ベンティペットは言ったカナダのブリティッシュコロンビア大学から、。
「しかし、数学的には可能です。」
メリーランド大学の天体物理学者であるDavid Tsangと一緒に、Tippettはアインシュタインの一般相対性理論を使って、時空間でTraversable Acausal Retrograde Domainと呼んでいるものの数学モデルを考え出しました。
しかし、合法的なタイムトラベルの狂気に陥る前に、これを真の観点から見てみましょう - 研究者たちは、明日には構築できるDoctor Whoスタイルのタイムマシンの青写真を持っていると主張していません
彼らは、私たちがこのものを作るために必要とする材料はとてもエキゾチックで、まだそれらを発見さえしていないと言っています...しかし、私たちはすぐにそれに到達するでしょう。
まず、TippettとTsangが実際に提案しているものについて話しましょう。 
このモデルは、4次元(時間)を分離して3つの空間次元宇宙を見るのではなく、それら4つの次元を同時に想像しなければならないという考えに基づいています。
それは私たちが時空連続の可能性を考えることを可能にします、そこでは空間と時間の異なった方向はすべて宇宙の湾曲した織物の中で接続されます。
アインシュタインの相対性理論は、宇宙における重力効果を時空間の曲率と結びつけています。この現象は、惑星や星の楕円軌道背後にあると考えられています
時空が「平ら」または曲がっていなければ、惑星は直線的に動くでしょう。しかし、相対論によれば、時空の幾何学は高質量の物体の近くで曲線になり、それによって惑星はその経路を曲げ、その代わりにそれらの星の周りを回転します。
TippettとTsangが主張しているのは、宇宙で曲がったりねじれたりすることができるのは物理的な空間だけではないということです。時間自体も、高質量の物体の近くで曲げることができます。
「時空間表面の時間方向も曲率を示しています。ブラックホールに近づくと時間が遅くなることを示す証拠があります」とTippettは述べました。
「タイムマシンの私のモデルは、直線ではなく、乗客のために時間を円に曲げるために曲がった時空を使っています。その円は時間を遅らせることができます。」この理論的性質を利用するために、物理学者たちは大きな円形の経路に沿ってその中にあるものを空間と時間を通して運ぶ一種の時空幾何学の「バブル」を作ることを提案します。 
このバブルが光の速度より速い速度を打つことができるならば - ペアが数学的に可能であると言う何か - これはそれが時間的に後ろに動くことを可能にするでしょう。
「それは時空を通る円形の経路に沿って時間的に「前方へ」そして次に「後方へ」進む箱である」と研究者達は彼らの2017年の論文で説明した。
「喜んでいる外部の観察者は、箱の中の旅行者が時間とともに逆方向に進化するのを見ることができるでしょう。卵を壊さず、コーヒーからクリームを分離するのです。」
あなたはバブル/タイムマシンの中に乗客(人物A)とその横に立っている外部の観察者(人物B)を持って基本的なアイデアを見ることができます。 
時間の矢 - (通常の状況下で、少なくとも我々の宇宙で、)は、常に過去本なる製造。BK Tippettら。al。
A人とB人はどちらも劇的に異なる方法で時間を経験するだろう、と研究者らは説明した。
「泡の中では、AはBの出来事が周期的に発展し、その後反転するのを見るだろう。泡の外では、観察者BはAの2つのバージョンが同じ場所から現れるのを見る。言い換えれば、外部オブザーバはタイムマシンの内部に2つのバージョンのオブジェクトを見ることになります。1つのバージョンは時間的に前に進化し、もう1つは後退します。
TippettとTsangは数学は正しいと言っていますが、今問題は彼らが提案しているものを構築するための正しい材料が実際にはないということです。
「 -私たちはエキゾチックな問題を呼び出す-それを数学的に実現可能であるが、それは我々が材料を必要とするので、スペースタイムマシンを構築することはまだできないが、これらのことは不可能な方法で時空を曲げるために、彼らが発見されていなければならない」と述べましたティペット。
彼らの考えは別の理論的なタイムマシーン - Alcubierreドライブを思い出します - それは同じく時間と空間を通して(仮想的に)乗客を輸送するために異国情緒の殻を使用するでしょう。
どちらのアイデアも、実際にこれらの時空間曲がる材料を製造する方法についてのいくつかのアイデアがなければ遠くに行くことはできませんが、Tippettが指摘するように、我々はタイムトラベルの可能性について疑問に思うのをやめることは決してないでしょう。より多くの方向性私たちはこの心を曲げている物理学をとることができます。


1.5タイムマシンの発明に全人生を捧げるロナルド・マレット博士(69)
コネチカット大学物理学部の名誉教授であるマレット博士は、これまで表向きにはブラックホールの専門家として名を馳せてきた(社会的信用を失うことを恐れたため)。しかし最近、彼が取り組んできた本当の研究はタイムマシンの製作であることを人々の前で告白、科学界から大きな注目を集めているのだ。

■"現時点で実現可能な"タイムマシンとは?

 マレット博士が研究するタイムマシンは、人間が乗り込み、体ごと時空を移動する装置ではない。将来的にそのような機械が登場する可能性を否定することはできないが、現時点で実現可能なものとして彼が構想しているのは「時空を超えてメッセージを送受信するための装置」だという。未来からのメッセージを受け取ることができれば、私たちの行動に自ずと影響を与え、未来が変化することになる。これはまさに、最初期のタイムマシンにほかならないのだ。では、どうすればそのような装置を作り上げることができるのか?

「レーザー光の周回によって、数学的には時空の歪みを生み出すことができるのです」(マレット博士)

 どうやら博士の理論によると、周回するレーザー光によって時空を超えた膨大なデータネットワークが開け、過去や未来とコミュニケーションを取ることが可能になるようだ。なお、この装置がメッセージを送信できる時代は、どんなに遡っても装置が完成した瞬間までになるという。つまり装置が完成し、スイッチが入った瞬間から子孫たちのメッセージを受け取ることはできるが、それよりも古い時代を生きる祖先に向けてメッセージを送ることはできないのだ。博士が一刻も早い装置の完成を目指す理由は、そこにある。

「そもそも科学者たちは、時を遡ったり、進められるということを(理論上は)よくわかっているのです」(マレット博士)

 速く動けば動くほど時の流れは遅くなり(特殊相対性理論)、重力が強いほど時の流れは遅くなる(一般相対性理論)。アインシュタインが唱えたこのような理論は、「ハーフェルとキーティングによる飛行実験」(1971年)をはじめとするさまざまな実験によって、すでに事実として確認されている。マレット博士の理論も、その基礎は相対性理論にあるとのことだ。

■マレット博士の波乱万丈な半生

 タイムマシンの製作に人生をかけるマレット博士。その強い想いの背景には、彼の生い立ちが大きく影響していたようだ。

 ニューヨークのブロンクス地区に生まれた博士は、10歳の時に父親を心臓発作で亡くした。その後、家族は親戚を頼って各地を移動するなど、貧困に苦しんだという。「父親が33歳という若さで急死しなければ......」という思いが消えることはなかった模様。

 そのような中で出会った一冊の本、「SFの父」ことハーバート・ジョージ・ウェルズによる『タイム・マシン』が、博士の運命を決定づけた。そう、過去に戻ることができれば、父親を救うことができることに彼は気づいてしまったのだ。その後、若き博士はベトナム戦争に従軍してアメリカ空軍の「戦略航空軍団(SAC)」に配属される。そして、復員兵を対象とした支援を受け大学進学を果たし、卒業後はユナイテッド・テクノロジー社に就職。レーザー技術の研究に従事した。その時の経験が、現在のタイムマシン理論につながったという。

「いつも父のことを考えています。彼に会いたいという熱意が、いまの私を作り上げましたた」(マレット博士)

 波乱に満ちたマレット博士の半生は、現在多方面で大きな反響を呼んでおり、映画監督スパイク・リーの脚本による映像作品化も予定されているようだ。

■人間は、不可能を可能にすることで進歩してきた!

 ところで、もしも博士の理論が現実になっても、残念ながら「父親とコミュニケーションを取る」という博士の願いは実現しない。それでも彼は、

「想像してみてください。もしも過去の人々に警告を送ることができたなら、数えきれないほどの命を救うことができるでしょう」
「十分な資金さえあれば、タイム・トラベルは必ず可能になります」

 と研究の社会的意義を強調している。そしてタイムマシンの製作には、第1段階として今後5年間で約3,000万円の費用が必要になるとして、これまで秘密裏に行ってきた自身の研究を公表することにした。

 もちろん、科学界からは「理論上は正しくても、技術的にはできるはずがない」などの意見が多数寄せられているようだが、類似する説を唱えたり、研究への協力を名乗り出る科学者も現れるなど、次第に風向きは変わりつつあるという。どんなことでも、取り組まずして成功することなどあり得ない。不可能と思われていることに挑み続けてきた人々が、歴史を切り拓いてきたことは紛れもない事実だ。今後、博士の発表から目が離せない。

1.6ジョン・タイターのタイムマシンの欠点
2000年インターネット上に現れた、2036年からやってきたタイムトラベラーを自称する男性である。自分を1998年生まれだとした。
彼の使用したタイムマシンは、たとえばタイムマシンを題材にしたH・G・ウエルズの同名小説に出てくる機械のような、いわゆる乗り物ではなく、重力制御装置であるという。しかし、タイムトラベルにはその装置を乗用車に設置して車ごと時間移動し、わかりやすさなどを考慮してタイムマシンと呼んでいる。
タイムマシンは2034年欧州原子核研究機構 (CERN) により試作1号機が実用化され、タイターが使用するものは正式名称「C204型重力歪曲時間転移装置」で、開発はゼネラル・エレクトリック社が行ったという。
タイムトラベルの方法は以下に示す通りである。
  1. タイムマシンに目的の年月日時刻の座標を入力し、始動させる。
  2. 重力場が形成され、搭乗者の身体を包む。搭乗者はエレベーターの上昇中のような感覚が継続する。
  3. 装置が加速するにつれて周囲のが屈曲し、一定まで達すると紫外線が爆発的に放射されるためサングラスが必須になる。
  4. その後、周囲が次第に暗くなっていき、完全に真っ暗になる。
  5. 景色が元に戻り、タイムトラベルが完了する。
フルパワー駆動で約10年間飛ぶのに、およそ1時間程かかるとされる。タイムトラベルが可能な範囲は、タイターの使用したタイムマシンでは約60年であり、それ以上の過去や未来に行こうとすると、世界線(世界)のズレが大きすぎて全く異なる世界にたどり着いてしまうという。それはつまり、我々が現在知ることの出来る歴史とはかけ離れた歴史を持った世界へ到着してしまうということである(60年以内の移動であっても誤差といえる程度の世界線のずれが生じるためタイムトラベルのたびに「限りなく似通ったパラレルワールド」に移動していることになる)。
銀河系も太陽系もかなりの速度で宇宙空間を移動しているため、たとえ30年前の過去へタイムトラベルが成功したとしても、そこには地球はなく、宇宙空間に投げ出されてしまうと思われる。この疑問について、タイターは技術的に最も困難な部分であると語っている。タイターの説明によると、現在地における重力の正確な測定を行うことによって、地球上での空間座標を特定しているとのこと。その空間座標はタイムトラベル中、VGL(可変重力ロック)という装置によって一定に保たれており、時計(タイターの乗るタイムマシンではセシウム時計4個)の発信周波数を基に、Bordaと呼ばれるエラー修正プロトコルを用いて制御されていると述べている。前述したように、この装置では60年間のタイムトラベルが限界で、それ以上はVGLを使用しても異なる空間座標に到着する可能性が高い。
タイムトラベルは、それを客観的に観測している人間にとっては、一瞬のうちに終わっているように見える(つまり、タイムトラベラーがタイムマシンを作動させた瞬間にもとの世界に戻ってきているように見える。たとえタイターがこの世界線において2年もの月日を過ごしていたとしても変わらない)。しかしこれは、あくまでタイムトラベルを(マシンを積んだ乗り物を移動させず)同じ空間座標で行った場合である。タイムトラベル後、元の世界線へと戻るときにマシンを作動させた空間座標が最初の座標と違う場合、観測者にとっては、その場にあったタイムマシン(とそれを積んだ乗り物)が一瞬にして消え、別の場所に一瞬にして現れるという風に見えるという。

タイターは、エヴェレット・ホイーラー・モデル(エヴェレットの多世界解釈)は正しいと発言している。さらに、タイターは、「エヴェレットの多世界は、時間の異なる別の世界線であり、恐らく無限に存在する」といったような解釈を付け加えることによって、タイムトラベルの結果生じる矛盾、いわゆるタイムパラドックスの問題が解決されるとしている。この世界線とは、いわゆるパラレルワールドと同義であり、タイターは「時間線」と合わせて三種類の語を使用していた。

タイターは、それらの異なる世界線を移動することにより、タイムトラベルは行われると説明している。例えば、過去にやってきたタイムトラベラーが自分の親を殺しても、自分がいた世界とは別の世界の自分の親を殺したことになるので、そのタイムトラベラーが消滅することはないという。同じように、違う世界線の自分自身を殺してしまっても、世界線が分岐するだけなので何ら問題は起きないと語っている。
タイターの場合は、まず2036年から1975年にタイムトラベルし、そこから自分が生まれた1998年に飛び、2000年まで滞在したという。この場合の1975年とは、2036年からの世界線のズレが約2%の世界であり、そこから未来へ遡行したために、タイターが訪れた1975年の同一世界線上の未来である1998年が、我々の世界である(つまり我々の世界線では、1975年にもタイターが訪れていた可能性がある)。2036年をAとすれば、1975年の世界線はBであり、さらに、タイムトラベルしたタイターがいるために世界は分岐してC(1975年)になった。そこからさらに、1998年へ飛んだのでこの世界線はDということになる。2%のズレはBの時点での話であるので、CおよびDを経てズレは大きくなっている。
これらの事案についてタイターは、タイムトラベルを行うことに起因して世界線が分岐するのか、あるいはタイムトラベルをする以前からその世界線は存在していたのか、という問題がタイターのいた世界でも議論になっていると説明している。
タイターが「我々の世界」に初めてやってきたのは1998年だが、その時この世界におけるタイター一家に「2000年問題によって引き起こされる災害や混乱から逃れるため」引っ越しを促している。(実際に一家は引越しをしたという)しかし、タイターの予想に反して2000年問題は大きな騒ぎとはならなかった。この原因として、タイターは、自分が任務のために赴いた1975年の行動が影響している可能性がある、と家族に話していた。さらに、タイターの説明では、2000年問題の混乱が、後の核戦争に繋がっているということで、タイターのいた世界線と我々の世界線では、未来において大きなズレがあることが考えられる。

タイターが元いた世界線に帰還するためには、タイムマシンが往路にて収集した重力の測定データをさかのぼって帰還するとしている。

また、自分がもといた未来の世界線へ少ない誤差で帰還するためには、一度自分がやってきた時間・場所に戻る必要があるほか、潮汐力が地球の重力に影響を与えている都合上、帰還するタイミングは一年に2回ある旨の説明をしている。
そのため、タイターが自分のいた未来へ帰るには、まず1998年に戻り、そこからさらに1975年に戻ってから、やってきた世界線に沿って時空をさかのぼる必要があるということになる。
しかし、全く同一の世界へ帰還できるわけではない。誤差は非常に小さいものの、そこは「良く似た別の世界」であることに変わりはないという。世界線は無限に存在し、そのどれかにピンポイントで移動する方法が現在のところ見つかっていないためである(光速を超えない限り不可能であるとタイターは書き込んでいた)。
もっとも、確率的にはありえないほど低いが自分の望む世界にたどり着く余地はあり、タイターの世界では、ズレのない世界(つまり自分の世界と全く同一の時間軸上にある世界)にたどり着いたタイムトラベラーが存在するという。

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